【ALL TOGETHER】新世代対決は清宮海斗が締めるも…待っていたのはまさかのバッドエンド
プロレス界初の業界団体「日本プロレスリング連盟 United Japan Pro-wrestling (UJPW)」の発足を記念したオールスター戦『ALL TOGETHER』が、5月6日、日本武道館で開催された。今大会は令和6年能登半島地震の復興へ向けたチャリティ大会でもあり、新日本プロレス、プロレスリング・ノア、DDTプロレスリング、大日本プロレス、DRAGONGATE、スターダムの6団体が参加。本大会ならではの全8試合がラインナップされた。
TAKESHITA、シュンが存在感を見せつけるもチームは惜敗
プロレス界初の業界団体「日本プロレスリング連盟 United Japan Pro-wrestling (UJPW)」の発足を記念したオールスター戦『ALL TOGETHER』が、5月6日、日本武道館で開催された。今大会は令和6年能登半島地震の復興へ向けたチャリティ大会でもあり、新日本プロレス、プロレスリング・ノア、DDTプロレスリング、大日本プロレス、DRAGONGATE、スターダムの6団体が参加。本大会ならではの全8試合がラインナップされた。
メインイベント(第8試合)には、各団体の新世代のエースと呼ばれる選手たちが勢ぞろい。次期IWGP世界ヘビー級王座挑戦者である海野翔太(新日本)、現GHCヘビー級王者・清宮海斗(ノア)、現KO-D無差別級王者・上野勇希(DDT)がトリオを結成。対峙するのは現KOPW2024保持者・上村優也(新日本)、AEW&DDTダブル所属にしてKO-D無差別級王座を5回戴冠しているKONOSUKE TAKESHITA、元オープン・ザ・ドリームゲート王者シュン・スカイウォーカー(DG)というトリオ。全員が90年代中盤生まれの27~29歳とあって、同世代同士のライバル関係にも注目が集まっていた。
入場順は上村、シュン、TAKESHITA、上野、海野、清宮の順。ゴング前に海野がTAKESHITAを挑発、二人が先発しファーストコンタクトとなった。TAKESHITAはAEWで現IWGP世界ヘビー級王者ジョン・モクスリーへ挑戦をアピールしていることもあり、団体を超えた争いに発展する可能性もありそうだ。
続いて、清宮とシュン、上野と上村のマッチアップに。どの組み合わせも団体の“顔”同志の対決となるため、意地と意地の応酬が続く。その中でTAKESHITAが上野に場外で垂直落下式ブレーンバスターを発射! 一気に上野が体力を奪われてしまう。その後もTAKESHITAの非情な攻撃が続き、上野が捕まる展開に。タッチを受けたシュンが独特の世界観を見せつけるも、上野がなんとかピンチを脱出し、海野にタッチ。海野が一気に流れを変え、今度はシュンが捕まる展開に。しかしTAKESHITAが出てくると雰囲気は一変。12年前、エル・ジェネリコ(現サミ・ゼイン)相手に同所でデビューしたTAKESHITAが、エルボーの衝撃音だけで武道館のオーディエンスを驚愕させる。
そのTAKESHITAに対抗したのは、高校の同級生でもある上野。フランケンシュタイナーからトルニージョでTAKESHITAを追い込み、リバウンド式カナディアンデストロイヤーを発射!しかしTAKESHITAはムーンサルトアタックを受け止め、旋回式ブルーサンダーボムで逆転!その後は海野と清宮がペースを変えようとするも、シュンが流れを渡さない。そして乱戦の中、TAKESHITAがワガママ(前名ザーヒー)を発射し、シュンも抜群のインサイドワークでペースを渡さない。その流れを受けた上村が清宮を攻め立てるも、海野がシュンを、上野がTAKESHITAを止め、海野・清宮・上野が三方向から上村にトリプルミサイルキックを発射!そして清宮が変形シャイニング・ウィザードで上村を沈めた(23分18秒、片エビ固め)。
試合後、清宮がマイクで出場選手にリングに上がるようオーダーし「プロレスには何度でも立ち上がるパワーがあると思っています。ここにいるみんなでプロレス界を救っていこうぜー!」で締めた。
