「身長150cmない成人はどうすれば?」チャイルドシート新基準、ネットの疑問をJAFに聞いた

相次ぐ子どもの死傷事故を受け、日本自動車連盟(JAF)がチャイルドシートの使用推奨基準をこれまでの身長140センチ未満から身長150センチ未満に引き上げることを決定した。新基準の発表を受け、ネット上では「150ない女性もけっこういる」「身長150センチ未満の成人はどうしたらいいのか」など疑問の声も上がっている。JAFに詳しい話を聞いた。

6歳未満の乳幼児は法律で使用が義務付けられているチャイルドシート(写真はイメージ)【写真:写真AC】
6歳未満の乳幼児は法律で使用が義務付けられているチャイルドシート(写真はイメージ)【写真:写真AC】

使用推奨基準をこれまでの身長140センチ未満から身長150センチ未満に引き上げ

 相次ぐ子どもの死傷事故を受け、日本自動車連盟(JAF)がチャイルドシートの使用推奨基準をこれまでの身長140センチ未満から身長150センチ未満に引き上げることを決定した。新基準の発表を受け、ネット上では「150ない女性もけっこういる」「身長150センチ未満の成人はどうしたらいいのか」など疑問の声も上がっている。JAFに詳しい話を聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

 今月18日、福岡市早良区で路線バスと軽乗用車が衝突。軽乗用車の後部座席でシートベルトを着用していた7歳と5歳の姉妹が、ベルトによる腹部の圧迫が原因で死亡した。

 国内では6歳未満の乳幼児はチャイルドシートの使用が法律で義務付けられている。一方、6歳以上であっても大人の体格に達していない子どもは、シートベルトを使用すると衝撃がかかった際にベルトが首や腹部を圧迫してしまい、重大な事故につながる危険性があるとされる。JAFではこれまで、身長140センチ未満の子どもには児童用チャイルドシート(ジュニアシート)の使用を推奨してきた。

 チャイルドシートの使用推奨基準について、JAFの担当者は「JAFとして推奨している140センチ未満という数字は、あくまでもお子様がシートベルトを正しく着用できているかを確認するための目安ですが、各団体における目安がバラバラであったため、ユーザーが適切な選択をしにくいという声がありました。そのため、JAFとして統一した目安を設ける必要性を感じ、各団体とともに協議することとしました」と設定の経緯を説明。基準となる身長の根拠については「あくまでお子様がシートベルトを正しく着用できているかの確認をするための目安であるため、根拠となる調査等は実施しておりません。重要なのはシートベルトが首にかからず、腰骨を通るように正しく装着されているかどうかです」としている。

 身長150センチ未満の成人がシートベルトを使用する際に気を付けるべきことはあるのか。JAFの担当者は「たとえ150センチ未満であっても、大人の方であれば子どもより体格や骨格がしっかりしていたり、ご自身で座席やシートベルトの高さを調整することができるかと思います。シートベルトを装着する際に肩ベルトが首に掛からないよう、しっかり肩と胸骨を通るよう調整し、腰ベルトもお腹に掛からず、しっかり腰骨のあたりを通すよう、正しい位置での装着をお願いできればと思います」と適切な位置での使用を呼びかける。

「チャイルドシートを使用することは車内で子どもの安全を守る唯一の方法です。ところが、現実はチャイルドシートを使っている人は76%しかおらず、その上、使っていても、取り付け状況のミスユースはおよそ4割、座らせ方のミスユースはおよそ5割発生しています。これから赤ちゃんが生まれる方も、すでにお子様がいる方も、ぜひ一度、チャイルドシートの使い方が正しいかどうか、確かめてください」と担当者。これ以上痛ましい事故を起こさないためにも、適切な知識を身に着けておきたい。

次のページへ (2/2) 【動画】意外に知らない人も多い? チャイルドシートの正しい取り付け&着座方法
1 2
あなたの“気になる”を教えてください