元劇団四季の俳優・下村青（しもむら・あお）さんが、15日に亡くなっていたことが分かった。16日夜、個人事務所が下村さんの公式Xで訃報を伝えた。下村さんは60歳だった。亡くなった場所は「実家」とし、「詳しいことは現在調査中」。葬儀などについては「ご親族のご意向で密葬とさせていただきます」としている。

　ファン、関係者が衝撃を受けた突然の発表だった。

「ファンの皆さま、関係者各位 これまで下村青を応援してくださった皆さまにご報告させていただきます。下村青は2024年8月15日午後4時ごろ、実家で旅立ちました。詳しいことは現在調査中でございますので、追ってお知らせいたします」

　その上で「20歳で劇団四季に入団し俳優の道を歩み始めてから、今年でちょうど40年節目の年でした…演劇界の異端児と異名を頂くほど個性豊かな役者ではありましたが、役に掛ける情熱は誰よりも素晴らしかったと誇りに思います。『情熱は力！！』下村青 尚、葬儀等につきましてはご親族のご意向で密葬とさせていただきます。何卒ご理解いただけますようお願いいたします。アランブルー株式会社」と呼びかけている。

　下村さんは今月2日、歌舞伎俳優の尾上松緑、中村隼人、市川團子との配信トーク番組にゲスト出演したばかり。当日の公式Xには自身で「#紀尾井町夜話 第146夜 何とかお陰様で無事終了いたしました #中村隼人 さん、#市川團子　さん　一年ぶりに画面上とはいえ、お会いでき涙　また、さすがの　#尾上松緑　さんの大きさに感動」と記していた。そして、下村さんの公式サイトには、10月31日から東京・自由劇場で全15公演予定のミュージカル『ユタと不思議な仲間たち』について、「下村青は前回同様ペドロ役で出演させていただきます」と記されている。

　この状況から、同Xには「信じられないです」「とても悲しい」「ご冥福をお祈りします」などのコメントが相次いだ。そして、演出家の杉原邦生氏はXで「青ちゃん、ありがとうございました。ついこの間、LINEしたばっかりなのに……ご冥福をお祈りいたします」と故人をしのんだ。

　青森県出身の下村さんは、バトントワリングの選手として世界選手権第3位、83年全米オープンバトン優勝などのキャリアを重ねた後、84年、劇団四季に入団。『コーラスライン』で初舞台を踏んだ。そして、『ユタと不思議な仲間たち』『ドリーミング』『ハムレット』『キャッツ』『エビータ』『美女と野獣』『ライオンキング』などの名作にも出演した。

　2007年の退団後は『ブラッド・ブラザーズ』ナレーター、『サイド・ショウ』『ビクター・ビクトリア』、映画『魚介類山岡マイコ』などに出演。16年7月期のフジテレビ系『営業部長 吉良奈津子』がテレビドラマ初出演だった。また、2.5次元ミュージカルにも多数出演。近年はスーパー歌舞伎セカンド『ワンピース』『新版オグリ』や、市川猿之助主宰の演劇プロジェクト『猿之助と愉快な仲間たち』にも出演していた。