主演&ヒロイン続く出口夏希の素顔 帰宅部だった学生時代「傷だらけになって家に帰ってきたり」

『週刊少年マガジン』で連載中の丹月正光氏の漫画を実写映画化した『赤羽骨子のボディガード』(石川淳一監督)が、今月2日に全国公開された。同作は、クラスメイト全員がひそかにヒロイン・赤羽骨子を守るという究極の“守られ系”学園アクションエンターテインメントで、俳優の出口夏希が骨子を演じる。今年4月期のフジテレビ系連続ドラマ『ブルーモーメント』、配信中のNetflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』ではヒロイン役。同世代の広瀬すず、森七菜にも「かわいい」と絶賛される22歳が、ユニークなヒロインのイメージや自身の性格を語った。

『赤羽骨子のボディガード』に出演している出口夏希【写真:舛元清香】
『赤羽骨子のボディガード』に出演している出口夏希【写真:舛元清香】

映画『赤羽骨子のボディガード』で守られるヒロイン役を演じた出口夏希

『週刊少年マガジン』で連載中の丹月正光氏の漫画を実写映画化した『赤羽骨子のボディガード』(石川淳一監督)が、今月2日に全国公開された。同作は、クラスメイト全員がひそかにヒロイン・赤羽骨子を守るという究極の“守られ系”学園アクションエンターテインメントで、俳優の出口夏希が骨子を演じる。今年4月期のフジテレビ系連続ドラマ『ブルーモーメント』、配信中のNetflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』ではヒロイン役。同世代の広瀬すず、森七菜にも「かわいい」と絶賛される22歳が、ユニークなヒロインのイメージや自身の性格を語った。(取材・文=大宮高史)

――まず、原作コミックや脚本から、赤羽骨子というヒロインにどんなイメージを持ちましたか。

「展開にひき込まれて、すらすらと読んでしまいました。幼なじみの威吹くんにはいつも真面目そうな顔を見せているのに、守られていることに気づかないんですね。責任感があって周りのために行動できる子なのに、抜けているという二面性。このギャップが、皆が守りたい魅力だと思います」

――主人公は骨子の幼なじみの威吹荒邦(ラウール)で、彼をはじめ3年4組のクラスメイトの全員がボディガード。しかも、「骨子にバレてはいけない」というところからストーリーが始まります。

「『こんな状況でも守られていることに気づかないの?』(笑)と1人でツッコミながら読んでいました。でも、7月に完成披露試写会の『赤羽骨子FES.』に出席した時、3年4組の皆さんが『ミッション』として、いろんなドッキリを仕掛けていたのですが、私は全く気づかなくて(笑)。私ものほほんとした骨子の性格と実は似ているのかもしれませんね」

――骨子といえば、原作のお団子ヘアも特徴ですね。

「漫画のヘアスタイルをそのまま再現しようとすると、上手くいきません。学園ものだから『現役の高校生、大学生の皆さんにかわいいと思ってもらえるものでないと』と、メイクさんと何度も話しあって、お団子の髪の量を調節していきました。髪を三つ編み、四つ編みにしてグルグルに巻きつつ、中途半端だと短い毛がはみ出て格好悪いので、毎朝ワックスでガチガチに固めたり、骨子のトレードマークである耳の前に触角のように垂れているウェーブヘアもヘアメイクさんと相談して作りこみました」

――映画オリジナルの展開もありつつ、原作で参考にしたことはありますか。

「漫画の表情、特に骨子といえば威吹くんへのキュートな“怒り顔”がトレードマークだと思うので、そこからイメージをふくらませていきました。今作では骨子がダンス部に入っている設定が加わりましたが、私はリズム感もなくて動きもへにょへにょしてしまうので(苦笑)。ダンスの先生にゼロからレッスンを受けて、4か月かけて頑張りました」

――威吹荒邦役のラウールさんとの、印象的なエピソードは。

「威吹くんが骨子を守って、土屋太鳳さん演じる尽宮正親と戦うシーンがあります。水族館での骨子とのデートシーンから続くので、おふたりのアクションを私もカメラに映りながら、側で見ていていました。アクションだけでなく、集中力と目力にも見とれてしまいました。クラスの中で1人だけ戦わない私が、一番間近で目撃したバトルでした」

