宮藤官九郎氏、歌舞伎町で「ぼったくられたことも」 ドラマ取材で印象変化「総じて女性が元気」
俳優の小池栄子と仲野太賀がダブル主演を務めるフジテレビ系連続ドラマ『新宿野戦病院』(水曜午後10時)が7月3日からスタートする。放送を前に、本作の脚本を手掛ける宮藤官九郎氏が取材に応じ、舞台となる新宿・歌舞伎町への印象や本作で描くテーマについて語った。
7月3日スタートのドラマ『新宿野戦病院』で脚本担当
俳優の小池栄子と仲野太賀がダブル主演を務めるフジテレビ系連続ドラマ『新宿野戦病院』(水曜午後10時)が7月3日からスタートする。放送を前に、本作の脚本を手掛ける宮藤官九郎氏が取材に応じ、舞台となる新宿・歌舞伎町への印象や本作で描くテーマについて語った。
本作は新宿・歌舞伎町にたたずむ病院を舞台に、ホストやキャバ嬢、ホームレス、トー横キッズ、外国人難民などさまざまなバックボーンを持つ“ワケあり”な登場人物たちが交錯する社会の構図をテーマに、“命”の尊さを投げかける新たな救急医療エンターテインメント。
オリジナル脚本を手掛ける宮藤氏は、初めての“医療ドラマ”に「分からないことだらけなんですけど、今のところすごく順調に書けていると思います」と手応えを語り、「最終的には『新宿野戦病院』や、舞台の聖まごころ病院で働いてるお医者さんや患者さんのことが全員好きになってもらえるようなドラマにしたいです」とアピールする。
今作の第1報の際には、舞台の新宿・歌舞伎町が「まるで僕のために用意されたようなワクワクする設定」とコメントしていた。当地の思い出を聞かれると、90年代の若かりし頃のイメージは「外国人の町」「発散する場所」だったと振り返り、「20代の頃、芝居をやるのも新宿が多かったんですよね。その頃はタイ人とか、コロンビア人とか、台湾人の方がたくさん働いていて、タイ人のディスコとかもあって、そこでかかってる音楽がめちゃめちゃかっこよくて、カセットテープを買って、歌詞は分からないので“耳コピ”して、タイ人という設定でバンドをやったこともあります(笑)。グループ魂やる前に、阿部(サダヲ)くんとも一緒にやってましたね。それで飲み屋とかも1日で何軒もハシゴしてましたね」と懐かしんだ。
もっとも、「怖い目にもいっぱい遇ったし、ぼったくられたこともあるし……なんか嫌なこと思い出してきました」と苦笑い。現在の歌舞伎町は「昔に比べたら安全な街に見えるのではないかなと思います。そういう意味で、今はここにいたら友達ができるって若い人達が集まってきて、逆に治安が悪くなってきてるのがあるのかもしれませんね」と印象を口にした。
今作に向けて現地に自ら足を運び、丹念に取材も行った。歌舞伎町を訪れるのは久しぶりだったといい、「今回のドラマをやるとなって、ぶらぶら歩いたんです。そうしたら、やたら若者が多くて、そしてホストクラブがとにかく多い。女性が男性にお金をかける時代なんだなと。昔は逆だったと思うんです。今は女性もバリバリ働いてお金を落としていく場所なんだ、総じて女性が元気だなと思った」と新たな発見があったと明かす。
さらに本など資料にもあたって取材を進めるうちに、「僕が思ってた歌舞伎町と全然違うんだなって。ホストクラブの前に『年収1億円』って書いてあったり、コンセプトカフェがあったり、歌舞伎町タワーがあったり、自分が20代で行ってた歌舞伎町と全然違う」と驚きがあった。
そのうえで「やっぱり相変わらず外国人も多い。その猥雑な感じがやっぱり面白いなと思いましたね。なので、実際にいそうな人をとにかく書きたいなと思っています」と本作で描く歌舞伎町と登場人物たちのイメージを説明した。