渡辺謙「見えない敵と闘う。原発もコロナも同じ」 佐藤浩市と「Fukushima 50」舞台あいさつ

映画「Fukushima 50」(フクシマフィフティ)カムバック上映記念舞台あいさつが9日、東京・有楽町の丸の内ピカデリー1で行われ、主演の佐藤浩市、渡辺謙が登壇した。本作はコロナ禍のため、3月6日の初日舞台あいさつは叶わず、映画館の営業再開後、観客を前にした初の舞台あいさつとなった。

舞台あいさつに登壇した渡辺謙(左)、佐藤浩市
舞台あいさつに登壇した渡辺謙(左)、佐藤浩市

佐藤浩市「何年かたった時にあんな時代もあったね、と言い合える日がくることを」

 映画「Fukushima 50」(フクシマフィフティ)カムバック上映記念舞台あいさつが9日、東京・有楽町の丸の内ピカデリー1で行われ、主演の佐藤浩市、渡辺謙が登壇した。本作はコロナ禍のため、3月6日の初日舞台あいさつは叶わず、映画館の営業再開後、観客を前にした初の舞台あいさつとなった。

 福島第一原発事故の関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト、門田隆将氏のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)を原作にしたドラマ。福島第一原発1、2号機当直長の伊崎利夫役の佐藤は「数か月経って、こうしてお客様の前に立てることが不思議です」。吉田昌郎所長役の渡辺も「映画が大好きなみなさんに感謝。さまざまな形でこの映画を届けようと積み重ねてきたKADOKAWAのみなさまに一俳優として感謝します」と舞台に立つ喜びをかみしめた。

 この日は吉田元所長の命日(2013年7月9日に食道がんのため逝去)。渡辺は「災害が起きた時に何が大事か。それは現場の声なんです。その声を切に聴き、(東電)本店や政府と闘ったのが吉田さんだった。その命日にみなさまにこの映画を届けられる。吉田さんも喜んでくれているのではないかと思います」と話した。

 最前線の現場で闘う人を演じる上でこだわったこと、感じたことを聞かれると、佐藤は「あんなに報道もされたことなのに、自分たちがあまりに知らないことが多すぎると思った。それは、どんな事象でも多々あること。今もコロナで医療従事者の方々が偏見の中で生活を送らないといけなくなっている」。渡辺は「見えない敵と向き合い、その恐怖と闘う。それは原発もコロナも同じなんじゃないかと思います。(現場で闘う人は)今やらなければ、いけないという思いで、相当な緊張感をもって対応されていたんじゃないかと思っています」と慮った。

 コロナ禍で、映画界も苦境に立たされているが、佐藤は「映画館に行くことを躊躇してしまう人もいるのは仕方ないかもしれないが、各々ができるケアをすれば、劇場で映画を観ることはできると思う。(コロナで)どの業界も大変。何年かたった時にあんな時代もあったね、と言い合える日がくることを、と思っている」。渡辺は「(コロナ禍の)3か月、こんなに仕事をしなかったことはない。一方、こんなに配信で映画を観たこともない。映画の魅力は体験だと思う。大きなスクリーン、迫力の音。いままで観たことがない体験できるし、宅配便のピンポンも鳴らない。この体験を若い人にしてほしい。ものすごく映画館は努力している。いい体験を増やしていってほしい。今日は新しい1ページになると思います。心に刺さる映画だと思うので、楽しんでほしい」と締めた。

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(ENCOUNT編集部)

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