【光る君へ】高畑充希、『枕草子』誕生シーンの撮影秘話「みんなで試行錯誤していました」
俳優の高畑充希が藤原定子を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。定子に仕えるききょう/清少納言を演じたファーストサマーウイカとの共演を振り返った。
大河ドラマ『光る君へ』で藤原定子を熱演
俳優の高畑充希が藤原定子を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。定子に仕えるききょう/清少納言を演じたファーストサマーウイカとの共演を振り返った。
高畑が演じた定子は、藤原道隆(井浦新)の長女で、一家の繁栄を願う父の思いを一身に負い、年下の一条天皇(塩野瑛久)に入内。清少納言らが集う、才気にあふれたサロンを作り上げ、一条天皇の最愛の妃となった人物だ。
宮中ではウイカ演じるききょうとのシーンも多く、ききょうにとって定子を“推し”と見る視聴者も多かった。高畑も「ウイカちゃんは撮影の中でも外でもすごく私を推してくださって、それに救われた部分が大きかったですね」と感謝の言葉を続けた。
「これまでは何かに憧れるような、何かに対してエネルギーを持つ方の役が圧倒的に多くありました。でも今回は推される役で、ほとんど初めてに近い経験でした。だからすごく不安でプレッシャーも感じていました。ウイカちゃんが現場の中でも、前室や違う現場でも、すごく私を持ち上げてくれるというか、憧れの存在として扱ってくれたことが、現場において私をすごく楽にしてくれていました。ウイカちゃんと一緒にこのソウルメイトというか、こういう親密な役柄を演じられて楽しかったです」
定子とききょう、2人の印象的な場面といえば、『枕草子』の誕生シーンだ。出家した定子を励まそうと、ききょうが「春はあけぼの」で始まる随筆を書き始めた場面が映し出され、高畑の声で読み上げられる様子が描かれた。高畑にとっても印象深い場面だったと明かし、「台本を読んだ時から、私が一番好きなシーンだったんです」としみじみと振り返った。
「『枕草子』誕生という大きな出来事を、セリフもなく本当に情景だけで描く。実際の四季の流れだけではなく、映像として四季を見せていく。台本を読んだ時点でも『大石さんすてき!』と思ったことをすごく覚えています」
撮影現場では「もちろん定子の気持ちや少納言の気持ちも分かっているんですけど、『情景になじめるように』っていうことを一番に考えていましたね」と明かし、「一連のシーンは少納言の気持ちに胸を打たれるものが多いので、私はできるだけ感情的にならないように、ただいることを心がけてました」と語った。
また、このシーンが出来上がるまでにはスタッフらとの苦悩もあった。完成したこの場面、高畑が「春はあけぼの」と有名な『枕草子』の冒頭部分を読み上げた。しかし、撮影中には「当時の古い言葉で言うのか、現代語訳で言うのか、私が読むのか、少納言が読むのかと、いろんなパターンをみんなで試行錯誤していました」と撮影秘話を次のように明かした。
「実はクランクアップした後に、やはり定子が読んだ方がより感動を伝えられるんじゃないかという話になりました。スタッフの方から、映像をつないでみたらそう感じたと説明があったので、朗読の収録でスタジオに改めて来たことがありました。それほど俳優と制作陣とみんなで、どういうふうにやるのが、この情景を最も視聴者の方に伝えられるんだろうと悩みながら作りました。最終的には、私が読ませていただく形になりましたが、みんなで悩めたのはすごく楽しかったですし、思い出深いシーンになりました」