『相棒 season23』10月スタート 水谷豊×寺脇康文コンビ通算10シーズン目「“相棒ワールド”はますます進化」
俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒 season23』(水曜午後9時/2クール)が10月より放送することが28日、発表された。今回で通算10シーズン目となる。
仲間由紀恵や鈴木砂羽らおなじみメンバーも登場
俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒 season23』(水曜午後9時/2クール)が10月より放送することが28日、発表された。今回で通算10シーズン目となる。
本作は、2000年にスペシャルドラマとして誕生して以来、濃密で骨太なミステリーの数々を世に送り出し、“国民的ドラマ”という地位を確立。前作に続き、杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)の“黄金コンビ”が復活して3シーズン目になる。
今回は、“警視庁創立150年”のアニバーサリーイヤーでもある。初回スペシャルでは、右京が上層部の指令を受けて“警視庁150年史”の編さんに取りかかるところから幕を開ける。
そして今作でも、長年シリーズを支えてきた名キャラクターたちが健在。 特命係の廃止を虎視眈々と狙う野心家の警視庁副総監・衣笠藤治(杉本哲太)、駆け引きに長け、“鉄の女”の異名を持つ内閣情報調査室トップ・社美彌子(仲間由紀恵)など、おなじみの“食えない面々”が入り乱れるように暗躍する。
また、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)や、「暇か?」でおなじみ、薬物銃器対策課・角田六郎課長(山西惇)ら“相棒ワールド”に欠かせない存在たちも、それぞれの持ち味を存分に発揮。
なお、小料理屋『こてまり』の女将・小出茉梨(森口瑤子)、薫の妻でジャーナリストの美和子(鈴木砂羽)も、その存在感でドラマに絶妙なスパイスを加えていく。そして初回スペシャルには、過去シーズンで鮮烈な印象を残した“ある人物”が、意外な姿で登場。右京によって救われ、生きる意味を見出したはずのその人物が、事件に深く関わってくることになる。
水谷「彼(寺脇)との出会いはやはり“運命”だったんでしょうね」
水谷と寺脇のコメントは以下の通り。
○水谷豊
――『相棒』は毎年、夏に撮影がはじまりますが、今年は異例ともいうべき猛暑。現場の様子はいかがですか。
「子どもの頃からそうなのですが、僕はなぜか夏の湿度の高い日でも、あまり不快感を覚えることがないんですよ。先日も『今日はさわやかだね~』とスタッフに話しかけたら、『えっ! 暑いですよ』って驚かれました。僕からすれば歴代の相棒、全員、暑がりで寒がりなので、みんながわがままに思えます(笑)」
――『相棒』がこれだけ長く続いたのは、杉下右京の唯一無二のキャラクター、そしてブレない正義があったからこそ。ドラマスタート当初から時代が変貌する中で、杉下右京をどんな思いで演じていますか。
「おそらく警察官になったときから右京の正義は一貫していて、僕自身もそれを貫いていこうという覚悟を持っています。また、『相棒』全体でいうと、社会的な作品でありながらエンターテインメントでもあるというバランスがうまくとれているのだと思います。視聴者のみなさんが楽しんでくださって、初めて番組は長く続くわけですから」
――常に時代と共に歩んできた『相棒』の社会性、時代性をどう考えていますか。
「『相棒』は今の社会を切り取って描くドラマであり、そのスタイルは徹底して貫いていく。そういう矜持を、現場が持ち続けている作品です。僕らももちろんそれを望んでいますが、プロデューサーのみなさんの姿勢と、脚本家のみなさんの強い思いがあるからこそ実現しているのだと思います」
――これほど長い年月をかけて描かれるコンビは、日本のドラマ界においても稀有。右京と薫の特別な関係性、そして演じているお2人の関係性についてはどのように感じていますか。
「特別、どういう関係にしようと話し合ったことはありませんし、計算してここまで来たわけでもありません。日々、“自分たちは今、何をすべきなのか”という試行錯誤の連続です。そう考えると、語り合わずともこういう空気を作る2人だった……ということに尽きるのだと思います。でも、スペシャルドラマとして誕生してからこんなにも長く続く作品になったことを考えると、彼との出会いはやはり“運命”だったんでしょうね」
――今年は、警視庁創立150年の節目。初回スペシャルでは特命係が“警視庁150年史”の編さんに取り組む場面も描かれますが、撮影を通して感じていることは。
「初回は“警視庁150年”という現実の節目とリンクした物語で、警視庁の成り立ちなども描かれていき、警察官のみなさんの誇りを背負ったような、やりがいのあるストーリーですね。さらに、初回スペシャルでは過去シーズンの登場人物が再び右京の前に現れますが、僕にとっては非常に感慨深いものがあります。『相棒』でなければ、こんな再会を果たすことはできないと思うので。
――そんな衝撃の初回スペシャルを皮切りにはじまる新シーズン、期待していることは?
