堀田真由、正義とは「覚悟と責任を持って生きていくこと」 弁護士役で専門用語に苦労する場面も
TBS系日曜劇場『アンチヒーロー』に出演している俳優の堀田真由がリモート取材に応じ、自身が思う“正義感”や撮影現場での様子などを明かした。
明墨法律事務所で働く弁護士・紫ノ宮飛鳥を演じている
TBS系日曜劇場『アンチヒーロー』に出演している俳優の堀田真由がリモート取材に応じ、自身が思う“正義感”や撮影現場での様子などを明かした。
本作は「弁護士ドラマ」という枠組みを超え、長谷川博己演じる“アンチ”な弁護士・明墨正樹を通して、視聴者に“正義とは果たして何なのか?”“世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?”を問いかける前代未聞の逆転パラドックスエンターテインメント。スピーディーな展開で常識が次々と覆されていく。
毎話放送後はXでトレンド入りするなど話題を呼んでいる。堀田は藤木直人演じる刑事部長・倉田功の娘で明墨と同じ明墨法律事務所で働く弁護士・紫ノ宮飛鳥を演じている。同僚弁護士役には北村匠海、パラリーガル役には大島優子が出演している。
以下、インタビュー内容。
――本作に出演したことで挑戦だと感じたことや得たものはありますか。
堀田「視聴者のみなさんからもすごく反響をいただいているのですが、バイクに乗るシーンは挑戦でした。バイクを乗るシーンは彼女の性格を表す1つでもあると思うのですが、バイクの免許は前々から持ってはいたものの、お芝居の中では挑戦したことがなかったので、自分の持っているものを活かせるチャンスをくださったことがすごくうれしかったです。
近年は時代劇で芯の通った力強い役などはいくつか演じてきたのですが、社会人の役でかっこいい自立した女性は演じたことがなかったので、そこも新たな挑戦でもありました」
――今回の役柄で難しいなと思うようなところはありますか。
「専門用語は自分になじむようになるまですごく苦労しました。わからない言葉は調べて意味を理解すると、そういうことかってスッと入ってくるものもあったりします。ただ、それを理解しても、口が言い慣れていないので、そこを慣らすというのはすごく大変でした。紫ノ宮という人間は完璧主義ですごく努力をしている人。信念があってそれを貫くかっこいい女性なので、自分の中でも紫ノ宮と同居していけるようにセリフは何度も練習して、1日に何回しか間違えないというルールを自分の中で決めながらやっています」
――1番難しかった言葉は。
「薬品の名前や弁護人請求証拠とかですかね。カッコよくスピーディーに伝えたいのですが、言い慣れていない言葉なのでなかなか難しかったです」
――撮影現場での面白いエピソードがあったらお聞かせください。
「4話で赤峰くんとラーメンを食べるシーンで、替え玉をする人は(麺を器に)入れるときにちょっと笑顔になる。というか、幸せみたいなのがあるみたいで。私は普段はあんまり替え玉までたどり着けないのですが、紫ノ宮のギャップが出たシーンになったんじゃないかなと思います」
――長谷川さんの芝居を間近で見て改めてどんなことを感じていますか。
「8年前にご一緒させていただいていて、そのとき私は10代だったんです。その作品ではたくさん絡むシーンがあったわけではなかったのですが、撮影以外でもずっと話しかけてくださったことを、今でもえています。長谷川さん自体はすごく柔らかくて、本当にチャーミングな方なのですが、役のスイッチが入ると、長谷川さんにしかできない明墨という役で本当に迫力があり、絶対に妥協をせず、どのシーンでも納得のいくものを出されている姿を見ます。自分と常に戦ってらっしゃる姿を見せてくださり、私たちのお芝居も引き上げてくださるので、本当に事務所の先生と後輩のように食らいついていかなければと思っています」
――北村匠海さん演じる赤峰との“バディー感”についてはいかがでしょうか。
「4話のオフィスで私が過去のことを打ち明けていくシーンは2人でどういう風にしようかと話しました。自分の父のことを話すシーンだったので、気持ちがどんどん落ちてしまいそうになる中で、北村さんが『こういうお芝居のときは受け取る側の人がすごく重要だから、僕が頑張ります』とサラッと仰ってくださいました。そのときにやっぱりお芝居は人と人とのキャッチボールなんだなっていうことを改めて感じました」
――藤木直人さんとの共演シーンについてはどうですか。
「初めてお会いしたのは第5話、ひさびさに実家に戻ってきて、父とお惣菜を食べているシーンでした。紫ノ宮も父と会っていない時間がある中で、コミュニケーションを取りすぎていたら出せなかった空気感だったと思うと、(そのシーンが)始初めましてでよかったかなと思います。普段の藤木さんはプライベートなお話をしてくださったり、あとオールスター感謝祭の前にはお父さんのように『頑張ってね』とおっしゃってくださり、劇中ではバチバチしていますけど、普段はとても優しい方です」
――弁護士、検察や警察側も歪んでいるような物語が描かれる。“正義”とは一体何なのか考えさせられるような内容だが、紫ノ宮が思う正義とはどのようなものでしょうか。
「正義ってとても難しい言葉だなと思います。悪でもその中に正義があったり、正義という言葉を掲げれば、成立してしまうのも怖さだなと思います。ある本に書かれていたのですがんですけど、正義の“正”しいという字は、一に止まると書くので一度立ち止まることなんだと。本当にそうだなと思っていて。何も考えずに突き進んで、それが正しいと思って進んでしまうと、本当に誰かを傷つけてしまっていることにもなるかもしれない。一度立ち止まって、他人の人生ではない、自分の人生として、ちゃんと覚悟と責任を持って生きていくということが、紫ノ宮というか私自身の正義だなと思います」