飲食店の明太子パスタからアニサキス…食中毒のリスクは? 元魚屋の投稿者「正しい認識を」
飲食店で注文した明太子パスタからアニサキスが見つかったという投稿が、ネット上で大きな話題を呼んでいる。刺身などの魚介類に付着したものを生きたまま食べると、胃壁や腸壁に刺入し激しい腹痛を引き起こすことで知られるアニサキスが、調理された明太子でも食中毒のリスクはあるのだろうか。元魚屋だという投稿者に投稿の意図と反響を聞いた。
生きたまま食べると、胃壁や腸壁に刺入し激しい腹痛を引き起こすことで知られるアニサキス
飲食店で注文した明太子パスタからアニサキスが見つかったという投稿が、ネット上で大きな話題を呼んでいる。刺身などの魚介類に付着したものを生きたまま食べると、胃壁や腸壁に刺入し激しい腹痛を引き起こすことで知られるアニサキスが、調理された明太子でも食中毒のリスクはあるのだろうか。元魚屋だという投稿者に投稿の意図と反響を聞いた。
「これガチなんですが某パスタチェーンで明太子の頼んだらアニサキスおった」
今月13日、SNS上で拡散された投稿には、投稿者の指先で渦を巻いた白い糸状のアニサキスの死骸が収められている。投稿者は続く投稿で「ま、1本丸ごと明太子なんて当たり前に付着してるからしょうがないんだけどね もちろん漬け込んで冷凍してるし生きてないから健康被害とかは全然大丈夫」と経緯を報告しつつ、「企業として丸ごと明太子をメニュー採用するのはリスクあるから気をつけような」「大手チェーンさんもこんな時代やで取り扱いには十分注意な 風評でも一瞬で破滅するで」と店舗の名前は伏せつつ注意を呼び掛けている。
厚生労働省の公式サイトなどによると、アニサキスの幼虫はサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類の主に内臓表面に寄生。「アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍または加熱のものを含みます)で食べることで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします」と説明されている。予防策としては、購入する際に新鮮な魚を選ぶことや速やかに内臓を取り除くこと、内臓を生で食べないことなどが挙げられており、調理する場合は目視確認による幼虫の除去に加えて「マイナス20度で24時間以上の冷凍」「70度以上、または60度なら1分の加熱」といった方法が紹介されている。
一連の投稿には「明太子にもいるの?」「パスタで出てくるのは嫌だなあ」「スーパーで売っていた明太子の皮に3匹ついていたことある」「飲食店では経験ないけど、スーパーで売ってるたらことか明太子には結構いるよね」「冷凍なら大丈夫!って思ってても一瞬ギョッとしてしまうね」「死滅してるはずではありますけど、いい気はしないですよね」「食べてしまっても大丈夫とは言われても鳥肌がたってしまう 仕方ないのかもしれないけど嫌だなぁ」「怖すぎやろ、と思ったのですが、『冷凍処理されていて健康被害はない』ということを知りました。知らずに食べていること何度もあるんだろうな、きっと」とさまざまな反応が寄せられている。
「家族で某パスタチェーンに行きました。息子がオーダーしたのですが食べきれなくて残したものを僕が食べておりましたが、なにやら箸の先にクネクネしたものが……。とたんに息子も妻も騒ぎ始めましたが、まぁ落ち着けと明太子とアニサキスの関係を説明すると、『それなら仕方ないね……笑』と納得してくれました」と投稿者。
今回の投稿の意図については「お店に対する悪意は一切ありませんが、飲食チェーンとして1本まるごと明太子を取り扱うのはリスクが伴います。異物混入で大炎上しているポストを何度も見かけたことがありますので、もっと大騒ぎする人も当然いるかと思いました。これだけ反応があったのは、まだまだアニサキスについてよく知らない消費者がたくさんいるということだと思うので、そういった方たちに正しい認識を広められたのはよかったと個人的に考えております」と話している。