「『相棒』にはスタート当初から大きなテーマが2つありました。ひとつは、“テレビを見なくなった大人に楽しんでもらえるドラマにしたい”ということ。そしてもうひとつは、“ひんしゅくを恐れない”ということ。今、誰もがひんしゅくを買うのを怖がって萎縮しているような社会になってきた気がするのですが、『相棒』はひんしゅくを買うことを恐れずに、これからも挑んでいく。新シーズンも、“相棒ワールド”はますます進化していきます」
○寺脇康文
――『相棒』は毎年、夏に撮影がはじまりますが、今年は異例ともいうべき猛暑。現場の様子はいかがですか。
「いや、本当に暑いですね。現場は全員、参っているのですが、暑さに強い豊さんはひとり涼しい顔で、汗もおかきになりません。『豊さん、暑いっすね』と話しかけると、『え? 今日って暑いの?』と返ってくるので本当に驚きです。豊さんは、“ミスターサマー”ですね(笑)」
――“五代目相棒”としては3年目、“初代”を加えると通算10シーズン目となりますが、今の心境は。
「先ほど、豊さんと『もう3年目なの?』という会話をしていたのですが、僕も豊さんもついこの間、復帰が決まった感覚のままなんです。だから10シーズン目といわれてもあまりピンときません。もちろん2人とも年齢は重ねていますが、長く続いても色あせないのは、僕ら作り手側が“今”を大事にすることを続けてきた結果なのかな。シリーズの長さについては視聴者のみなさんが感じてくださればいいことであって、僕らはワンシーンワンカット、1つのセリフにベストを尽くすその連続しかないと思っています」
――寺脇さんから見た水谷さんとの10シーズン、薫から見た右京との10シーズンはどのようなものだと感じますか。
「“初代相棒”を卒業した『season7』シーズンから14年を経て復帰しましたが、その間に僕自身が一役者としてやってきたことが生かせればいいなと思って帰ってきました。亀山薫としても、サルウィンという異国の生活で得たものが出せればいいなと思いながら演じています。右京さんの内側にもまた、薫が不在の間、3人の相棒と過ごしたことで生じた微妙な変化があるはずなので、それを感じつつ自分の成長を見せられたらいいなという思いで現場にいます」
――これほど長い年月をかけて描かれるコンビは、日本のドラマ界においても稀有。右京と薫の特別な関係性、そして演じているお2人の関係性についてはどのように感じていますか。
「今でも覚えているのが、連続ドラマになる前、2時間ドラマの第1作目の現場で豊さんがおっしゃった言葉です。第1作では2人が対立しながら捜査が進んでいき、途中で意見が一致する瞬間が訪れるのですが、豊さんが『離れていた2人の“線”をいい距離感で重ねあわせることができたら、このドラマは成功すると思う』って話してくださったんですよね。その後、撮影も終盤に差しかかったある日、豊さんが『このドラマ、いけるよ!』と手ごたえを伝えてくださって。僕はその言葉がとにかくうれしかったんです。その1本目があってこそ、“今”があるんだなと思うと、非常に感慨深いですね」
――衝撃の初回スペシャルを皮切りにいよいよ『season23』がはじまりますが、新シーズンに期待していることは。
「もちろんドラマなのでフィクションではあるのですが、『相棒』は今、リアルに起こっていることだと思いながら見ていただきたいドラマです。新シーズンは、これまで以上に何が飛び出すかわかりません! 驚きや感動など、いろいろな種類の“相棒ワールド”が見られることと思います。僕らは脚本をいただいからの“表現”で勝負するわけですが、僕自身、いかに薫として生きられるか、いただいたセリフを“生きた言葉”にできるか、そういう思いを持って撮影に臨んでいきます」