「駆け足すぎ」「ベストな終わり方」結末に賛否…人気絶頂で幕を閉じたジャンプ漫画3選
数々の名作漫画を世に輩出し続けている『週刊少年ジャンプ』(集英社)。中には人気絶頂のタイミングで幕を閉じた作品があり、連載終了時に賛否の声が続出することも珍しくない。そこで今回は、最終話に対してさまざまな反響が寄せられた名作漫画を紹介しよう。
振り返ってみれば適切だった思える名作のラスト
数々の名作漫画を世に輩出し続けている『週刊少年ジャンプ』(集英社)。中には人気絶頂のタイミングで幕を閉じた作品があり、連載終了時に賛否の声が続出することも珍しくない。そこで今回は、最終話に対してさまざまな反響が寄せられた名作漫画を紹介しよう。
(※以下、ネタバレとなる記述があります)
名作の中で賛否が分かれた最終話として外せないのが、1990年~96年まで連載された『SLAM DUNK』(作:井上雄彦)。同作は不良少年の桜木花道が神奈川県立湘北高校のバスケットボール部に入部し、赤木剛憲や流川楓などのチームメイトとともにインターハイ制覇を目指すバスケ漫画だ。
最終話ではインターハイを3連覇している山王工業高校との激戦を逆転勝利するも、次戦の愛和学院高校にボロ負けするというあっさりとした終わり方だった。インターハイ制覇を期待した読者が多く、「終わり?と思ったのが素直な感想」「この終わり方でみんな納得してるの?」など声が上がっている。
しかし、一方で最終話を肯定するファンからは「優勝しても都合が良すぎるし、この終わり方のほうが自然」「山王に勝って力尽きるのが面白いし納得いく」といった感想も。山王戦の代償を踏まえると、愛和学院戦で負ける展開は“リアルさ”の観点で見れば妥当な結果というのも頷ける。
また、作者の井上氏自身は公式ホームページにて2000年6月15日に放送された『トップランナー』(NHK総合テレビ)出演時の要約したコメントを掲載しており「自分が楽しんで描いてこそのスラムダンクなので、そういう気持ちでとりくめる時がきたら、第2部があるかもしれません」と記している。
もしかしたら2022年12月に公開された映画『THE FIRST SLAM DUNK』は井上氏が楽しんでスラムダンクを描けるようになった兆候かもしれない。だとすると、映画に続いて続編が描かれる可能性はゼロではないだろう。
続いて注目するのは、17年~22年まで連載された『Dr.STONE』(原作:稲垣理一郎、作画:Boichi)。謎の光によって全人類が石化し、長い時を経て目覚めた科学少年の石神千空が幼馴染の大木大樹などの仲間とともに失われた文明を取り戻す物語だ。
最終話にかけての話では、まず人類石化の原因である機械生物・メデューサの集合体「ホワイマン」がいる月に向かう。そこでホワイマンが人類を石化させた理由を知った千空は、ホワイマンに地球から立ち去ることを伝え、合意を得る。さらに千空はホワイマンと協力して、「タイムマシンを作ろう」と提案する。その後、提案に乗ってくれたホワイマンとともに地球に帰還した千空は研究を続けるのだった。
同作のラストにも「駆け足すぎた」などの批判の声があがる中、「始めから最後まで安定して面白かった」「続きが見たくなるベストな終わり方」といった意見も。後味が悪い終わり方ではなく、無理のないハッピーエンドだったのが多くの読者を納得させた要因かもしれない。
ちなみに同作は、原作終了後の現在もテレビアニメシリーズが継続して放送されている。
最後に取り上げるのは16年~20年まで連載された『鬼滅の刃』(作:吾峠呼世晴)。今もアニメシリーズが続いているほど大ヒットした作品で、主人公の竈門炭治郎が仲間とともに鬼の元凶である鬼舞辻無惨を倒す物語である。
最終話では無惨を討伐した後の未来である現代の様子が描かれたのだが、読者からの感想は賛否両論。ネット上には「もっと無惨を倒した後の話を描いて欲しかった」「蛇足感がある」といった声が上がる一方、「将来もみんな幸せに暮らしていて素直に嬉しかった」「それぞれ伴侶を得て、子孫を残しているのが素敵」など好評の声も多い。あくまでも読者の好みの問題であり、未来の現代を描く展開も決して悪いラストとはいえないことが窺える。
人気作ほど最終話に対してさまざまな意見が寄せられるもの。みなさんは今回紹介したラストについてどのような感想を抱いただろうか。