森永卓郎氏の長男・森永康平氏が快挙 格闘技初タイトル戴冠 「おやじが生きている間にベルト見せられてよかった」
経済アナリストの森永康平氏が30日の「EXECUTIVE FIGHT武士道」(東京・八芳園)でタイトルマッチに初挑戦し、判定3-0で王座戴冠を果たした。
小比類巻貴之プロデュースのリングで躍動
経済アナリストの森永康平氏が30日の「EXECUTIVE FIGHT武士道」(東京・八芳園)でタイトルマッチに初挑戦し、判定3-0で王座戴冠を果たした。
同大会は小比類巻貴之がプロデュースするエグゼクティブ向けのアマチュア格闘技大会。康平氏は、キックボクシング(-55キロ級)の初代王座決定戦で、高石真吾氏と2分2Rで対戦した。
昨年9月にデビューし、ここまで5戦1勝4敗。普段80キロのところ25キロの大減量で、「顔は別人」(関係者)になりながらもなんとか仕上げてきた。1Rから果敢に前に出ると、相手の蹴りに対して、鋭いパンチで対抗する。最後まで気持ちは切れず、手数で上回り、押し切った。
試合後、ベルトを巻いた康平氏は「おやじは闘病中なので来てないんですけど、生きている間にベルト見せられてよかったなと思っています」とマイクアピールし、父で膵臓(すいぞう)がんで闘病中の森永卓郎氏に勝利をささげた。
昨年末にステージ4と診断され、余命2~3か月と言われながらも、壁を乗り越え、懸命に戦っている。
「去年の11月の時点でお医者さんから告知を受けてて、桜は見れないと言われていた。3月ぐらいに死んじゃうかもということを本人も僕ら家族も言われていた。そこから少し安定してきて仕事もちょっとずつできるようになった中で、8月末にタイトルマッチがある。できればおやじにはベルトを見せたいと思っていたんですけど、8月末は普通に考えたらかなり厳しいと思っていた。すごくうれしいですし、ほっとした気持ちも正直あります」と感慨を込めた。息子からの力強いエールは何よりの“治療薬”になったはずだ。
自身は子どものころからプロレスや格闘技のファン。経済アナリストとして若者に訴求しようと、30代後半になって格闘技の練習を始めた。「小比類巻さんの前でベルトを巻けて20年ぐらい前の自分に自慢したいと思う」と夢のような瞬間に酔いしれた。
難しい「経済」というテーマをかみ砕いた分かりやすい解説には定評がある。
現在の相場は、8月5日に日経平均が「ブラックマンデー」を超える4451円28銭安と暴落。翌日に過去最大の上げ幅となるなど、波乱含みだ。
勝利ついでに、どう勝負すればいいのか聞くと、「令和のブラックマンデーがあったときに、みんなに言ってたんですけど、相場気にしても意味ないですよね。あの暴落のとき売っちゃった人たちって大損していて負けてて、あそこで放置していた人ってほとんど戻っちゃっている。そういう意味では、相場以外の趣味を持ってもらって、相場見る時間を減らして、この荒波をいい意味で無視してほしいなと思います」。
もともとは60キロ級の選手。興奮冷めやらない康平氏は「この興行に2階級王者はいない。コヒさんがいいって言えば、2階級制覇を狙いたい」と早くも次なる野望をぶち上げていた。