「アングラ演劇の旗手」劇作家の唐十郎さん、84歳で死去 長男・大鶴義丹「芝居に愛された最高に幸せな人生」
「アングラ演劇の旗手」と称された劇作家の唐十郎(から・じゅうろう、本名・大鶴義英=おおつる・よしひで)さんが4日、東京・中野区の病院で死去した。唐さんが主宰する劇団唐組が5日朝、「5月4日21時01分に急性硬膜下血腫で永眠致しました」と発表した。唐さんは84歳だった。
死因は急性硬膜下血腫
「アングラ演劇の旗手」と称された劇作家の唐十郎(から・じゅうろう、本名・大鶴義英=おおつる・よしひで)さんが4日、東京・中野区の病院で死去した。唐さんが主宰する劇団唐組が5日朝、「5月4日21時01分に急性硬膜下血腫で永眠致しました」と発表した。唐さんは84歳だった。
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「5月1日午前中に自宅で転倒し、中野区内病院に緊急搬送されました。享年84才でした。ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます。なお、通夜、葬儀は近親者のみで執り行う予定で、日程などはまだ未定です」
唐さんは、1940年2月11日、東京・下谷万年町で生まれ育った。明治大文学部演劇学科卒で、63年に「シチュエーションの会」(64年に劇団「状況劇場」に改名)を結成。同劇場では根津甚八、小林薫、佐野史郎ら多くの俳優を輩出した。また、67年新宿花園神社の境内で紅テントを建てた公演『腰巻お仙 -義理人情いろはにほへと篇』を上演。大きな話題になった。その後も作品の内容について、地元商店連合会などから「公序良俗に反する」として地元商店連合会などから排斥運動が起こり、神社総代会から68年6月以降の神社境内の使用禁止が通告される事態になった。
その後、状況劇場は紅テントをゲリラ的に建てて数々の芝居を上演した。『泥人魚』『少女仮面』『唐版・風の又三郎』など代表作多数。多くの演劇関係者が影響を受けたことでも知られいる。
プライベートでは、状況劇場の看板俳優だった李麗仙さん(享年79)と67年に結婚。翌68年に長男で俳優の大鶴義丹をもうけたが、88年に離婚している。訃報を受け、大鶴は所属事務所を通じて「私がまだ十代だったとき、いつも父は、三度の飯のように芝居をし続けたいと言っていました。最後まで芝居を愛して、芝居に愛された、最高に幸せな人生だったと思います」とコメントした。