超人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの作者・荒木飛呂彦氏が29日、大阪市のイノゲート大阪で行われた『大阪駅西側地区アートプロジェクト WARP（ワープ）発表セレモニー』に出席した。

　自身初となるパブリックアートに挑戦した荒木氏は、かつて大阪駅のシンボルとなっていた『噴水小僧』をテーマに、『THE FOUNTAIN BOY』と題したステンドグラスを制作した、人々の交流や癒しが生まれる噴水をイメージし、雨が川、海に流れ、蒸発して戻ってくる水の循環をデザインに取り入れた。

　除幕式に登壇した荒木氏は「依頼があったときは、昔、ここに噴水小僧というモニュメントがありまして、いま博物館で眠ってると。それを新しい形で復活させたいというお話があって、“再生する”というのがいいな、素晴らしいなと思って。漫画家なのに、あんまりパブリックの仕事がないんで貢献できたらと、本当に光栄に思いました。一生懸命、描かせていただきました」と思いを明かした。

『ジョジョ』に出てくるスタンド7体も描かれているが、荒木氏は「パワーが強い順番です。噴水なんで雨を降らせるスタンド」と説明し、「通行する人たちの癒しであり、希望であり、パワーっていう。待ち合わせの時にいいことが起きますようにという願いを、描かせていただきました」と続けた。司会者から「パワースポットになるかも」と言われると、「お願いします」と返した。

　難しかった点については、「漫画って四角い紙に書いてるんです。今回は“円にしてくれ。丸い形にしてくれ”って言われて。逆に円の方が無限のイメージがありますので、そういう形の円もあるんだなと。構図は難しいので、どこに配置するかが難しかったです。円の絵なんてあんまり書きませんから」と明かした。