『セクシー田中さん』原作者の死去から6か月…日本テレビ、ドラマ制作指針を発表「原作を尊重」
日本テレビは22日、企業公式サイトを更新し、「日本テレビドラマ制作における指針」を発表した。昨年10月期連続ドラマ『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さん(享年50)が今年1月29日に遺体で発見されたことについて、改めて哀悼の意を表明。事態を厳粛に受け止め、今年5月31日に公表された「社内特別調査チームによる調査報告書」を踏まえ、「ドラマ制作プロセス改善推進チーム」を組成したとしている。また、発表した4つの指針を原則とし、「適正なドラマ制作プロセスを構築し、実践してまいります」としている。
「SNSの適切な運用と対策を行います」の指針も
日本テレビは22日、企業公式サイトを更新し、「日本テレビドラマ制作における指針」を発表した。昨年10月期連続ドラマ『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さん(享年50)が今年1月29日に遺体で発見されたことについて、改めて哀悼の意を表明。事態を厳粛に受け止め、今年5月31日に公表された「社内特別調査チームによる調査報告書」を踏まえ、「ドラマ制作プロセス改善推進チーム」を組成したとしている。また、発表した4つの指針を原則とし、「適正なドラマ制作プロセスを構築し、実践してまいります」としている。
日本テレビは文書で「ドラマ制作にあたり、原作者・脚本家をはじめとするクリエイター、キャスト、スタッフ等、ドラマに携わるすべての関係者を尊重し、安全・安心な制作プロセスと体制の構築に努めてまいります」と宣言し、4つの指針を示した。
●ドラマ制作の適正なプロセスを再構築します
これまでの制作プロセスを見直し、適正なプロセスを構築します。特に、漫画や小説などを原作として映像化する際には、原作を尊重し、その世界観をより深く理解するよう努めます。その上で、原作者と対面またはオンラインで直接会話するなどして、丁寧に時間をかけてコミュニケーションを取るよう努め、ドラマ制作にあたっての方向性や具体的な表現手法に関する相互理解を深めます。そのために、原則として、放送の1年前には原作側・ドラマ制作側で、ドラマ化の企画について基本的な合意が形成できるように努めます。これらに加え、関係者間におけるコミュニケーションの土台となる「ドラマ化にあたっての相談書」の提案、原作許諾契約書、脚本契約書の早期締結を行うなど、適正な制作プロセスの構築を目指します。
●より安全・安心な制作体制を構築します
これまでの制作体制や各スタッフの業務フローの見直し、および採用・社内外リソースの活用などにより、プロデューサーを始めとするドラマ制作に関わるスタッフの業務量や人員配置を最適化し、特定の個人に過度な負担が生じない制作体制を構築してまいります。また、丁寧かつ迅速な報告・連絡と制作プロセスの透明化により、上司が制作の進捗と問題点をより正確に把握し、適宜、相談、対処出来るようにします。
●SNSの適切な運用と対策を行います
SNS等、ソーシャルメディアの利用に関する注意点を定めた「日本テレビソーシャルメディアポリシー」の要点を社外含むドラマ関係者に周知徹底し、社内外から相談可能な窓口を設置します。また、トラブルに即時に対応するために、コンプライアンス推進室を中心にした「SNS危機対応チーム」を組成します。その上で、そうした事態が生じた際には、「SNS等による誹謗中傷からの出演者・関係者保護の手引き」に基づき、専門医や弁護士らの協力を得ながら速やかな事態の把握と収束をはかります。
●ドラマ制作に携わる人材育成を積極的に行います
プロデューサーを始めとする個々の制作スタッフに対し、ドラマ制作に必要なスキルや経験を十分に積ませる仕組みを構築するとともに、若手プロデューサーをベテランプロデューサーが補佐するなど、経験の少ないスタッフへのフォローアップ体制をより充実させてまいります。また、社内外講師による契約・SNS対策などの各種研修、原作者・出版社などとの意見交換、経験豊富なドラマプロデューサーが経験や知見を伝える講習会などの研修・育成プログラムを実施することで、適切な制作体制を構築することが出来るクリエイターを育成してまいります。日本テレビは、この指針を原則として、より丁寧なドラマ制作に努めてまいります。
日本テレビは5月31日、企業公式サイトを更新し、芦原さんの死去に関連して設置した社内特別調査チームの調査結果を報告した。90ページに及ぶ報告書では、芦原さんが脚本家に不信感を抱き、降板を要求。9、10話の脚本を自らが書き、脚本家が「脚本協力」で自身の名前をクレジットで入れるよう求めたことも拒否した対立構造などが示された。また、降板に関する脚本家のSNS投稿、芦原さんのブログ投稿の意志を事前に知るも、同局関係者が止められなかったことなどが明かされた。