“巨大化”は死亡フラグ濃厚? 名作で登場した巨大キャラたちの結末

数多くのバトル漫画で、必ずといっていいほど登場する巨大キャラ。ネット上では「巨大化は死亡フラグ」「巨大なキャラほど負ける」などの説がささやかれているが、果たして本当なのだろうか。巨大キャラが登場する名作をピックアップし、そのキャラの行く末を確認してみよう。

巨大キャラが登場する名作をピックアップ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
巨大キャラが登場する名作をピックアップ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

巨大キャラは“見かけ倒し”がほとんど!?

 数多くのバトル漫画で、必ずといっていいほど登場する巨大キャラ。ネット上では「巨大化は死亡フラグ」「巨大なキャラほど負ける」などの説がささやかれているが、果たして本当なのだろうか。巨大キャラが登場する名作をピックアップし、そのキャラの行く末を確認してみよう。

 まず取り上げるのは、『週刊少年ジャンプ』(集英社)のレジェンド作品である『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)のデビルリバースだ。

『北斗の拳』といえば2000年の歴史を持つ北斗神拳の伝承者であるケンシロウが悪党を拳で制裁することで有名だが、敵キャラの中にデビルリバースという身長がおよそ20メートル以上の巨人が存在する。

 デビルリバースは700人を殺害し、死刑を13回執行されても生き残るという人間とは思えないキャラだ。コミックス3巻では、悪党であるジャッカルがデビルリバースを閉じ込めていた地下牢獄から解き放ち、ケンシロウと対峙(たいじ)させる。ケンシロウはデビルリバースの手のひらほどの大きさであり、さすがのケンシロウでも不利になるかと思いきや、簡単に北斗神拳によって倒してしまう。確かに「巨大キャラは勝てない」という説に該当するが、ほかのキャラはどうなのだろうか。

 続いて注目するのは、ジャンプの超人気作である『ドラゴンボール』(作:鳥山明)のピッコロだ。ピッコロはピッコロ大魔王が死ぬ間際に口から吐き出した卵から生まれ、当初はピッコロという名前を隠すためにマジュニアと名乗っていた。

 そんなピッコロは悟空に復讐(ふくしゅう)するため、コミックス16巻から描かれている天下一武道会の決勝で戦うのだが、やはり戦いの途中で巨大化する。しかし、ピッコロの体内に入り、神様が封印されていたビンを奪って再び外に出てくる悟空。再び体内に入られることを恐れたピッコロは巨大化をやめて元の姿に戻った。結果的にピッコロは悟空に負けるのだが、巨大化によって戦いは好転どころかマイナスにしかならなかったと考えられる。

 ちなみに2022年公開の映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』ではピッコロの巨大化できる設定が復活しており、作中では巨体の「セルマックス」と巨大化した姿でバトル。もちろん、セルマックスに苦戦し、とどめを刺したのは覚醒した悟飯だった。

 ほかにもアニメ『機動戦士Zガンダム』に登場する「サイコガンダム」は巨大キャラとして有名。サイコガンダムは可変モビルアーマーで、飛行スタイルの折りたたまれた状態から人型機動兵器のモビルスーツ(MS)に変形できる。MS状態になったときの大きさは普通のMSの倍以上もあり、想像を絶する巨体によって周囲に畏怖を与えた。

 しかし、一般的なパイロットが搭乗すると、システムが要求する負荷に耐えられずに発狂するため、高い感応波を持つ「強化人間専用」の機体に。操縦者は強化人間であるフォウ・ムラサメだが、第36話「永遠のフォウ」にて主人公のカミーユ・ビダンを庇ったことで戦死する様子が描かれている。やはり巨大キャラはハッピーエンドを迎えられないのだろうか。

 近年の作品でいえばジャンプで連載中の漫画『呪術廻戦』(作:芥見下々)に登場する「メカ丸」も“巨大キャラは死亡フラグ”説に当てはまる。メカ丸が超巨大ロボット「装甲傀儡究極メカ丸試作0号」に乗って登場する様子がコミックス10巻にて描かれた。しかし、普通の人と同じくらいの身長の特級呪霊・真人(まひと)にあっさりと敗北してしまう。

 ここまで巨大キャラの戦績を振り返ったが、どれも良い結果になっていない。今後は特撮ヒーロー以外で、巨大キャラが活躍することはあるのだろうか。

次のページへ (2/2) 【写真】『北斗の拳』に登場した巨大キャラ・デビルリバース
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