そのキュートさとヒロイン力で、Z世代の新星として注目されつつある【写真:舛元清香】
そのキュートさとヒロイン力で、Z世代の新星として注目されつつある【写真:舛元清香】

モデルでも活動「お芝居の方が緊張します」

――出口さん自身は、学生時代にどんな思い出がありますか。

「帰宅部でしたが、小6からずっと仲の良い女友達がいて、学校が終わったら自転車に乗って河原の土手で、段ボールを敷いて滑って傷だらけになって家に帰ってきたり」

――ドラマのような青春ですね。

「ただ、学生の頃からこれと言って打ち込んだものがないんです。部活もやっておらずで(笑)。今はやりたいことはあるのですが行動に移せてないですね。例えば海外を旅してみたいです。夏にお仕事でパリに行った時に街並みがきれいすぎて感動しました。ヨーロッパもアジアも行ってみたい熱が高まっています」

――モデルと俳優業を並行しての芸能活動ですが、気づいたことはありますか。

「『モデルのお仕事をしている時より、お芝居の方が緊張するんだな』と気づきました。クランクインの前日なんて、気が張りつめてよく寝不足になっています。でも、現場に入ると、よくヘラヘラと笑っているので『明るい人』と思われているのかなと。今回の作品では、骨子たちダンス部のメンバーでダンス大会に出場する場面があるのですが、観客役のエキストラの方が約1000人もいらしたので、普段のお芝居以上に緊張して足が震えていました」

――大勢の人に見られると緊張しがちでしょうか。

「緊張しますね(苦笑)。7月の完成披露の時も見えないところで冷や汗が流れていたかもしれません。ただ、ダンスの場面は最初、すごく緊張しましたが何度も踊っているうちに披露するのが楽しく思えてきました。そして、『パフォーマンス自体を楽しもう』と言い聞かせて演じました」

――これから演じてみたい役柄は何でしょう。

「よく聞いていただくのですが、『目標や抱負は持ったことがない』というか、一つひとつの作品が終わったら、次へと切り替えていく。このサイクルなので、いつも『目の前の役にいかに向き合うか』に集中しています。そして、旅行もそうですが挑戦してみたいこともたくさんあって、でもやりきれなくて……。こんな毎日を生きています(笑)」

――「ボディガード」にちなんで、出口さんが守りたいものはありますか。

「友達です。皆、社会人になりましたが、落ち込んだ時には気持ちを察してくれて、一緒にいるだけでリラックスができます。私はリーダータイプではないので、誰かに仕切ってもらうことがほとんどです。にぎやかさに引っ張られて、気づいたら私が一番うるさいくらいに楽しんでいたり。他には自分の睡眠を守りたいですね。6時間くらいでは足りなくて、本当は8時間、9時間と寝ていたいです」

――今回の役柄では、守られ続けましたが。

「シーンの中で『誰かを守るってことは、その人が大切にしているもの全てを守るってことだ』という威吹くんの言葉があって、私は『これをさらりと言える彼って、すごくかっこいいな』と思いました。私は22年生きてきて、まだ彼のように人生を懸けるべきものには出会えていないようですが、これからも自分らしく過ごしていきたいです」

周りが明るくなる“でぐたん”の笑顔

 出口は『Seventeen』で“でぐたん”の愛称で親しまれてきた。取材の場でも周りの空気がパッと明るくなり、撮影、試写会の思い出をよどみなく語った。広瀬すず、森七菜にラジオ番組で「かわいい」と言わしめるほどの笑顔。そのチャーミングさは、人の輪に囲まれている姿を想像させた。現実に出口は同性からも支持される人気、注目度からさらなる飛躍が期待されている。それでも、本人は「目標はありません」と言い切った。目前の作品に打ち込む集中力、そう快さも魅力。『赤羽骨子のボディガード』で成長した22歳が、次に何を演じ、どう表現していくのかも楽しみになってきた。

□出口夏希(でぐち・なつき) 2001年10月4日。2018年、『ミスセブンティーン2018』に選出され、同年10月から22年7月まで『Seventeen』専属モデルを務め、同年10月からは『non-no』専属モデル。23年にはNetflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』、23年24年にはWOWOWドラマ『アオハライドseason1・ season2』でそれぞれダブル主演を務め、今年4月期のフジテレビ系連続ドラマ『ブルーモーメント』、現在配信中のNetflix映画「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。」ではヒロイン役。162センチ。

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