ジャンプ黄金期を支えた“名脇役” 主人公よりも人気を集めたキャラたち

漫画『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)が2021年1月4日発売の週刊少年ジャンプ5・6合併号(集英社)で連載1000話に達した。その記念に「第1回ONE PIECEキャラクター世界人気投票」が行われ、主人公のルフィが人気投票の1位に選ばれている。一方で過去の作品を見てみると、必ずしも主人公が1位になっていたわけではないようだ。本記事ではジャンプ黄金期を支えた作品から、主人公を上回る人気を集めたキャラクターについて振り返る。

『北斗の拳 新装版』【画像:(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983】
『北斗の拳 新装版』【画像:(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983】

主役を押しのけて人気を得た名脇役

 漫画『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)が2021年1月4日発売の週刊少年ジャンプ5・6合併号(集英社)で連載1000話に達した。その記念に「第1回ONE PIECEキャラクター世界人気投票」が行われ、主人公のルフィが人気投票の1位に選ばれている。一方で過去の作品を見てみると、必ずしも主人公が1位になっていたわけではないようだ。本記事ではジャンプ黄金期を支えた作品から、主人公を上回る人気を集めたキャラクターについて振り返る。

 最初に漫画『キン肉マン』(作:ゆでたまご)の主人公・キン肉スグルを上回る人気を獲得している兄・アタルを見ていこう。アタルはインターネット上に公開されている「キン肉マン公式サイト」で13年から2年に一度行われてきた超人総選挙において5回中3度の1位に選ばれている。

 コミックス24巻から始まる「キン肉星王位争奪編」で登場し、キン肉星の王位を目指すキン肉マンに王としての心得を命懸けで伝える。そんなアタルに投票した人からは「常に行動で示す男の中の男。こんな兄貴が欲しかった」「弟思いで仲間にも慕われる姿に憧れる」などの声があがり、アタルに理想の兄貴像を重ねた人が見られた。

 次に注目するのは漫画『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)の主人公・ケンシロウよりも高い人気を集めているジュウザだ。「北斗の拳公式ウェブサイト」のキャラクター紹介ページで公表されているアクセスランキングで、主人公・ケンシロウを上回り1位となっている。

 ジュウザは南斗六星の将・ユリアに率いられた南斗五車星の1人で、ユリアの異母兄にあたる。かつてユリアに恋心を抱いていたが、兄妹であることを知り落胆、糸が切れたように無気力な生活を送っていた。しかし、その後にユリアの軍がケンシロウの兄・ラオウ率いる拳王軍と衝突すると、ジュウザは命を懸けてラオウと戦ったのだ。

 そんなジュウザに対して読者からは「ユリアに身を捧げ雲のように自由気ままに散った姿が好き」「自分の意志で動くジュウザに憧れていた」と声があがっており、ジュウザの自由に生きる姿に人気が集まっているようだ。

 最後に取り上げるのは漫画『キャプテン翼』(作:高橋陽一)で主人公・大空翼のパートナーである岬太郎だ。『週刊少年ジャンプ』1986年26号で第3回キャラクター人気投票の結果が掲載されている。この結果によると、岬は翼の得票数6112票に対して約1.5倍の9374票を獲得。2位に選ばれた日向小次郎からも約2000票の差をつけて1位に選ばれている。

 岬は特に女性ファンからの人気が高いようで「転校を繰り返しても多くの友達を作れるのは人として素敵だから。まさに理想の彼氏」「岬くんの可愛くて優しい笑顔に惚れた」などの声が読者からあがっていた。

 今回紹介した3作品はいずれも世代を超えて愛されている作品。その理由の1つに、主役よりも人気のあるキャラクターの存在にあるのかもしれない。

次のページへ (2/2) 【写真】「まさに理想の彼氏」と絶大な人気を集めた『キャプテン翼』岬太郎の姿
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