吉田鋼太郎、蜷川幸雄さんからバトン引き継ぎ『ハムレット』上演「重大な責任と重圧感じる」

俳優の吉田鋼太郎が6日、埼玉県の彩の国さいたま芸術劇場大ホールで行われた舞台『ハムレット』ゲネプロ取材会に出席。今作の主演を務める柿澤勇人と『彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd』第一作への思いを語った。

ゲネプロ取材会に出席した吉田鋼太郎【写真:ENCOUNT編集部】
ゲネプロ取材会に出席した吉田鋼太郎【写真:ENCOUNT編集部】

彩の国さいたま芸術劇場大ホールで7日から26日まで上演

 俳優の吉田鋼太郎が6日、埼玉県の彩の国さいたま芸術劇場大ホールで行われた舞台『ハムレット』ゲネプロ取材会に出席。今作の主演を務める柿澤勇人と『彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd』第一作への思いを語った。

 蜷川幸雄さんのもとでシェイクスピアの全37戯曲を完全上演することを目指し、1998年のスタート以来、国内外に次々と話題作を発表してきた『彩の国シェイクスピア・シリーズ』。シリーズ完結間近でこの世を去った蜷川さんから芸術監督のバトンを引き継いだ吉田は、17年から残された5作品を見事に上演し、23年2月に『ジョン王』をもってシリーズを完結させた。シェイクスピア作品を長年愛し続けてきた吉田ならではの解釈と、エンターテインメント性を意識した演出で高い評価を得た吉田のもとには、新たなシリーズを望む声が多く寄せられ、7日からシェイクスピア不滅の金字塔『ハムレット』が幕を開ける。

 芸術監督、演出・上演台本を担当し、クローディアス役で出演する吉田は、公開初日の心境を聞かれ「ドキドキとワクワクです」と一言。主役のハムレットを演じる柿澤も「ワクワクとドキドキです」と続き、2人で笑顔を見せた。

 リニューアルした劇場で新しいシリーズがスタートすることについては、「23年、24年くらい立たせてもらっていて、思い入れはひとしお。ここで、また一からシェイクスピアを始める。また20年、30年、月日をかけてやっていくとすれば、これからの長さ、重さというのは感じています」とコメント。「あと30年やっていくとしたら、僕は95歳くらい。そうすると、僕はもういないかもしれない。誰かにバトンを渡して続けていってほしいと思っています。今、スタートにあたって、重大な責任と重圧を感じています。それは、いい重大な責任であり重圧だと思いますが、今まで感じたことがないワクワク感はあります」と思いを語った。

 上演へ向けては、「約3時間40分の上演時間。いわゆるミュージカル、おもしろおかしい喜劇でもない。全編、重苦しい空気が流れております。ハムレットが最後に亡くなるまで、壮大な心の旅をしている。その工程を辿っていけたらと思います」とメッセージ。「みなさんにも『見てやろう』という意気込み、気概を持って劇場に足を運んでもらいたい。お客さんと勝負と言ったらおかしいですけど、そういう緊張感を持ちながら、一緒にこの空間にいられたらいいなと思っています。その空気を体験しに劇場まで来てください」と熱弁していた。

『彩の国シェイクスピア・シリーズ 2nd Vol.1 ハムレット』は、彩の国さいたま芸術劇場大ホールで7日から26日まで上演。宮城、愛知、福岡、大阪とツアー公演も開催される。

次のページへ (2/2) 【写真】吉田鋼太郎&柿澤勇人の全身ショット
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