4人組グローバルグループ・aespaが17・18日の2日間、東京ドームで単独ライブ「2024 aespa LIVE TOUR -SYNK：PARALLEL LINE- in TOKYO DOME -SPECIAL EDITION-」を開催した。2023年に続いての同地でのライブ。海外女性アーティストで2年連続東京ドーム公演を開催したのは史上初となった。本記事では17日公演の模様をレポートする。

　7月6日からスタートした日本のアリーナツアーで4都市9公演、計10万人を動員したaespa。追加公演として東京ドーム2DAYSが実施された。昨年8月に海外アーティストとしてデビュー後最速で東京ドーム公演を成功させた4人が進化を遂げて同地に戻ってきた。

　ピンクと水色のペンライトが揺れる中、ビジョンにはオープニングムービーが流れ、黒の衣装をまとったダンサーが登場した。そしてメインステージの幕が下りると、純白のドレス姿の4人が現れた。総立ちの観客からは割れんばかりの大歓声。MY（aespaのファンネーム）が手にしたペンライトが赤一色に染まった。

　幕開けは『Drama』。1曲目から炎の特攻が会場を彩った。楽曲の勢いのまま花道を歩き、センターステージに移動した4人は、デビュー曲『Black Mamba』へとつなげた。ビジョンには楽曲の世界観を彩るかのごとく大蛇の映像が流れる。『Salty & Sweet』では、センターステージから4分割されたリフトがせり上がると、それぞれの方向を向きながらパフォーマンス。さらに、アリーナ公演では未披露だった『Girls』と『SAVAGE』をメドレーで披露。大熱狂のまま、あっという間に1ブロック目を終えた。

　4人がステージから降りている間、ビジョンにはドラマ仕立てのPV風映像が流れた。パフォーマンスとは異なる表情を見せる4人の姿。転換の時間も観客を楽しませる内容となっている。

　銀色のメタリックな衣装に着替えた4人が再登場し、大ヒット中の『Supernova』を披露。続く、『Mine』では、白・青・黄・ピンクとカラフルな装いへと早着替え。メインステージ中央に配置されたジャングルジムのような立体的な鉄骨を駆使しながら妖艶なダンスを披露した。

　この日初めてのMCで、KARINA（カリナ）は「すてきな1日にしましょー！」、WINTER（ウィンター）は「会いたかったでーす！」。NINGNING（ニンニン）は「楽しんでますか？」と会場をあおり、「いえーい！　私もー！　本当に幸せです」とそれぞれ日本語で呼びかけた。そして、GISELLE（ジゼル）は「ただいまでーす！　GISELLEでーす！」とあいさつ。韓国語で気持ちを伝え、時折、日本語を混ぜながらのMCとなった。

　続いての楽曲は7月3日にリリースされた日本デビューシングル『Hot Mess』に収録されている『Sun And Moon』。終盤にNINGNINGがピースサイン、WINTERが投げキスを見せ、客席からは黄色い歓声が飛んだ。『Prologue』では客席のペンライトが左右にゆっくりと揺れ、『Long Chat』では、トロッコに乗ったメンバーがアリーナを移動。KARINAとNINGNING、WINTERとGISELLEの2組に分かれ、曲間では、2人でハートポーズを作るなどメンバーの仲の良さも垣間見えた。

　続くパートはソロ曲だ。白い衣装のダンサー4人を携え、赤いドレス姿のGISELLEが『Dopamine』をパフォーマンス。続いてのKARINAは『UP』を披露。ジーンズに黒のトップスを合わせ、頭にはヘアバンドを着用したストリートコーデで登場した。途中で着ていたMA-1を脱ぎ捨てると、割れんばかりの大歓声が鳴り響いた。

　3人目はNINGNINGで『Bored』。1人でステージに背を向け、座りながらの歌唱でスタート。ブラトップの衣装には「BORED！」の文字がプリントされるなど遊び心も。クールなソロダンスで会場を魅了した。WINTERはラベンダーカラーのベルボトムのパンツスタイルで『Spark』を披露。頭にはウエディングベールのようなものをまとっており、どこかはかなさを感じさせる姿となっていた。白い幕と照明を駆使し、シルエットでも魅せるなど、4人それぞれの個性あふれるパフォーマンスとなった。

　再びブリッジ映像が流れ、スクリーンに「変身準備」「出撃」と日本語で流れると日本デビュー曲『Hot Mess』で後半戦がスタートした。4人それぞれがミニスカートのポップなデザインの衣装で登場。WINTERとNINGNINGはツインテール姿だ。観客たちからも「Hot Mess！　Hot Mess！」と掛け声が飛んだ。

　盛り上がりそのままに、『Licorice』を歌唱。おなじみのテトリスのBGMが流れると、続く楽曲はaespaライブでのキラーチューン『Hold On Tight』だ。「Let’s Go!」の掛け声で客席は大きく揺れた。今回のライブでは日本デビューシングルに収録された『ZOOM ZOOM』を初披露。ダンサンブルなナンバーでたたみかけた。

　GISELLEは「みんなのソロ曲をちょっと変えたんですけどどうでしたか？」とアリーナ公演からの進化を説明。KARINAも「いつもより歓声が大きかったので、盛り上がってステージできました」と笑顔を見せた。NINGNINGは「『ZOOM ZOOM』は東京ドームで初めて披露しました。皆さんのために、一緒に楽しめるように短い時間で一生懸命頑張ってステージを作ったのですが、喜んでくれてうれしいです！」と語った。