選手が控室に戻り、清宮が余韻に浸っていたところで、BULLET CLUB WAR DOGSのデビッド・フィンレー、ゲイブ・キッド、ドリラ・モロニーが乱入し清宮を暴行。ゲイブはとても和訳できないような汚い言葉を吐きながら「翔太でもない! 辻でもない! 上村でもない! TAKESHITAでもない! 俺こそがベストだ! 次は俺だ!」とまくしたて、GHCヘビー級のベルトを持ち去るなどやりたい放題。多くの団体が集った夢の空間は、誰もが予想しないバッドエンドとなった。
新世代6選手、それぞれの思いが交錯する
バックステージでの各選手のコメントは以下の通り。
上野「日本プロレス連盟という、プロレス界が力を合わせて盛り上げるぞという『ALL TOGETHER』、プロレスで元気を与えるために戦い続けます、立ち上がり続けます。僕は今、DDTのKO-D無差別級のチャンピオンです。DDTのトップとして、プロレスの可能性、もっと見せます。海斗も、翔太も、今日出てくれたみんなも、プロレスに携わっている全員が、元気に満ち溢れています。僕たちはこれからも戦い続けます。オモロいこと、し続けます。みんなプロレスを愛していきましょう。僕は愛しています。ありがとう」
清宮「オイ、ふざけんな、ゲイブ! テメー、やりてえんだったらやってやるよ!やりてえんだったらNOAH来てみろよ!やってやるよ!」
※ここで拳王が現れ、清宮に肩を貸し海野を見ながら「清宮、清宮。大丈夫か、行くぞ」
海野「『ALL TOGETHER』は能登半島震災のチャリティ興行でもあるけど、俺は1人のレスラーなんだよ。新日本プロレスの代表の、メインイベントのレスラーなんだよ。海斗もGHCヘビー持って、勇希もKO-Dチャンピオンで、俺は丸腰だよ。タイトルも獲ったことねえ、チャンピオンでもねえ、何の実績もねえ。シュン・スカイウォーカーが言っていた一番格下かもしんねえ。見ただろ、今日の景色。これが現実だよ。これが今の俺の全てだよ。でもな、悔しいけど、何も劣っていることはねえよ。実績でも負けてねえよ。実力でも負けてねえよ。負けてたまるか! 新日本の代表のレスラーなんだ、俺は。5月11日に行われるアメリカ大会、IWGP世界ヘビー級チャンピオンになって『ALL TOGETHER』に帰ってきてやる」
TAKESHITA「対戦相手の3人、俺の味方の今日の2人、5人。いや、俺たち世代の今日試合出てないヤツも全員に言わせてもらうぞ。オイ、お前ら一番になりたいんやろ? 今日は『ALL TOGETHER』、みんなで力を合わせて能登半島の人たちに勇気を与えよう、それはもちろん俺たちプロレスラーの使命だと思う。でも、仲良しこよしでは新しい時代なんか、作られへんねん。俺だって一番になりたいよ。なあ、もっと俺たち仲良しこよしでやるんじゃなくて、ギラギラ、ビシビシやっていこうぜ。『ALL TOGETHER』、今日で終わりじゃないやろ? 俺はいつでもアメリカからこの日本に戻ってくるつもり。誰でもいい。俺とシングルマッチでやる勇気があるヤツは名乗り出ろ」
シュン「竹下幸之介、見せてもらったよ、彼の凄さ。間違いなく、このリングで一番だったんじゃないか? 6人、いや今の日本のプロレス界で最も高い活躍、闘いを見せたと言っても過言じゃない。でも、それがなぜか疑問に思う。その疑問に俺が答えるよ。なぜかと言えば、俺が目指していたのはこの3人でのチームでの勝利だ。3人で一丸となってのチームの勝利だよ。棚橋弘至新日本社長は言っていた。このメインイベントは6人の中で、誰が一番目立つかってね。俺はそんなこと、正しいと思わないよ。そんなのは詭弁に過ぎないよ。その疑問の答えはそこですよ。だから俺は竹下幸之介と1vs1でやる必要があるんだよ。こんなチームでやるのも別に構わない。それが被災地復興になるんだったら、支援になるんだったら俺は善人だからね、心からいい人だから、そこに否定はしない。ネクストは竹下幸之介vsシュン・スカイウォーカー、それしかないだろう。そこで勝ったヤツが一番強いんだよ!」
上村「今、レスリング団体が世界にごまんとある中で、常に新日本プロレスがトップであり続けねえといけねえんだよ。なのに、俺は今日、他団体の清宮に負けちまった。別に俺は他団体のことをとやかく言わないし、凄いヤツは凄い。ここで勝たないとこの(KOPWの)ベルトが輝かねえんだよ! 次、清宮、上野、そして海野、TAKESHITA、シュン、もう1回やらせろ。シングルでそれぞれに勝ってやる! 勝つまで終わらねえ! 今日負けちゃったのは悔しいけど、これが今の現実だ」