R-1王者野田クリスタル ゲームからお笑い盛り上げる奇才クリエーター
お笑いコンビ「マヂカルラブリー」のボケ担当で、自作したゲームをプレイするネタを披露して2020年「R-1ぐらんぷり」チャンピオンに輝いた野田クリスタル。ゲームを愛するあまり、プログラミングを独学で習得し自らゲーム作りにも精を出している。自作ゲームシリーズは“野田ゲー”と呼ばれ、今も制作に打ち込んでいるという。芸人・野田クリスタルの“ゲームクリエーター”としての一面に迫った。
お笑い芸人でゲームクリエーター、野田クリスタルのゲーム愛
お笑いコンビ「マヂカルラブリー」のボケ担当で、自作したゲームをプレイするネタを披露して2020年「R-1ぐらんぷり」チャンピオンに輝いた野田クリスタル。ゲームを愛するあまり、プログラミングを独学で習得し自らゲーム作りにも精を出している。自作ゲームシリーズは“野田ゲー”と呼ばれ、今も制作に打ち込んでいるという。芸人・野田クリスタルの“ゲームクリエーター”としての一面に迫った。
25歳人気女優のクルマ愛…免許はマニュアル取得、愛車はSUV(JAF Mate Onlineへ)
――「R-1」では自作のゲームをプレイするというネタで優勝しましたが、ゲームのプログラミングを学ぶことになったきっかけを教えてください。
「異常にゲームを作りたかったんですよね。初めて見るゲームをゼロから作りたかった。ネットで調べたら、HSP(Hot Soup Processor)というプログラミングを見つけて。それは本気を出したら小学生でもいけるようなもので、僕は一応小学校は行ったので、本気を出したら作れました。初めてプログラミングを触ったのは7年くらい前。でも、ちゃんとやり始めたのは4、5年前ですね」
――プログラミングというと難しい印象があるのですが……。一番苦労されたことは何ですか?
「高校から吉本に入っていたので、あまり学校に行っていなくて。勉強も全然できていないけど、三角関数がたまに必要になるんです。『三角関数ってなんなんだ』って、大人になって一応見てみるけど、わからない。そこで教師の偉大さがわかるわけです。あそこで学ぶべきだったんだって。未だに三角関数を使えていないというのはあります。
三角関数をどうしても使いたくて挑戦はしたんですけど、だめでした(笑)。アクションゲームでのジャンプの軌道は三角関数を使うんです。僕にはさっぱりわからないので、野田ゲーではジャンプ“風”に動いています。でも、作りたいゲームを作っている最中というのは、パズルをやっているみたい。全プログラマーが楽しいと思っています」
――ゲームを制作する過程で一番のやりがいはどこにあるのでしょう。
「まず画像をそろえる。そして、とりあえずプログラミングの原稿を書いてみる。そのあとに、バグ取りをしながら、アイテムとかがあるならたくさん出していく。僕はプログラミングを書いてみるという作業が一番楽しいですし、本当に夢中になります。僕が一番初めに作ったゲームは、選択肢が2つあるRPG。『街へ出る』とか『外へ出る』とかを選んで進めていくものだったんですけど、人が遊んでくれることに感動しました」
――プログラミングを勉強したあとに他のゲームをプレイすると違った楽しみがあるものですか?
「これはもう本当に全くなくって(笑)。僕は格闘ゲームとシューティングゲームをよくやるんですけど、異次元ですよね。ゲームの中に現実世界を作っちゃってる。三角関数どころじゃなくって、空気抵抗とかもたぶん計算に入っている。重力もあるし、物理演算もあるから……。もう僕にはわからないです。そこまでは僕の脳では無理なので、誰かに任せます(笑)
『FF7(ファイナルファンタジーⅦ)』リメイクの体験版をやったときは、最初のタイトル画面で震えてコントローラーを落としましたもん(笑)。かっこよすぎたなあ。リメイクは古参の楽しみ方とも言われてしまいますけど、新規の人も楽しめると思います」
――今まで作った作品で、一番の自信作を教えてください。
「デッカチャンさん(元吉本芸人)の『ブロックくずして』は僕は大好きですね(笑)。思い入れがあるんですよ。結構初期に作ったゲームで、なんやかんや盛り上がる。ブロック崩しそのものは、ネット上にソースコードが結構落ちていて、それをコピーすればできたりするんです。当時、ブロック崩しを作る技術がなくって、まんま貼ったわけですよ。でもこれだけでやっても仕方ないからと付け加えたのがデッカチャン。本当にあんなに初期に作ったゲームが今でも……と思っています」