前原滉&小西桜子“映像業界で起きた実際の出来事”の映画化で主人公&ヒロインに抜擢
“映像業界で起きた実際の出来事”を基にした企画映画『ありきたりな言葉じゃなくて』(製作:テレビ朝日映像/配給:ラビットハウス)が12月20日に公開されることが15日に発表され、主演を俳優の前原滉、ヒロインを小西桜子が務めることが分かった。併せてティザービジュアルや特報映像も公開された。
テレビ朝日映像がオスカー監督誕生を掲げ始めた「映画プロジェクト」
“映像業界で起きた実際の出来事”を基にした企画映画『ありきたりな言葉じゃなくて』(製作:テレビ朝日映像/配給:ラビットハウス)が12月20日に公開されることが15日に発表され、主演を俳優の前原滉、ヒロインを小西桜子が務めることが分かった。併せてティザービジュアルや特報映像も公開された。
同作は、テレビ朝日のグループ会社・テレビ朝日映像が発足させた「映画プロジェクト」で、同社の65年の歴史の中で初めて長編オリジナル映画の制作に挑戦したもの。2021年に始動した「映画プロジェクト」は、代表取締役社長兼エグゼクティブプロデューサー・若林邦彦氏による「テレビ朝日映像社員をオスカー監督に」という言葉をきっかけに、「リスクをとってでも挑戦する」という決意のもとに生まれた。「この会社を使ってみんなの夢をかなえてほしい」という呼びかけに対し、これまでに見たことのない、海外でも楽しめる作品作りを目指し、45の企画が集まった。その中から『ありきたりな言葉じゃなくて』が選ばれ、映画が誕生した。
監督・脚本を務めるのは、テレビ朝日映像に入社後、『ワイド!スクランブル』のディレクターを12年間務めたのち、『人生の楽園』などのドキュメンタリー番組やwebムービーの演出を手掛けた渡邉崇氏。ドラマ『レンタルなんもしない人』(テレビ東京)のプロデューサーとしても活躍し、19年には世界的ショコラティエ・辻口博啓氏を追ったドキュメンタリー映画『ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ』で監督デビューを果たした。
『ありきたりな言葉じゃなくて』は、“映像業界で起きた実際の出来事”をもとにしたもの。脚本家デビューが決まった構成作家の主人公・藤田拓也と、目の前に現れた“彼女”こと鈴木りえの出会いから、ある物語が始まっていく。青春から遠くも近くもない、つまずきやすい場所にいる“私たち”の物語を描く。主人公の拓也を前原が演じ、りえを小西が演じる。シナリオ段階からキャストもアイデアを持ち寄り、テレビ朝日映像と一丸となって制作した。
公開されたティザービジュアルでは、木漏れ日が差し込む幸せそうな空気の中、新人脚本家となった拓也と、“彼女”こと、りえが仲良くほほ笑みあう様子が写し出される。どこにでもいる、男女が談笑している姿の中に、キャッチコピーの「新人脚本家が“彼女”に出会った」という一見喜ばしい言葉が現れる。しかし、「彼女」が赤字で強調されることにより、ただならぬ作品であることを予感させる。
特報映像は、脚本家としてのデビューが決まった拓也が、キャバクラらしきところで隣の女性に「脚本家です!」と満面の笑みでアピールしてしまう浮かれた様子のシーンから始まる。幸せ絶頂の拓也と“彼女”の楽しそうなデートシーンが連続し、“彼女”のかわいさが引き立つ中、うれしそうに手を振る拓也にどこか虚ろな表情を浮かべ、去っていってしまう“彼女”。さらに「考えて、考えて、脳みそねじきれるくらい」という拓也の台詞と、「つまずきやすい場所にいる私たちの物語」というテロップにも、“本当の意味”が隠されているようだ。
以下、若林氏と渡邉氏のコメント全文。
○若林邦彦/テレビ朝日映像 代表取締役社長兼エグゼクティブプロデューサー
「3年前の4月の終わり、私は日比谷の映画館で『ノマドランド』を見ていました。数日前にアカデミー賞作品賞、監督賞、主演女優賞をとった映画でした。いい映画でした。そしてその時私は同時に『そうか、私たちも映画を作ろう』と思いつきました。『ノマドランド』のように、半ドキュメンタリー的なタッチはテレビ朝日映像のディレクターたちが最も得意とするところだと思ったからです。だとするならテレビ朝日映像の社員がオスカーをもらったっていいじゃないか、と妄想しました。自前の企画で、自前の脚本で、自前の監督で、そしてなにより自前の製作費でこの映画はスタートしました。あれから3年半。『ノマドランド』とは似ても似つかない自前の映画がようやく出来上がりました。『テレビ朝日映像社員からオスカー監督を!』それが私たちの合言葉でした。そんな前代未聞の試みのささやかな第一歩が私たちのこの映画『ありきたりな言葉じゃなくて』です」
○渡邉崇/テレビ朝日映像社員 脚本・監督
「高校生のころ、映画監督になりたいという夢を持ち、それから27年も経って、やっとオリジナルの映画を監督する機会が巡ってきた。まさか、自社出資によるプロジェクトで夢がかなううとは……! 手探り状態からスタートした映画作り。『ないものねだり』ではなく、『あるもの探し』をテーマに、チームで脚本に取り組みました。演出部も新人だらけ……。でも、出演者のみなさんにも助けられて、この映画は完成を迎えました。何度か、脳みそねじ切れるんじゃないかというぐらい、考えて悩んだこともありました。でもそういう状態が好きです。きっと主人公の拓也も。人の気持ちを捉えて、ありきたりじゃない言葉で表現しようともがく拓也とりえ。2人の姿から、他人を分かろうとするのを諦めない気持ちを、観客のみなさんに受け取ってほしいです」