来年6月7日に公開される映画『あんのこと』の完成披露舞台あいさつが8日、都内のイイノホールで行われ、主演を務めた河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎、メガホンを取った入江悠監督が本作にまつわるエピソードを披露した。

　本作は、2020年6月に新聞に掲載された「少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て描く、実話をもとにした衝撃の人間ドラマ。ドラマ『不適切にもほどがある！』で大注目の若手俳優・河合が主演を務め、機能不全の家庭に生まれ虐待の末にドラッグに溺れる少女・杏という難しい役を演じた。

　主要キャストとなる佐藤は、ドラッグに溺れていた杏を救おうとする人情味あふれる型破りな刑事・多々羅保役。また同じく主要キャストの稲垣は、多々羅と親交がありつつも彼の裏の顔を暴こうとする、正義感と友情に揺れるジャーナリスト・桐野達樹を演じた。

　稲垣は、実話がベースとなった今作のオファーについて、「シナリオをいただいた時には、胸が張り裂けそうな思いで衝撃ですよね」とコメント。撮影を振り返り、「杏ちゃんの心の声、心の叫びを届けたいという思いで演じた。杏ちゃんのことなんですけど、僕らにでも起こりえること。急に絶望に陥ってしまうことが、人間はあるんじゃないかと。そうなった時に、救ってあげられる安心できる社会、手を差し伸べてあげられるような世の中を作っていかなければならないとつくづく感じました」と思いを伝えた。

　ストーリーにちなんで「人生を変えた出会い」に関するエピソードトークでは、稲垣は「中学2年生からこの業界にいて。結局、ずっとやってきたメンバー。グループは解散してますけど」とSMAPへの思いを吐露。「今は草彅（剛）さん、香取（慎吾）さんとはやっているので、これはすごいことだと思っている。30年以上ですから」と語り、「今は新しい地図としてやっていて、コンサート、ファンミーティングのツアー中。デビュー当時から来てくださる方とか、親子三大で来てくれている。それはすごくあたたかいなと感じますよね」と感謝していた。