「キャプ翼」高橋陽一がブラインドサッカー新漫画にかける思い「パラを盛り上げたい」
漫画家の高橋陽一氏(59)が16日、都内で新作ブラインドサッカー漫画「ブラサカブラボー!!」(集英社)の取材会を行った。「パラ(スポーツ)を盛り上げたい」と、新たなスポーツ漫画を執筆する上での工夫や障がい者スポーツへの思いについて語った。
ブラインドサッカーを取り上げた「ブラサカブラボー!!」来夏の東京パラ見据える
漫画家の高橋陽一氏(59)が16日、都内で新作ブラインドサッカー漫画「ブラサカブラボー!!」(集英社)の取材会を行った。「パラ(スポーツ)を盛り上げたい」と、新たなスポーツ漫画を執筆する上での工夫や障がい者スポーツへの思いについて語った。
サッカー漫画の金字塔として知られる「キャプテン翼」の執筆を続ける高橋氏が取り組むテーマは、視覚障がい者5人制サッカーの「ブラインドサッカー」(通称ブラサカ)だ。日本代表選手のユウキと親友のショーゴが、2020年東京パラリンピックを目指すストーリーだ。
高橋氏はかねてからブラインドサッカーの大会や試合を観戦しており、今回の執筆にあたり、実際の練習を見学。選手や監督・コーチに話を聞いたり、選手たちのプレーの様子を参考にしているという。盲学校を取材したり、自ら目をつぶって街を歩いたことも。「選手たちは障がい者といえど、アスリートだなという印象です」と話す。
ブラサカは、鈴の入ったボールの音と、健常者または弱視者のゴールキーパー、コーチらの指示をもとに、目の見えない選手が感覚と経験を頼りにプレーをする。常に声援が沸くサッカーとは異なり、静かな状況でプレーが進む。「ゴールを決めると叫び声が上がる。メリハリをうまく出したい」と話す。また、ブラインドサッカーの特徴として「目力が描けない」という点で苦労しているといい、「まゆげや口元の表現を工夫しながら描いている。選手の内情、考えていることを中心に描いている」と明かした。
キャプテン翼ならではの“必殺技”については、「アクロバティックなプレーは描きづらいが、漫画なのでインパクトある技を出したい」と考案中であることを明かした。
長年、五輪・パラリンピックを見てきて気付いたことがある。「パラリンピックはどうしても盛り上がりに欠ける部分がある」ということだ。だからこそ、来夏に行われる東京パラリンピックに向けて「パラを盛り上げたい気持ちがある。それに、僕が住んでいる(東京都)葛飾区が日本代表の練習場に選ばれた。ブラインドサッカーをさらに盛り上げたい」と力強く語った。
「ブラサカブラボー!!」は不定期ムック「パラリンピックジャンプ」で連載中で、来夏にコミックス第1巻の刊行を予定している。