「クズ過ぎて胸糞悪い」ファンの感情を逆なで? ジャンプ黄金期に登場した悪役3選

1980年代から90年代にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)では多くの名作漫画が連載され「ジャンプ黄金期」と呼ばれるほどの人気だった。「ジャンプ黄金期」の漫画の中には、主人公の敵として悪のかぎりをつくす同情の余地のないキャラクターが多数登場する。本記事では、そんな悪役キャラの中でも特に印象的な3人を振り返ってみよう。

『北斗の拳 新装版』【画像:(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983】
『北斗の拳 新装版』【画像:(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983】

「腹立たしい」「恐ろしい」ファンの感情を逆なでした悪役たち

 1980年代から90年代にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)では多くの名作漫画が連載され「ジャンプ黄金期」と呼ばれるほどの人気だった。「ジャンプ黄金期」の漫画の中には、主人公の敵として悪のかぎりをつくす同情の余地のないキャラクターが多数登場する。本記事では、そんな悪役キャラの中でも特に印象的な3人を振り返ってみよう。

 最初に注目する悪役キャラは83年から88年まで連載された『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)に登場するジャギ。北斗神拳伝承者の座を長兄・ラオウ、次兄・トキ、末弟・ケンシロウと争っていたジャギは、ケンシロウが選ばれたことに納得がいかずケンシロウを襲撃。しかし、返り討ちにあい、醜く顔をゆがめられた過去を持つ男だ。

 ジャギはケンシロウへ怨みの感情を抱き、南斗孤鷲拳伝承者・シンをそそのかしてユリアをケンシロウのもとから強奪させる。さらに、自ら胸に7つの傷を刻みケンシロウの名をかたり、罪もない人たちに殺し合いをさせるなど悪行の限りを尽くす。

 最後はケンシロウに挑むも圧倒的な力の差を見せつけられて敗北するジャギに対し、読者からは「悪いことをやり尽くしたジャギが滅多打ちにされてスカッとした」「悪役のお手本とも言える悪っぷりで、悪人らしく成敗されるラストがいい」などの声があがっていた。

 続いて85年から90年まで連載された『聖闘士星矢』(作:車田正美)に登場する、黄金聖闘士・蟹座(キャンサー)のデスマスクを紹介しよう。黄金聖闘士とはアテナ神殿に続く道にある十二宮を守護する12人の聖闘士で、黄金に輝く聖衣を身にまとった圧倒的な実力者である。

 そんな黄金聖闘士の一員であるデスマスクは、黄金聖闘士の中でも特に卑怯な手を使うシーンが多いキャラなのだ。その非道さは、ドラゴンの青銅聖闘士・紫龍との対戦時には紫龍の無事を祈る女性・春麗を気が散るという理由から殺そうとするほどである。しかし、この非道さがきっかけで蟹座の聖衣から見放され、戦う術を失ったところを紫龍に倒されてしまう。そんな彼に対して「デスマスクがクズ過ぎて蟹座の人がかわいそう」「蟹座だったけど、デスマスクのせいでいじられ続けた」など蟹座生まれを嘆く声があがっていた。

 最後に紹介するのは86年に連載が開始された『ジョジョの奇妙な冒険』のディオ・ブランドーだ。第1部「ファントムブラッド」で、ディオは主人公のジョナサン・ジョースターの家に家族として迎えられる。しかし、ディオはジョースター家を乗っ取るという野心を抱え、世話になったジョナサンの父・ジョージを殺そうと企んでいた。その後、ジョージを殺す計画が露呈したディオは、吸血鬼になれる石仮面の力で不老不死の体を手に入れるのだ。

 吸血鬼となったディオは1度はジョナサンによって倒されるが、その100年後を描いた第3部「スターダストクルセイダース」で再登場し、敵役として立ちはだかるのだった。野心のためなら世話になった人でも手にかけるディオに対し、SNS上では「ディオがクズ過ぎて胸糞悪い」「殺した人の数を聞かれ、食べたパンの枚数を覚えているのかと聞き返すディオは悪魔同然」などの声があった。ディオの悪役っぷりに脅威を感じるファンは少なくないようだ。

 倒されたときにスッキリとした気分になるジャンプ黄金期を支えた悪役たち。彼らの非道さと倒されていく姿は忘れられないほど印象的だ。“悪いことをすれば淘汰される”という教訓を教えてくれ、まるで道徳の教科書のような存在といっても過言ではないだろう。

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