東出昌大、遺族からの感謝に「こんなにも人のためになる仕事ってあるんだ」 主演男優賞に感慨
俳優の東出昌大が、22日に東京国際フォーラムにて開催された「第33回日本映画批評家大賞」授賞式に出席。受賞の喜びを語った。
2023年3月10日に公開された映画『Winny』で受賞
俳優の東出昌大が、22日に東京国際フォーラムにて開催された「第33回日本映画批評家大賞」授賞式に出席。受賞の喜びを語った。
東出は、2023年3月10日に公開された映画『Winny』で主演男優賞を受賞した。かつて日本で実際に起きた「Winny事件」を映画化したもので、開発者の未来と権利を守るために権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語だ。東出は、ソフトの開発者・金子勇氏(ハンドルネームは47氏)を演じるために18キロの増量していた。
東出は「役者として映画の現場を初めて経験してから14年経って、ずっと『演じるとかお芝居ってなんだろう』と考え続けてますが、今もその問いは消えないです。僕の場合は、役者の仕事には地味な準備が必要です。人に見られないところでの準備が現場で生きます」と語った。
さらに、「あとは、役者を続けるにはどうすればいいのかを考え続けますが、なかなか答えが出ません。『これさえやれば』という方程式がなくて、準備以外には根拠のない自信しかなくて。でも、この自信がいきすぎると過信になっておごりが生まれて、そうすると“人を演じる”ということから遠のいてしまうので」と続け、「日々根拠のない自信を持ちながら、準備を怠らずに良い映画の現場に戻れたらと思っています」とさらなる意欲を示した。
最後に、東出は「金子勇さんのご遺族が『報われました』って、この映画の完成をよろこんでくださって、こんなにも直接人のためになる仕事ってあるんだと心から魂が震えました。ありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。
『日本映画批評家大賞』は、1991年に水野晴郎が発起人となり、淀川長治、小森和子といった当時第一線で活躍した映画批評家たちによって設立された、映画人が映画人に贈る賞として日本では他に類を見ない映画賞。今年は「進化し続ける力」をテーマに授賞式を行い、映画愛が深く、軽妙洒脱な語り口で知られる松尾貴史氏をメイン司会に、各受賞者を迎える。