実写『ヒロアカ』城桧吏&柊木陽太が抜擢されたワケ 監督も我が子を出演させる本気度
コミックスシリーズ世界累計発行部数1億部を突破した「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載中の堀越耕平氏による大人気コミック『僕のヒーローアカデミア』(通称:ヒロアカ)が連載10周年を迎えている。そんなヒロアカイヤーを記念して実写「僕のヒーローアカデミア 10周年記念ショートフィルム『Succession』」がYouTube上で公開される。同作で監督・脚本を務めたの読売テレビ東京ドラマ部・福田浩之氏にインタビューを行った。
福田監督が12分に込めた想いとは
コミックスシリーズ世界累計発行部数1億部を突破した「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載中の堀越耕平氏による大人気コミック『僕のヒーローアカデミア』(通称:ヒロアカ)が連載10周年を迎えている。そんなヒロアカイヤーを記念して実写「僕のヒーローアカデミア 10周年記念ショートフィルム『Succession』」がYouTube上で公開される。同作で監督・脚本を務めたの読売テレビ東京ドラマ部・福田浩之氏にインタビューを行った。
同作は、「友情・勝利・努力」をまっすぐに突き進むジャンプ王道ヒーローアクション。2024年に連載10周年を迎え、テレビアニメシリーズは、16年4月の放送開始以来、今年で8周年。さらに、8月2日には、劇場版最新作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』の公開を控えており、まさに2024年は“ヒロアカイヤー”といえる。
そんな“ヒロアカイヤー”を記念して「僕のヒーローアカデミア 10周年記念ショートフィルム『Succession』」が公開。ヒロアカと共に成長してきた、ある兄弟の姿を描いたおよそ12分間のオリジナル作品となっている。
『Succession』の監督・脚本を務めたのが読売テレビ東京ドラマ部・福田氏。福田監督はドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』『オクトー』『ブラックファミリア~新堂家の復讐』など、オリジナルの脚本で人気を博したドラマをプロデュース。また、自身が脚本・監督した短編映画『変わらない。変われない。それでも、』が「ニース国際映画祭2023」において「最優秀外国短編映画作品賞(Best Short Foreign Language Film | Nice IFF 2023)」を受賞している。
そんな福田監督にショートムービーの監督・脚本のオファーされたことについて尋ねると、「ヒロアカ10周年記念映像の監督・脚本の話をいただいた時は、かなりプレッシャーを感じました。多くのファンの人に楽しんでもらうために、下手な作品はできないのでテーマや内容について何度もプロットも作りました。ただ、作品を作るにあたってやっぱり大きかったのは9歳と0歳の息子の存在でした。次男はヒロアカと共に育った10年。今年産まれた三男はヒロアカとこれから歩む。そんな2人を見てる時に『これなんちゃうかな』っていうのが出てきましたね」と振り返った。
自身のリアルな部分が反映された作品であり、連載初期からヒロアカを読んでいたからこそ主人公・デクの要素も取り入れたという。「デクが連載10年たって、やっとヒーローとして独り立ちして戦ってる気がします。デクの印象はヒーローゆえの孤独やヒーローゆえの挫折というものを、ずっと描いてるような主人公像でした。でも結果それがあったからこそ、いまヒーローとしてやれてるし、周りの人を助けたいって思えるのではないかと思いました。実は過去に9歳の息子がすごいつらい経験をしたのですが、それを乗り越えて0歳の弟に対して優しかったり、周囲に対して笑顔を見せている姿を見てデクと息子がリンクしました。だからこそプレッシャーはありましたが、いいタイミングで中田プロデューサーから話をもらえたなって思います」と縁を感じたと明かした。
脚本を進めるにあたり、内容についてプロデューサーと何度も話し合ったという。「撮影まで1か月しかない中、自分の考えを詰めた脚本を作ったのですが、それが『ちょっと重すぎるから変えて欲しい』という言われた時は時間もない焦りもあってイラっとしました(笑)。なんとなく作るということもできますが、それでは良くないと考えていました。なぜかというと読売テレビとしてこういった形のショートドラマは初めての試みでした。そして僕のヒーローアカデミアという大きな冠もあります。だからこそやる以上は自分を全部さらけ出す覚悟で脚本作りました。だからそれがダメっと言われた時にちょっと怒りました。でもそれがあったからこそ今回より良い作品になったと思います」と完成までの裏側についても言及。
「読売テレビとしてドラマを企画した中田プロデューサーがいる。そして脚本演出を読売テレビでやれる人間がいるんだぞっていうのを見せたいっていうのはめちゃくちゃありましたね。あと、作品のファンだけでなく、ヒロアカは知らないけどこのショートドラマ単体として楽しいと思ってもらえるように、ヒロアカのドラマということだけでは収まらない形することも意識しました」と作品への情熱も見せた。
作品の主人公でもある兄・ハルトを演じたのは2人の実力派10代俳優。成長したハルトを城桧吏、そして中学生のハルトを、柊木陽太が演じている。キャスティングついても「キャスティングは自分のドラマの経験も含めて、かねてから大ファンだった城桧吏くんと柊木陽太くんという2人の才能に出演をしてもらえました。撮影は1日だけだったのですが2人ともとにかく役の呑み込みが早く、タイトなスケジュールの中、瞬時にそのシーンに寄り添った素晴らしいお芝居をして頂きました。また城くんに関しては9個下の弟がいて、作品に共感をしてくれていました」と作品とリアルが偶然つながったようだ。
さらに、「作品の冒頭に0歳の子どもがいるのですが、あれ僕の子どもです。0歳の子役を出すこともできたのですが、なぜ自分の子どもを出したかというと現場に自分の子を連れて演技指導をしていると、役者に僕の本気度が伝わると思いました。実は今回撮影が1日しかなかったので、連ドラや映画のように役をつかんでもらうための時間が設けられませんでした。そしてリハーサルもやらず1発初日ドンでスタート。そんな難しい環境の中で、どうしたら良いのかを考えた結果、『自分はこれぐらい本気なんだ』とさらけ出すために0歳の息子を冒頭に出演させました」と秘話も紹介した。
今回のドラマは、集英社の協力のもと、読売テレビのYouTubeだけではなく、集英社の公式YouTubeチャンネルでも動画を見ることができる。福田監督は「やっぱり1人でも多くの人に届いてほしいってのありますが、僕自身は堀越先生にどう思ってもらえるかっていうのが何よりです。自分も息子も10年間ヒロアカをも面白く読ませてもらっていたので、そこに対してお礼状だと思っています。そこが受け取っていただけたらうれしいなと思います」と作者の堀越耕平氏への想いものぞかせた。
そして、「家族がヒロアカに本当にお世話になりました。お世話になっていた作品に対してドラマの脚本・監督の話をもらえたことに縁を感じています。見てもらった方にも『ヒロアカに10年間支えてもらえたな』と感じてもらえたらうれしいです」と思いを込めた。
記事提供:読みテレ(https://www.yomitv.jp/)