青野未来、「前は考えられなかった」両国国技館での試合 プロレスラーとして輝くための決意

過去にこんなことはあっただろうか。ベルト獲得をかけたトーナメント初戦で、時間切れ引き分けが3試合(それぞれ延長があったので計6試合か)で決着つかず……。そんな心身を酷使する試合を続けているのが青野未来だ。マリーゴールドに新設されるユナイテッド・ナショナル(UN)王座をめぐる戦いを、青野はどう考えているのか。

7.13両国大会で初代UN王座獲得を狙う青野未来【写真:橋場了吾】
7.13両国大会で初代UN王座獲得を狙う青野未来【写真:橋場了吾】

久々に「プロレスの練習をしているな」と感じた

 過去にこんなことはあっただろうか。ベルト獲得をかけたトーナメント初戦で、時間切れ引き分けが3試合(それぞれ延長があったので計6試合か)で決着つかず……。そんな心身を酷使する試合を続けているのが青野未来だ。マリーゴールドに新設されるユナイテッド・ナショナル(UN)王座をめぐる戦いを、青野はどう考えているのか。(取材・文=橋場了吾)

 プロレスラーとして復帰した青野は、マリーゴールドで早速その実力を見せつけることになる。フィニッシャーのスタイルズクラッシュのほか、迫力のあるドロップキック、ラリアットなど、パワフルな攻撃を繰り出している。では、そもそも元スターダム勢との練習についてはどう感じたのか。

「合同で練習するようになって、『久々にプロレスの練習をしているな』と感じています。(アクトレスでは)教えることが多くなってしまって、自分自身を高める練習に時間を割けなかったという事情もあり、最近は基礎練習もしっかりできていますね」

 5.20マリーゴールドの旗揚げ戦が後楽園ホールで開催されたのだが、その前に“ポスター問題”が発生した。元アクトレス勢から青野だけがポスターの上部に掲載されたのだ。逆にそれにより、石川奈青が下部に。その石川とは開幕戦で対戦し、見事勝利を収めた。

「最初下の方を見ていたので『私がポスターにいない』と思ったんですよ。私としては、期待をされているんだなとうれしかったんですが、奈青ちゃんは悔しかったと思います。(その後元スターダム勢との対戦もあったが)元気ですよ!(笑) 打撃はハードですし、アクトレスにはパワーファイターは少なかったので、かつて大きい選手と戦っていた頃を思い出しました。でも、大きい選手と戦うのは倒し甲斐があるので楽しいですよ」

リング上で見せる表情も魅力的だ【写真提供:マリーゴールド】
リング上で見せる表情も魅力的だ【写真提供:マリーゴールド】

ベルトは全部獲りたい、そのきっかけになる白いベルト

 プロレスデビューから7年が経過し、プロレスラーとしてやりたいことの欲が高まっている今、絶好の機会が訪れた。マリーゴールドが3本のベルトを新設することになったのだ。青野はその中の白いベルトであるUN王座に照準を絞った。

「ベルトは全部獲りたいですよ。だからこそ負けられないんです。まずは新しいコスチュームの色でもある白のベルトを獲りたい……だって似合うじゃないですか(笑)。白のベルトをきっかけに、全部獲りに行くつもりです」

 その前に立ちはだかったのがMIRAI。スターダム時代に“白いベルト”であるワンダー・オブ・スターダム王座を獲得しているパワーファイターだ。青野とMIRAIはUN王座決定トーナメント1回戦で、3度対戦し、本戦15分・延長5分がすべて時間切れ引き分け……合計60分戦うも決着がつかず、7.13両国国技館大会でも対戦することになった。勝者は181センチ・91キロの怪物ボジラとダブルヘッダーを戦うことになる。

「(2回目の対戦でMIRAIのラリアットを食らって)声が出なくなりました。マイクの声もめちゃくちゃ高くなってしまったんですが、あの声しか出なくなってしまって。それくらいの衝撃が続いていますね、MIRAIとの戦いは。まさか3度も対戦して、決着がつかないとは思いもしませんでした。それだけベルトにかける互いの想いの強さの結果なのだと思いますし、ベルトへの道のりの険しさを痛感しています。でも、MIRAIと戦った分、悔しい想いをしている分、ベルトに対する想いは強くなっているし、私自身心も身体も強くなっていることを感じています」

 その青野、両国国技館で試合をするのは初めてとなる。

「前は両国でやるなんて考えられなかった……デビューしてすぐくらいのときには、ほかの選手のセコンドで行ったことはあるんですけど、こんな大きなところで試合できるなんて凄いなと思っていました。両国で試合ができるなんて、本当に人生が変わったなと。両国国技館という最高の舞台で必ずベルトを巻き、プロレスラー青野未来として輝いてみせます」

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