　その後はコール＆レスポンスで会場のボルテージをあおると、“秘密の多い女”と紹介されたWINTERが「次の曲は秘密です！」とおちゃめな一面を見せ、アリーナ公演では披露していなかった『Spicy』『YOLO』の2曲を立て続けに披露した。

『Live My Life』では、トロッコでアリーナを移動。さらに、『We Go』では先ほどのMCで練習したコール＆レスポンスで会場は一体感に包まれた。そして、大サビではピンクと水色のテープが会場を舞った。

　いよいよライブもクライマックス。再びブリッジ映像が流れると、ブラックのレザーのクールな衣装で『Trick Or Trick』を披露。『Set The Tone』では椅子やステッキも駆使しながらの妖艶さと激しさを兼ね備えたダンスで魅了。花火や火花もふんだんに使用した壮大なステージとなった。さらに代表曲『Next Level』では、客席をバックにパフォーマンス。ビジョンにはMYをバックに踊る4人の姿が流れた。続けざまにGISELLEが「東京！」とあおり、韓国での最新曲『Armageddon』でフィナーレを迎えた。

　アンコールで登場した4人はトロッコに乗り、『BAHAMA』『YOU』と続け、客席にボールやフリスビーを投げ入れた。衣装はピンク色のブタの着ぐるみ姿だ。KARINAとNINGNINGはお団子ツイン、WINTERはハーフツイン、GISELLEはツインテールとキュートな髪型。MYからは「かわいい」と声が漏れていた。KARINAは「東京ドームでブタの衣装を着たのは私たちだけだと思います」と笑顔。NINGNINGは「ブタの衣装は着るのが楽」とおちゃめに笑った。

　そして、NINGNINGは「東京ドームでの公演が久しぶり。東京ドームでできてとっても幸せです。こうしてこんなに大勢の皆さんが一つの空間で私たちを見てくださって本当に感動です。この機会を大切に思っています。また東京ドームでできたら頑張りたいです」と日本語で「ありがとうございました！」とメッセージ。

　KARINAも「去年に続いて東京ドームでできて光栄です。まだ信じられません。リハーサル中は緊張していたけど、公演が始まったら楽しかったです。皆さんのおかげです。これからも私たちはベストを尽くす姿をお見せしますので、いつも私たちの側にいてくれたらうれしいです」と語り、日本語で「本当に大好き、私の世界はMYです」と感謝した。

　WINTERは日本語で「皆さん楽しかったですか？　本当に？　私も本当にホンマに楽しかったです」と笑顔。「皆さんがこうして私たちのエネルギーを一杯にしてくださったので、幸せな気持ちで公演ができました」と感謝し、日本語で「大好きだよ！」とハートマークを作った。

　GISELLEは「去年もそうですが、今回もこうして私たちが東京ドームでaespaだけのコンサートができることはすごいことなので、皆さんのおかげです。本当に本当に本当に本当に感謝しています。ありがとうございます。いつもMY-Jの皆さんが応援してくれているのを知っているから、待っててね。私もいっぱいいっぱい大好きだよ」とハートのサインを送った。

　ラスト曲は『Melody』。センターステージで4人が並んで、しっとりと歌い上げた。ラストには、カラフルな大量の紙吹雪が大きな東京ドームを彩った。さらに、aespaへMYからのサプライズも用意されていた。MYがそれぞれの色のついた紙を掲げると、客席には「aespa IS THE BEST」の文字が浮かび上がった。

　WINTERは、客席のMYが涙している姿を見て、思わず涙してしまったようだが、「よく見たら（泣いていたMYは）まぶしかっただけみたいです～」と思わぬ勘違いで会場を笑わせた。最後に4人が「MY-J IS THE BEST」と呼びかけ、MYからの「aespa IS THE BEST」のコール＆レスポンスで約3時間のライブは幕を閉じた。

　aespaは、“Avatar X Experience”を表現した「a」と、両面という意味の英単語「aspect」を結合して作られた名前。「自分のもう一人の自我であるアバターに出会い、新しい世界を経験する」という世界観をベースに活動している。まさに本公演も現実世界と仮想世界の二面性を表現するステージとなった。世界的にファンを獲得する4人は、今後もインドネシアやオーストラリア、アメリカ、ヨーロッパでの公演も控えている。17日付けのオリコンデイリーチャートでは、『Hot Mess』が1位に返り咲くなど、東京ドーム公演は大きな追い風となった。

○「2024 aespa LIVE TOUR -SYNK：PARALLEL LINE- in TOKYO DOME -SPECIAL EDITION-」セットリスト
1.Drama
2.Black Mamba
3.Salty & Sweet
4.Girls ＋ SAVAGE
5.Supernova
6.Mine
7.Sun and Moon
8.Prologue
9.Long Chat
10.Dopamine（Giselle solo）
11.Up（Karina solo）
12.Bored!（Ningning solo）
13.Spark（Winter solo）
14.Hot Mess
15.Licorice
16.Hold On Tight
17.ZOOM ZOOM
18.Spicy
19.YOLO
20.Live My Life
21.We Go
22.naevis solo
23.Trick or Trick
24.Set The Tone
25.Next Level
26.Armageddon
＜アンコール＞
27.BAHAMA
28.YOU
29.Melody