ラストランで奇声&怒号、正体は若年層撮り鉄 鉄道ファン怒り「こんな暴徒が出てきたのは最近」
山陰と岡山を結ぶJR特急やくもの旧型車両381系が定期運行を終了、今月14日のラストランには別れを惜しむ多くの鉄道ファンが押し寄せた。一方、その際に一部の撮り鉄が奇声や怒号を飛ばし大騒ぎする様子を収めた動画がネット上で拡散、物議を呼んでいる。動画の投稿者で自身も鉄道オタクという鉄道系YouTuberのReoさんに当時の状況を聞いた。
山陰と岡山を結ぶJR特急やくもの旧型車両381系が14日に定期運行を終了
山陰と岡山を結ぶJR特急やくもの旧型車両381系が定期運行を終了、今月14日のラストランには別れを惜しむ多くの鉄道ファンが押し寄せた。一方、その際に一部の撮り鉄が奇声や怒号を飛ばし大騒ぎする様子を収めた動画がネット上で拡散、物議を呼んでいる。動画の投稿者で自身も鉄道オタクという鉄道系YouTuberのReoさんに当時の状況を聞いた。
「381系国鉄色やくもラストラン 生まれてからずっとお世話になった列車の最後の姿は自然と涙が滲みます。…という内容がこれを観て入ってきますか? 42年の最後を台無しにされた気分です」
19日にSNS上で拡散した動画には、ラストランを見送る大勢の鉄道ファンに混じり、奇声や怒号を飛ばす撮り鉄の姿が収められている。投稿者は続く投稿で「これの何が間違ってるかと言えば、主役が自分達だと誤解している点です。普段から学校などで承認欲求が満たされず主役になれない日常を送ってらっしゃるのかもしれませんが、ここに人が多く集まっているのは主役がやくも号だからであり、あなた達のくだらない自己承認欲を満たす為ではありません」「一般の方も絶句しておられます。鉄道ファンは基本、撮影場所がホームなど公共の場となる為、最大限マナーに注意するのが当然の趣味であり界隈の常識です」と非常識な行為に対し苦言を呈している。
一連の投稿には「まるで暴徒」「動物園か」「これはひどい 静かに最期を見守るのが鉄道ファンとしての役目ではないでしょうか」「こいつらと同類に見られるから鉄道ファンを辞めた」「鉄道ファンの全部がこの動画に映っている連中と同じな訳では無いと思うけど、一般の人の間で『鉄道ファン』という言葉のイメージは確実に悪くなってる気がする」と共感の声が多数寄せられている。
当時の状況について、投稿者のReoさんは「JRでもラストランに関してはホームにファンが殺到し危険が予測されるため、最近は警備員を配置し警察の協力も仰ぐなどの対応をしています。本来公共の場であるホームで大声を出すことは非常識な行為ですが、安全が確保されている前提での『ありがとうコール』についてとがめられることはありません。しかし、今回は一部の未成年撮り鉄コミュニティーが『ありがとうコール』ではなく、お祭り騒ぎ目的で奇声怒声を叫びに訪れていました。彼らは異常な奇声を上げ、自分たちが注目され、主役になったように錯覚することで自己承認欲を満たしに来ているようです」と説明。SNS上で目立ち、注目を集めることを目的とした、未成年を中心とする若い世代の鉄道ファンのマナーの悪さを指摘する。
Reoさんはその後、悩んだ末に問題提起の意味を込めて動画の公開を決心。公開前に騒ぎを起こした当事者に連絡が取れないかSNS上で募ったところ、騒いでいた集団の1人から「あの場で奇声を上げていた者です。自分たちで間違いない」「他メンバーも記念にぜひ見たいと言っているので投稿していいですよ」と連絡があったという。
公開後に動画に寄せられた反響は大半が非常識な撮り鉄を批判する内容のものだったというが、中には当事者と同年代と思われる一部の撮り鉄からの、擁護の声や罵詈(ばり)雑言、誹謗(ひぼう)中傷なども多く寄せられたという。
物心ついた頃から25年以上鉄道ファンをやっているというReoさんは、「こんな暴徒みたいな撮り鉄が出てきたのは最近。彼らはどれだけ世間を敵に回す行為をしても、なんだかんだ最後には大人は自分らを守ってくれるんでしょ? と本気で思っているようで、『自分たちは相手に攻撃されない安全圏にいる』という安心感を持っている」と若年層撮り鉄の心理を分析。
その上で「撮り鉄の非常識行為をやめさせるためには、集団ごとたたくのでは解決しません。一人一人と対面し、ときには大人が社会の冷たさを持って強く諭していくしかないと、今回の騒動を通じ強く感じました」と話している。