『光る君へ』吉高由里子、まひろの生き方に共感 “結婚”の「価値観に囚われることがすべてではない」

俳優の吉高由里子がこのほど、主人公・まひろ(紫式部)を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。物語もいよいよ後半へ突入し、改めて演じるまひろへの思いやその生き方について語った。

まひろを演じる吉高由里子【写真:(C)NHK】
まひろを演じる吉高由里子【写真:(C)NHK】

まひろは紆余曲折がありながら宣孝の妻になった

 俳優の吉高由里子がこのほど、主人公・まひろ(紫式部)を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。物語もいよいよ後半へ突入し、改めて演じるまひろへの思いやその生き方について語った。

 世界最古の女性による小説といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く本作は、きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生を大石静氏の脚本で物語を紡ぐ。

 物語もいよいよ佳境。吉高はまひろの今後の見どころについて、娘・賢子との向き合い方を挙げ、「まひろが父の為時(岸谷五朗)とそうだったように、自分も娘に対して父と同じことをしている部分があると思います。子どもを育てることも初めてですから」と説明する。

 そんな母娘の関係に、「私は母親になったことがないので、子どもとぶつかりあったり、思春期を迎える娘と急に仲良くなったりとかもないです。娘という立ち位置しか人生の中で経験したことがないので……母親役って難しいです」と演じる上での心境を吐露する。

 もっとも、まひろと賢子は「リアル」な親子の姿だと感じているという。

「ドラマとして描かれるのは、名前を呼び合うようなすごく仲がいい親子が多いじゃないですか。でも、まひろと賢子はぶつかり合ったり、口を利かなかったりと、母と娘のセリフが台本で『……』と無言が続くので新鮮です。ただ、演じる上では想像するしかないですね。自分が知っている親子を見て、これまで目にしたもの、感じたことを思い出すなど探り探りやっています」

 これまでにまひろは、道長(柄本佑)からの「妾(しょう)になれ」という誘いを断り、紆余曲折がありながらも宣孝(佐々木蔵之介)の妻となった。しかしその後、道長の子を宿すことになり、生まれたのが賢子だ。吉高は、宣孝の妻という立場を選択したまひろの心境に思いを巡らせた。

「若い頃は『こうなりたい』と経験がないからこそ怖いもの知らずに何でも言えて、自分の可能性を過大に見積もることもあるんだろうと思います。でも、ある程度の年齢になったら、思い通りにいかない難しさもいろいろとあるじゃないですか。私たちの時代でも同じだと思うんですけど、まひろもその難しさが分かったんでしょうね。悟ったと言えるのかもしれません。『自分の人生はこれ以上ない』とピークが分かったんだと思うんです。親にも心配をかけたくない気持ちもあったでしょうし」

 さらに「自分を見ているようですよね」と、まひろの生き方を自身と重ねるようにしみじみと語った。

「女性って、家庭に入るのか入らないのか思い悩む波があると思うんです。だけど、仕事を選んだり、結婚という未来を見なくなったり、想像しなくなったりしたのか分からないですけど、“結婚していないから幸せじゃない”とか“結婚しているから幸せ”だとか、そういう価値観に囚われることが幸せのすべてではないような気がします。それはきっと、まひろも仕事が楽しいと思うようなことがあって、まだ居場所があると感じたから、最初は結婚を選択しなかったのかもしれないですね」

 そんな想像を巡らせつつ、まひろが30歳を過ぎても結婚しなかったことには「なんでだろうとも思わなかったですね」と話し、「当時の当たり前が分からないですけど、今の令和の時代も当たり前が変わってきていますからね。まひろは結婚しないのかな? とも思わなかったし、仕事をいつまで続けるのかなとも思わないで見ていましたね」と感想を述べた。

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