『光る君へ』吉高由里子、1年で書が上達 まさかの“特技”も習得「怖いです(笑)」
俳優の吉高由里子がこのほど、主人公・まひろ(紫式部)を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。本作の撮影開始から1年以上が経過し、上達した“書”について語った。
題字・書道指導の根本知氏に感謝「相棒感が強いです」
俳優の吉高由里子がこのほど、主人公・まひろ(紫式部)を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。本作の撮影開始から1年以上が経過し、上達した“書”について語った。
世界最古の女性による小説といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く本作は、きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生を大石静氏の脚本で物語を紡ぐ。
今作の撮影に臨むにあたり、吉高はさまざまな“習い事”に挑戦してきた。「琵琶、書、宋語、乗馬とたくさんやりましたね」としみじみと振り返り、「このドラマの最初の会見に出たときに『馬に乗って現場へ入りたい』と言っていたんですよ。いま考えると、そのときの私に『ふざけんなよ』と言いたいぐらい乗馬は難しかったです。馬も感情の起伏がありますし、ジョッキーはすごいんだなと改めて思いましたね」と笑う。
その上で、最も難しかった分野を問われると「やっぱり苦戦したのは“書”かな」と答え、左利きの吉高にとって右手で書く筆のシーンに苦労したという。
今も「手の震えが日によって違う」のだとして、「本当は40分ぐらい練習してからようやく筆が安定するんですが、撮影本番前の10分で仕上げるようにしています。その分、家でコツコツやるしかないんですよね。ただ、家と違ってスタジオの湿度や風の影響もあって、墨の乾き方も変わってきます。家で書くのと同じようにいかないときもあるので、スタッフの皆さんには『上手くいくようにお祈りしていてください』と言って、本番に向かっています」と舞台裏を明かす。
18日には第31回「月の下で」が放送され、まひろが道長(柄本佑)から娘・彰子(見上愛)のために一条天皇に献上する物語を書いてほしいと頼まれ、ついに『源氏物語』の執筆を始める様子も描かれた。「『源氏物語』では仮名と漢字を両方使っていて、現代ではあまり使われていない変体仮名も出てきます。書としても集大成が始まる感覚がありましたね」と、自身の変化を次のように語った。
「不思議にもその変体仮名が読めるようになってきて、身についているのが怖いです(笑)。書に対するプレッシャーもありましたし、分からないものを覚えていく楽しみもありました。できないものができていく10代の頃のような自分の成長が、30代半ばで経験できるとは思ってもみなかったので、すごくワクワクしました。でも、撮影は公開テストのように、試験に受かるか受からないかを見られながらやっている感覚ですし、今も本当に怯えながらやっています(笑)」
そして、本作で題字・書道指導を担当する書家の根本知氏への感謝の言葉を続けた。
「根本先生が私の字の癖を理解した上で『こっちの字の方が相性よかったね』と、さまざまな要素を組み合わせて字を考えてくださるのが面白いですし、ゴルフのキャディーみたいにサポートしてくれます。書ってすごく孤独で、練習時間が膨大なのに撮影時間は30秒もしないうちに終わってしまうこともあります。その書いている時間の孤独さを一番分かってくれているのは今も根本先生だと思うので、すごく相棒感が強いですし、一緒に挑戦しているようでうれしいですね」
自身の上達ぶりから「右と左では筆の傾きも変わってきますし、書く癖も全然違うみたいですから、もう(利き手の)左で筆文字を書くのは無理だと思います」と分析する。書とも向き合って1年あまりが経過し、「筆を育てる感覚もすごく楽しいですね。でも、いつも『いや~』って叫びながらやっていますよ」と冗談交じりに笑い、努力の跡をうかがわせた。