俳優・西野七瀬が意外な“弱点”を告白 7年ぶり共演・中村倫也の言葉が「自信の材料」に

俳優の西野七瀬が、3年ぶりに劇団☆新感線公演に出演している。「2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』」ですでに福岡公演を終え、今月12日からは東京・明治座に立つ。役柄は、幕府の打倒を目論む帝・ゴノミカド(古田新太)を守護する戦女アキノ。乃木坂46卒業から5年が過ぎ、映画、ドラマ出演が続く中、同作への思い、カンパニーの舞台裏を語った。

インタビューに応じた西野七瀬【写真:荒川祐史】
インタビューに応じた西野七瀬【写真:荒川祐史】

『バサラオ』で3年ぶりに劇団☆新感線公演に出演

 俳優の西野七瀬が、3年ぶりに劇団☆新感線公演に出演している。「2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』」ですでに福岡公演を終え、今月12日からは東京・明治座に立つ。役柄は、幕府の打倒を目論む帝・ゴノミカド(古田新太)を守護する戦女アキノ。乃木坂46卒業から5年が過ぎ、映画、ドラマ出演が続く中、同作への思い、カンパニーの舞台裏を語った。(取材・文=大宮高史)

――2021年のYellow/新感線『月影花之丞大逆転』以来、再び劇団☆新感線の舞台に出演ですが、どんな思いがありますか。

「3年前は舞台初出演で、すごく幸運な経験だったと思います。『全身のパフォーマンスを見られている』感覚を初めて経験しましたし、別の舞台ではピンマイクを使わずに、舞台上のフットマイクのみという経験もさせていただきました。今回も声量を出すためにもおうちで縄跳びをしたり、ジムに通って体力をつけました。そして、今はこのカンパニーらしいにぎやかさを楽しんでいます」

――劇団☆新感線らしさとは。

「皆さん本番中でも、マイクに乗らないくらいの声でツッコミを入れているんです。3年前にその光景を見てビックリしましたが、そんな『密かなにぎやかさ』が好きでした。『バサラオ』でもそれを感じています」

――アキノは、古田新太さんのゴノミカドを守護するキャラクターですが、どんなイメージがありますか。

「裏切りが相次ぎ、めまぐるしく敵味方が入れ替わっている中で古田さん演じるゴノミカドに忠誠心を抱いて付き従っていきます。去年、映画『シン・仮面ライダー』でハチオーグという、SHOCKERの構成員で忍者のようなビジュアルの役をさせていただいたのですが、(『バサラオ』演出の)いのうえひでのりさんも見てくださって、ハチオーグのダークな悪役のイメージをアキノにも生かしているそうです」

――古田さんと3年ぶりに共演しての印象は。

「裏表がなくて、周りのことによく気が付く方と感じます。私は遠慮しがちで、人の仕草をじっくり見るのが苦手なので正反対かも。なので、古田さんは私が油断しているとき、お茶目にちょっかいを出してくれそうで『いいコンビ』かもしれません」

――南北朝時代がモデルになったストーリーで、西野さんにとっては初めて舞台での時代劇ですね。

「活字が苦手なので、台本をいただいたときも役名を覚えるところから大変でした(笑)。裏切りが多いので展開を整理するのに精いっぱいでした。稽古が始まったら、目の前のお芝居で流れが視覚的に入ってくるので、すんなり理解が進むのですが……。台本を読むのは毎回ひと苦労です」

――それは意外に思えます。毎年、多くの作品に出演されているので。

「その分、必死で想像力を鍛えてきたのだと思います。現場では『私がやるしかない』と思い切って向かっていくところが強みになってきたのかもしれません。もちろん、オーダーにきっちり応えることも不可欠で、今回だと、久々の舞台のために体幹を鍛えています。でも、もっとたくさんの物語に出会っておきたかったですね」

『バサラオ』の他、映画『帰ってきた あぶない刑事』が公開、W主演映画『少年と犬』の公開が控えるなど、活躍が続く【写真:荒川祐史】
『バサラオ』の他、映画『帰ってきた あぶない刑事』が公開、W主演映画『少年と犬』の公開が控えるなど、活躍が続く【写真:荒川祐史】

7年ぶり共演の中村倫也から『俳優の声になっている』

――物語にはさまざまなものがありますが、好きな文学作品はありますか。

「湊かなえさんの『リバース』です。乃木坂46で同期だった高山一実に勧められて、面白くて一気に読みました。長編でしたが、集中して読むとハマりますね。短い期間に一気に読み込んでしまうのが、台本でも小説でもストーリーに没入していくコツです」

――稽古から数えると、10月の大阪公演まで半年近く『バサラオ』のチームとして一緒に舞台を作っていくことになります。皆さんと馴染んでいますか。

「それが、私は大勢が集まる場が苦手で……(苦笑)。本読みのときも俳優さんが勢ぞろいしているところでセリフを読んでいくので、内心モジモジしていました。『新感線でのセリフ回しって、どんなだったかな』と思い出しながらだったので、お隣にいらした粟根まことさんにお聞きしたら、『いのうえさんは一挙手一投足、ていねいに稽古をつけてくれる人だから、大きな声が出せれば大丈夫だよ』と言ってくださいました。そのおかげで、緊張がほぐれました。中村倫也さんからも『俳優の声になっている』と言っていただいたことが今回の自信の材料です」

――中村さんとは7年前の映画『あさひなぐ』以来の共演です。

「(中村さんに)一言をいただき、『以前の私を知っている方から見ても、ちゃんと進歩しているんだ』と実感できました。変化や成長って自分では気づきにくいので、うれしかったです」

――3年前の前作以上に、自信をもって舞台に臨んでいけそうですね。

「『月影花之丞大逆転』はコロナ禍の最中で完走できず、『あの日が最後だったの?』という尻切れトンボな感覚で終わってしまいました。今回はそのリベンジも込めて、全ての公演で完全燃焼していくつもりです。舞台上では素の私の存在感は一切消して、悪役にしか出せない魅力を放っていきたいです。衣装も派手で華やかで、お祭りのような時間を楽しめるよう努めます」

□西野七瀬(にしの・ななせ) 1994年5月25日、大阪府生まれ。2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格。中心メンバーとして活躍し、2018年に卒業。以降は俳優として活動。今年1月期のフジテレビ系『大奥』、Prime Video『1122 いいふうふ』など話題作に出演。今年は出演映画『ある閉ざされた雪の山荘で』『帰ってきた あぶない刑事』が公開され、来年はダブル主演映画『少年と犬』、ヒロインを務める映画『君の忘れ方』が公開予定。159センチ。血液型O。

【公演情報】
2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎『バサラオ』
福岡公演:7月7日~8月2日/博多座 (公演終了)
東京公演:8月12日~9月26日/明治座
大阪公演:10月5日~10月17日/フェスティバルホール

ヘアメイク/中山友恵
スタイリスト/森田晃嘉
衣裳協力/ジャケット、ワンピース:ティート トウキョウ 
イヤリング[右耳]:ブランイリス
イヤリング[左耳]:カレワラ
ネックレス、リング[右手中指]:ヤヌカ
リング[左手人差し指]:ニナ・エ・ジュール

次のページへ (2/2) 【写真】西野七瀬の全身ショット
1 2
あなたの“気になる”を教えてください