映画『きみの色』山田尚子監督、主役陣のサプライズに涙 「忘れないでください」

世界から脚光を浴びるアニメーション監督の1人・山田尚子監督の最新作、映画『きみの色』の初日舞台あいさつが3日、都内のTOHOシネマズ日比谷で行われ、鈴川紗由、高石あかり、木戸大聖、やす子、山田監督が登壇した。

初日舞台あいさつに登壇した(左から)山田尚子監督、高石あかり、鈴川紗由【写真:ENCOUNT編集部】
初日舞台あいさつに登壇した(左から)山田尚子監督、高石あかり、鈴川紗由【写真:ENCOUNT編集部】

映画『きみの色』の初日舞台あいさつ

 世界から脚光を浴びるアニメーション監督の1人・山田尚子監督の最新作、映画『きみの色』の初日舞台あいさつが3日、都内のTOHOシネマズ日比谷で行われ、鈴川紗由、高石あかり、木戸大聖、やす子、山田監督が登壇した。

 山田監督は、声優初挑戦で主人公3人の声を担当した鈴川、高石、木戸について、「やさしい声を持っているし、かわいいし、でも思春期の鋭さも持っている。本当にぴったりで実写版に見える」と絶賛。同じく声優初挑戦のやす子にも、「初めましての時から、『今日は楽しくやりましょう!』と言っていただいて、アドリブも入れていただきました」と感謝の言葉を送った。

 監督へのサプライズとして、木戸が花束、高石が額に飾られた思い出の写真をプレゼント。手紙を取り出した鈴川は、「改めて、公開おめでとうございます。初めは、お互い人見知りで、目を合わせるのも恥ずかしかったり、少しよそよそしい時もありましたね。あだ名で呼び合ったり、たくさんお話して、新たな一面も知れてうれしかったです」と監督との思い出を振り返った。

 時おり声を詰まらせながら、「初めて完成した『きみの色』を見た時は、感動のあまり涙が止まらず、夢の中にいるような感覚でした。私、こんなに幸せでいいのかな? と不安になるくらい、チームのみなさんと過ごす時間が楽しくて充実しています」と言及。

「監督はキャラクターを愛しているのと同様に、キャストのこともかわいがってくれて、『生まれてきてくれてありがとう』と言ってくださった時は、胸がいっぱいで泣きそうになりました。私たちも監督に出会えて幸せです。監督からいただいた言葉や体験は宝物です。何者でもなかった私をトツ子(鈴川の役名)として見つけてくれて、ありがとうございました」と涙と共に思いを伝えると、山田監督も涙を流した。

 手紙を受け取った山田監督は、「めちゃくちゃうれしいです」と笑顔。「これからも仲良くしてほしいですし、これから成長していかれて、どんどん世界に出ていく方々だと思うのですが、忘れないでください」とメッセージを返すと、会場は温かい拍手に包まれた。

 本作は「アヌシー国際アニメーション映画祭2024」にて行われたプレミア上映で、異例の上映前のスタンディングオベーションで監督を迎えるほどの大熱狂ぶりを見せたほか、「第26回 上海国際映画祭2024」では「金爵賞アニメーション最優秀作品賞」を受賞した。

※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか

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