専門家が警鐘 台風後に大発生が予想されるカビに注意!…対策方法とは?
台風15号の被害が甚大だった千葉県内の家屋に、大量のカビが発生していると報じられた。先日の台風19号の被害はさらに広い地域に及び、河川の氾濫・決壊が各地で引き起こされ、水没したり、流されたりといった深刻な水害に見舞われた家屋もみられた。
台風15号の被害が甚大だった千葉県内の家屋に、大量のカビが発生していると報じられた。先日の台風19号の被害はさらに広い地域に及び、河川の氾濫・決壊が各地で引き起こされ、水没したり、流されたりといった深刻な水害に見舞われた家屋もみられた。
かろうじて流されずにすんだ家屋も安心できない。今後、雨が止んで水が引くと、千葉県で被害にあった家屋同様、カビが大発生することが予想されるからだ。
「雨漏りや床下浸水したことのある住宅はカビが発生しやすく、そのカビが原因で命の危険にもつながる重大な健康被害を起こすことがあります。甘く見てはいけません」と警告するのは呼吸器専門の大谷義夫医師だ。
カビによって引き起こされる呼吸器の病気は、夏型過敏性肺炎と気管支喘息の2つがある。夏型過敏性肺炎はトリコスポロンというカビ、気管支喘息はアスペルギルスやペニシリウム(青カビ)、クラドスポリウム(黒カビ)などのカビによって引き起こされる。
「夏型過敏性肺炎の症状は咳、微熱、息切れ、たん、倦怠感など風邪に非常に似ていますが、放っておくと進行し肺線維症(間質性肺炎)を起こして肺が硬くなり、呼吸困難に陥って命を落とすことがあります。風邪だと思い込んで油断していると恐ろしいことになります」
冬が近づくにつれ気温が下がるとカビの増殖がおさまり、咳などの症状もいったんはおさまることもある。しかし、また高温多湿の翌年5月頃になると再発するなど、きちんと対処しないと繰り返して慢性化し、進行していく。夏型過敏性肺炎は対処が遅れると怖い病気に進展する恐れがあるのだ。