降り立った“異界の駅”の正体 33年前に閉鎖された旧成田空港駅で「予想外の異世界体験」
ノスタルジーあふれる1本の動画が大きな反響を呼んだ。X(旧ツイッター)に投稿されたのは、電車の中から、薄暗がりの駅のホームへと出ていく様子。「電車で居眠りしてたら、異界の駅へ連れて行かれた」。投稿主のヂオくんさんが、こうつづった動画は560万回超も再生され、1万6000を超える「いいね」が寄せられた。
ノスタルジー溢れる旧成田空港の姿を捉えた動画は560万回超も再生される
ノスタルジーあふれる1本の動画が大きな反響を呼んだ。X(旧ツイッター)に投稿されたのは、電車の中から、薄暗がりの駅のホームへと出ていく様子。「電車で居眠りしてたら、異界の駅へ連れて行かれた」。投稿主のヂオくんさんが、こうつづった動画は560万回超も再生され、1万6000を超える「いいね」が寄せられた。
実際にこの動画が撮影されたのは「異界の駅」ではなく、京成電鉄の東成田駅。旧・成田空港駅として1978年に開業し、現在の成田空港駅が開業した91年に「東成田」へと名称が変更された。成田空港の歴史を伝える駅として、その後も使用していない駅設備を当時のまま残している。ヂオくんさんが降り立ったのは、この33年前に閉鎖され、使われなくなったホームだった。
ヂオくんさんが参加したのは、京成電鉄とセレクトショップ「FREAK’S STORE」を運営する株式会社デイトナ・インターナショナルが、スカイライナー運行開始50周年企画として開催した「昭和・平成ノスタルジーミュージアム」。普段は立ち入ることのできない旧成田空港駅の施設に触れ、歴史を感じることのできるイベントで、成田市制施行70周年記念の協賛事業として催された。
京成電鉄では、これまでにも、この東成田駅(旧成田空港駅)の33年前に閉鎖された駅施設を見学できるイベントを開催している。ヂオくんさんは「Xで『昭和・平成ノスタルジーミュージアム』の開催を知りました。以前からこの場所がイベントなどで公開されていることを知っていて、さまざまな部分が平成当時のまま残っていると聞き、訪問を望んでいました」と参加したという。
東成田駅は現在も空港第2ビルへ連絡通路がつながっており、当時の面影を感じることができる。それだけではなく、普段は見ることのできないエリアには「駅の案内表示や(当時の)広告、東成田駅への改名を告知したポスター、喫茶店のカウンターまでそのまま残るコンコースがなによりも圧巻でした」(ヂオくんさん)と、様々なところに、33年前からの設備がそのままに残されているという。
駅構内にスタンプラリーやデジタルインスタレーション演出、ノスタルジックな体験型コンテンツ、初代スカイライナーを復元したフォトスポットなども設置されたという当イベント。ヂオくんさんは「いわゆる平成ノスタルジーを求めて訪問したところ、予想外の“異世界体験”となり、最高でした。廃ホームにアパレルショップという意外な組み合わせにも心ひかれました。残っているものは変えずに、そのような新しい演出をしているところが面白かったです」と絶賛だった。
自身の投稿が大きな反響を呼んだヂオくんさん。「ここまで多くの方から反響をいただけるとは思っておらず、率直に言って驚いております。関心を持たれた方は、ぜひ今後の『東成田駅』の公開のチャンスを掴んでいただき、この目で確かめてほしいです」と、オススメしていた。