19歳でキャリア14年…鈴木梨央がつかんだウェンディ役 ピーター・パン役の山崎玲奈に感謝

俳優の鈴木梨央(19)がブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』(7月24日~8月2日、東京国際フォーラムホールC、演出・振付=長谷川寧)で新たにウェンディ役を務めることになった。山崎玲奈(17)演じるピーター・パンとともに冒険を繰り広げる少女役。鈴木が本作への思いを語った。

伝統のウェンディ役に意気込みを語った鈴木梨央【写真:荒川祐史】
伝統のウェンディ役に意気込みを語った鈴木梨央【写真:荒川祐史】

大河ドラマ『八重の桜』で主人公(綾瀬はるか)の幼少期演じる

 俳優の鈴木梨央(19)がブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』(7月24日~8月2日、東京国際フォーラムホールC、演出・振付=長谷川寧)で新たにウェンディ役を務めることになった。山崎玲奈(17)演じるピーター・パンとともに冒険を繰り広げる少女役。鈴木が本作への思いを語った。(取材・文=平辻哲也)

 19歳にしてキャリア14年。5歳から芸能活動を開始し、NHK大河ドラマ『八重の桜』で主人公(綾瀬はるか)の幼少期を演じ注目を集め、連続テレビ小説『あさが来た』では主人公(波瑠)の幼少期と娘役を演じ、人気子役となった鈴木。舞台では19年に『奇跡の人』で初舞台を踏み、ミュージカルでは『るろうに剣心 京都篇』(22年)、『ダーウィン・ヤング 悪の起源』(23年)に出演してきた。

 本作はピーター・パン(山崎)がロンドンに住む少女ウェンディらとともにいつまでも子どもでいられる「ネバーランド」に旅立ち、数々の冒険を繰り広げるというストーリー。1954年にはブロードウェイミュージカルとなり、日本では1981年、榊原郁恵が初代ピーター・パンを演じ、昨年11代目に就任した山崎まで40年以上続いてきた。昨年、ユニット「冨士山アネット」の長谷川氏が演出・振付を担当し、中身を一新した。

 出演は昨年12月に長谷川氏のワークショップに参加したのがきっかけ。

「ワークショップに参加すること自体初めてで、すごく新鮮な気持ちでした。細やかな動き方や距離感を縮めるためのクロストークをしたり、玲奈さんと一緒にピーターとウェンディの掛け合いの場面を一部させていただきました。長谷川さんには自分の芝居のクセ、自分の内面を見られているような気がして、ちょっとドキドキしました」

 その2、3週間後に正式に出演が決定。うれしさと同時に本番まで頑張らないといけないと気を引き締めたという。

「汗が止まらなくて、もっと体力作りをしないと、と改めて感じました。玲奈さんからはストレッチと体幹を鍛えた方がいいというアドバイスをいただいたので、細やかな動きになるべく早く対応できるように頑張っています」

 ピーター・パンは小さい頃から自然と触れてきて、身近な存在だった。

「ウェンディは弟(ジョン、マイケル)の面倒を見ている頼もしいところがありながら、ピーターには憧れがあって、すごく乙女な瞬間もある。すごく可愛らしい子だなと思います。ウェンディはピーターと一緒に冒険して、ネバーランドでは自分がしっかりしなければいけないと感じます。そのシーンごとのウェンディの気持ちをお客様に感じてもらえたらと思っています」

 劇中では、長谷川氏によるダイナミックな振付、パルクールを使った演出などがあり、ウェンディ役にもフライングがある。

「フライングはすごく楽しみです。今までワイヤーを使ったアクション的なものはしたことがあるんですけど、飛びながら動くことはありませんでした。小さい頃に憧れていたピーターと一緒に空を飛べるという純粋なうれしさとワクワクがすごくあって、それはすごく楽しみです」

 幼い頃から歌が好きだが、ミュージカルには難しさも感じている。

「3年前にミュージカルに初挑戦して、普段の歌い方・発声とはまた違っていて、難しさを感じています。まだまだ課題も多いのですが、音楽にのせて思いを伝えられるように、そしてウェンディとして歌えることに感謝して頑張りたいです!」

 公演に向け、体幹トレーニングのプランク(うつ伏せにした身体を前腕・肘・つま先などで支え、姿勢をキープして筋肉を鍛える)もルーティンにしている。

「最初は30秒が限界だったんですが、1分近くできるようになりました。2~3分できたらと言われていますので、毎日続けていきたいです」

 ウェンディ役は香坂みゆき、比企理恵、新田恵利、小沢真珠、芳本美代子、岩崎ひろみ、馬渕英俚可、神田沙也加、片山陽加、河西智美、美山加恋らが演じてきた。岡部麟から引き継ぐ形で、メインキャストでは、唯一の作品初参加のキャストとなる。

「玲奈さんは私よりも年下ですが、大人っぽさもあり、ピーター・パンらしい活発な部分を兼ね備えています。そして、とても明るく、すごく優しい方です。私は少し人見知りな部分があるのですが、玲奈さんは分からないことなどもすぐに相談にのってくれて、明るいテンションで返してくださるので本当に感謝しています。公演が始まる夏が待ち遠しいです」と準備を重ねながら、ウェンディになる日を楽しみにしている。

※榊原郁恵の「榊」は木へんに神、山崎玲奈の「崎」はたつさき。

■鈴木梨央(すずき・りお)2005年2月10日生まれ、埼玉県出身。5歳から芸能活動を開始。大河ドラマ『八重の桜』で主人公の幼少期、連続テレビ小説『あさが来た』では主人公の幼少期と娘役を演じる。19年に『奇跡の人』で初舞台を踏み、『るろうに剣心京都篇』(22年)、『ダーウィン・ヤング悪の起源』(23年)、博多座『新生!熱血ブラバン少女。』と舞台経験を積む。主な出演作に、ドラマ『Woman』、『お兄ちゃん、ガチャ』、『青のSP』、『ひきこもり先生』、『命のバトン』、『リエゾン』の他、映画やCMと多方面に活躍中。また声優として『どろろ』『ミルドレッドの魔女学校』『屋根裏のラジャ―』『遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!』など。

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