“世界のレフェリー”&幼保園総園長の島田裕二が激白! 高田×ヒクソン戦2日前の軟禁事件

タイガーマスクから贈られたマスクと手紙
タイガーマスクから贈られたマスクと手紙

グレイシーが突いてくる契約書の「行間」

――質問責め!!

島田 「過去にどんなレフェリー経験がある?」から始まって、「もし試合中にこの体勢になった場合はどうする?」とか「レフェリーの止めるタイミングは?」って延々と質問責めにされたから。もちろんあの段階では最先端のルールだったんだろうけど、契約書に書かれていない部分の行間ていうのかな。そこを突いてくるから。

――行間を。

島田 だから、こっちも屈辱的だったけど、今思えばあの時にあれだけのグレイシーレクチャーを受けて良かったなと思うね。

――グレイシーレクチャー(笑)。

島田 それから数年後には、高田×ホイス戦(2000年1月30日、東京ドーム)の前に、ホイスの兄のホリオンからもグレイシーレクチャーを受けているからね(苦笑)。 

――そこでもグレイシーの洗礼を。

島田 ホントだよ。ホント合計何十時間も受けているから(苦笑)。

――わかりました。ところで、少し話がハズれますけど、春頃にタイガーマスクから1000枚以上のマスクが寄付されたと聞きました。

島田 その話はね。3月だったかな。全然マスクが手に入らないってことをSNSで発信していたら(3月27日に)ある方がビルの下で待っていてくれて。

――渡された紙袋に1000枚以上のマスクと手紙が入っていたと。

島田 伊達直人(劇画に出てくるタイガーマスクの正体)さんからいただきましたよ。

――もちろんプロレスファンの方ですよね。

島田 プロレスファンですね。ホントありがたい。実はその方だけじゃなくて、他にも多くの方からマスクをいただいていたんですけど、その方だけは匿名でキチンと挨拶ができなかったから、知り合いの記者に話をしたらニュースとして取り上げてくれて。そこから数珠つなぎで話題になりましたね。

――そういう流れだったんですね。

島田 その件があって、ほとんどは「善意の人がいてくれて良かったですね」っていう好意的な反応だったんだけど、その中で「あれ、作り話でしょ?」って連絡してきたのが業界関係者ばっかりだったっていう(笑)。 

――さすがですね、業界人は(笑)。

島田 ちょっと寂しくなりました(笑)。そうやって斜めから見るのが彼らの仕事なんで面白かったけどね。

――島田さんを含め、熱かった時代の業界に関わった方々は、絶対に今の業界に足りないものを持っているはずなので、また随時、話を聞かせてください! 

島田 そうは思うんだけど、昔は週7日動いていても全く疑問を感じなかったのに、もう土日休みの生活に慣れてしまったから、そこは休みたいなと思うね。大晦日にしても「紅白見ようよ!」って思うもんなー。

――あら。

島田 だけど、こうやって格闘技で生きてきて、そこから得た人脈でこういう仕事にも就かせてもらったわけだから、将来的にですけど、選手の育成のお手伝いはしたいなと思っているので、何かの形で恩返しはしたいなと思っていますよね。

□島田裕二(しまだ・ゆうじ)1966年11月24日、広島県福山市生まれ。92年に藤原組でレフェリーデビュー。石川雄規らと格闘探偵団バトラーツを旗揚げ。その後、PRIDEで高田延彦VSヒクソン・グレイシー、桜庭和志VSホイス・グレイシーなどの大一番を裁く。「島田二等兵」としてハッスルでも活躍。現在は0~5歳児対象のコンパス幼保園市川校・船橋校で総園長(キャプテン)を務める。

次のページへ (3/3) 【動画】「高田延彦×ヒクソン戦とグレイシーレクチャー」“世界のレフェリー"島田裕二を直撃!
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください