RIZIN、目標金額5000万円のクラファン未達成なら開催中止か!?
「ハッスル」でGMの経歴を持つ笹原圭一広報
笹原広報は2000年代、「ファイティングオペラ」を掲げたハッスルというイベントでは、GM(ゼネラルマネジャー)なる役職でリング上でも出役し活躍した経歴を持つ。それだけにこうしたやりとりはお手のものかと思うほど、小気味のいいやりとりだった。
くしくもこの日は、過去のRIZINのリングで試合をした経験がある、元プロボクシング世界5階級制覇のフロイド・メイウェザーが自身のインスタグラムを更新。来日してRIZINと交渉の場を設けることを明かしていたが、これに関して榊原CEOは「RIZINのクラウドファンディングのこととかを見てエールを送りたいということで『プライベートジェットで日本に行って打ち合わせよう』ということらしいですけど、今は日本へ入れないですから(笑)。ただ、ずっとコミュニケーションは取っている。だから本当にタイミングが合えば、秋でも年末でも上がる可能性がある」とコメント。
とはいえ、ファンに支援を求めている現状では“ザ・マネー”の異名を持つメイウェザーとのまともな交渉ができるわけもなく、「全部お金にまつわることなんですよ。そこがうまくいけば…」と高額なファイトマネーに苦笑するしかない。
それでもメイウェザーに触れると話題にはなるようで、この日のツイッターでは「オススメ」に入り、RIZINの名前だけは広まることになった。
ちなみに、そのメイウェザーのインスタに「いいね」を押したのが朝倉未来である。朝倉未来と言えば、クラファンの募集サイトで「8月は試合をしません」と声明を発表したが、これに関して榊原CEOが、「未来は出ません。ヒジをケガして無理をさせたくないというのもあるし、本人的にも弟の海が大一番なのでセコンドとしてしっかりベルトを巻かせたいというのもある」と状況を説明。
しかしながらこの話だと笹原広報の発言とは多少の食い違いが出てくる。というのは、笹原広報の言った「目標金額(5000万円)でも足りない」「横浜大会がかろうじてできるくらい」だとしたら、もしそうならなかった場合、RIZINの次なる大会が開催されることはない。
つまりこの時点で榊原CEOが「無理を押してでも未来に出場をお願いしたい」ではなく「ヒジをケガして無理をさせたくない」と言ってしまう点が、次のRIZINも順当に開催されることを想起させてしまうのだ。その結果、まだ余裕があるように伝わってしまい、悲壮感が伝わりにくくなってしまう。
また、榊原CEOがメイウェザーの件でも触れていたように「秋(9月)でも年末でも(さいたまスーパーアリーナで)」という構想を公にしてしまうと、やはり危機感が薄まってしまう。そうでなければ、笹原広報の言った「目標金額でも足りない」「横浜大会がかろうじてできるくらい」が事実と異なっているということなのか。
こちらとしても、そんな言葉尻の揚げ足をとった意地悪な書き方をするのは本意ではない。ただし今回に限ってはクラファンをスタートしてしまった以上、平身低頭、真実を語っていくのが最善策のはず。
ではなぜその最善策が取りにくいのか。これは、あえてRIZIN側に立って弁明するなら、榊原CEOの発言から一貫性を感じにくくなってしまうのは、プロモーターという職業の性格が関係しているのだろうと推察する。(続く)