HKT48坂本愛玲菜の運命を変えた「きくちP」との出会い “最速”で送った歌詞採用で花開く

“歌姫”としての原点を明かした「HKT48」坂本愛玲菜(C)Mercury
“歌姫”としての原点を明かした「HKT48」坂本愛玲菜(C)Mercury

「1人アカペラ動画」をきっかけに初選抜入り "きくちP"との出会いで動いた運命

 研究生から正規メンバーへ昇格した2016年、坂本は12月に開催された「第6回AKB48紅白対抗歌合戦」に初出演。峯岸みなみ・小田えりな(AKB48)、山内鈴蘭・古畑奈和(SKE48)、白間美瑠(NMB48)ら各グループの歌自慢で結成されたチームボーカルの一員として、「またあなたのことを考えてた」をアカペラバージョンで披露した。

 これが、17年3月に「Google+」で初公開し、のちにシリーズ化する「1人アカペラ動画」へとつながる。そして、同年8月に発売されたHKT48の10枚目シングル「キスは待つしかないのでしょうか?」では、待望の初選抜入りを果たした。

「どうすれば歌が好きなんだと発信できるのか、自分なりに考えました。いろいろ調べていた時に、いろんな方がハモっている映像を見て、『これだ!』と。アカペラアレンジをさせて頂きながら始めたら、反響がすごく大きくて、アカペラとハモリを続けようと思いました。『1人アカペラ動画』がきっかけで選抜にも初めて選んで頂けたと思うので、アイドル人生の中でターニングポイントの一つになりました」

 坂本はもともと根っからの負けず嫌いで、「遊びの7ならべで負けて、悔しさのあまり号泣した」ほど。自分の武器が明確となってからは、目の前のことにとにかく全身全霊を注いだ。そんな彼女に再びチャンスが訪れたのは、またも「AKB48紅白対抗歌合戦」だった。イベントの演出を手掛けたきくち伸プロデューサー(フジテレビの数々の音楽番組を手がけてきた通称『きくちP』)から、「作詞してみたら?」と声をかけられたのだ。

「2017年の(第7回)AKB48紅白に呼んで頂いた時に、きくちPさんに歌をほめて頂きました。これはチャンスだと思って、3週間くらいかけて歌詞を考えて、これでいいのかな……と自問自答しながら送ったら、その1週間後に握手会の会場まででき上がった音源を持ってきてくださったんです。『これを2018年夏のZEPP東京(音楽雑談番組『きくちから』GIRLS’ FACTORY NEXT)で歌うから』と言われて、『えっ?』と止まってしまって(苦笑)。あまりに流れが早すぎて、びっくりしました』

 けっして、曲として形になることが約束されていたわけではない。きくちプロデューサーはほかのメンバーにも声をかけていたなか、「一番早く送った」のが坂本で、結果的にその熱意が「もっと、きっと。」というオリジナル楽曲になって実を結んだ。

「早く送っておいて良かったです(笑)。私の人生の中でも、きくちPさんの存在は本当に大きくて。それがきっかけで、ほかのアイドルさんと『ガチンコ☆(スター)』というユニットを組ませて頂いたり、いろんな歌の経験を積むことができました。今はまだCD音源化されていないので、いつかCD化できるように頑張りたいと思います」

 自らの手でチャンスを掴み取り、新たなステージを切り開いた坂本は、そこから激動の時間を過ごしていくことになる。

(後編に続く)

 □坂本愛玲菜(さかもと・えれな)2000年9月12日生まれ、福岡県出身。13年、HKT48の3期研究生となり、16年3月にチームTIIへ昇格。小学生の頃に習っていたダンスだけでなく、優しい美声で聴く者を自分の世界に引き込む、AKB48グループの歌姫候補の一人。「おうち時間」は、大ヒットのフィットネスプログラム「ビリーズブートキャンプ」を活用しながら筋トレに励んでいる。座右の銘は「自分は自分、人は人」。

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