吉沢亮、後輩からアドバイスを求められることは“ない”「頼られていないのかも」
2022年10月期に放送された俳優・吉沢亮主演の月9ドラマ『PICU 小児集中治療室』がスペシャルドラマ『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』として帰ってくる。放送を前に吉沢が囲み取材に応じ、作品への思いや“先輩”としての立場について語った。
連ドラ放送後から続編を望む声も多かった
2022年10月期に放送された俳優・吉沢亮主演の月9ドラマ『PICU 小児集中治療室』がスペシャルドラマ『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』として帰ってくる。放送を前に吉沢が囲み取材に応じ、作品への思いや“先輩”としての立場について語った。
本作は北海道のPICUを舞台に、しこちゃん先生こと駆け出しの小児科医・志子田武四郎(しこた・たけしろう/吉沢)が幼い命を救うために奮闘しながら、医師として、人間として成長していく姿を描いたメディカル・ヒューマンドラマ。続編を待望する声も上がる中で、約1年半ぶりにスペシャルドラマとして帰ってくる。
「純粋にうれしかったです。役者もスタッフのみなさんもすてきで居心地の良い現場だったので、またお会いできるということがうれしかったですね。いい意味で、変わらず笑いの絶えない現場で幸せでした。連ドラの撮影中は、ちょうどコロナ禍でごはんに行く機会がなかったのですが、今回は安田(顕)さんと北海道ロケのときに、お酒を飲みながらおすしを食べてお話ししたのが楽しかったです」
連ドラ放送後から続編を望む声も多く、放送を待ちきれないファンも多い本作。吉沢は、家のシーンを撮っているときに「帰ってきたな」と実感したと話す。
「連ドラのときとは撮っている場所が違うんですけど、家のセットに入って『ここ通っていたな』って導線を思い出して、役にもスっと戻れていたような気がします」
また、母親役の大竹しのぶとのシーンも印象的で「大竹さんとお芝居をすると、僕を“息子”にしてくれるんです。放っているオーラがあたたかい方なので、こちらも遠慮せずにいけます。約1年ぶりのお芝居でも、最初からいいテンポ感でやらせてもらったなと思います。今回もグッとくるシーンなんじゃないかな」と手応えを感じている。
SPドラマではしこちゃん先生に初めての後輩が
今回のスペシャルドラマでは、武四郎がPICUに配属されてから約1年後の丘珠病院を舞台に描かれる。
「つらいことが起きてもそこにとらわれすぎずに、PICUの良さが伝わる、笑える部分や生活感のある台本で『変わらず好きだな』と思いました。しこちゃん先生に関しては、『やっぱりこいつ、かわいそうでダサいやつだな』と(笑)。なにか履き違えている感じが愛くるしいですよね。子どもへの愛情も変わっていなかったので、良かったです」
一まわり成長した武四郎をどのように演じるかも注目ポイントの1つだが、「『約1年たったから』ということは意識していなかったです。連ドラのときからあまりお芝居をしないことを意識していて、感じたものをその場で感じているというか。“表現”はせずに、ただその場にいようということを意識していました。連ドラの台本を読んだときから自分に近い部分や共感できる部分があったので、あえて作り込むよりも演じている僕が感じたものをそのまま使ったほうがリアルでいいんじゃないかなと。この作品においては、それが結果的に良かった気がします」と“しこちゃん先生”の役作りを振り返った。
しかし、しこちゃん先生とは「仲良くなれないかも」とも明かす。
「いいやつだとは思うんですけどわがままな人が苦手だし、ほぼ僕の分身なので、あまり好きじゃないかもしれないです(笑)」
そんなしこちゃん先生に、スペシャルドラマでは初めての後輩ができる。
「なにもできなかったころの自分を見ているかのような。でも、そんな後輩とどう接していいのかわからない葛藤もあって。主人公って『ずっと悩んでいるんだな』って思いました。
しこちゃんも、仕事はできるようになっていますね。連ドラの1話では、なにもできずにウロウロしていただけだったのが、今は指示を出す側に。成長はしていると思いますけど、めっちゃ難しかったです! ほぼ一人で手術をするシーンもあって、難しい単語もお医者さんが普段使っている言葉として使わないといけないし。でも、先生たちも丁寧に教えてくださるので心配はなかったです」
一方で“吉沢先輩”については「あんまりアドバイスを求められることがないんですよね。頼られていないのかもしれない」と苦笑い。「求められたら真剣に返答すると思います。でも、嫌なやつだと思われたくないので、上からはいかないようにというのは意識しているかもしれないです」と優しい笑顔で語った。
そんな中でも、自身が“先輩”だと実感する場面もあるようだ。
「前までは学園もので、同世代という枠組みでも自分が一番年下の立場だったのが、今は僕が一番年上なことも多くなってきて『年を取ったな』と思います。だからといって、現場で意識が変わるということはないです」
『PICU』の現場でもたくさんの子役に囲まれているが、あくまで「他の共演者と同じように接していた」と明かした。
「『出身どこですか』とか『学校でなにはやってるんですか』とか。話すときは話して、集中しているときは集中して。子役は泣き芝居も多くて集中しなきゃいけないと思うので、タイミングを見て、他の共演者と同じように接していました」と、“吉沢先輩”らしさが垣間見えた。
子どもと接するドラマへの出演による反響は大きかった。
「友達からも『観てるよ』って、反響がすごくありました。連ドラというものに出させていただくのも久しぶりだったし、ゴールデンの主演は初めてで僕にとっては挑戦的な部分が多かったので、安心しました。今後も続いてくれたらうれしいです。僕にとっての帰る場所みたいな作品になったらいいなと思います」
そして、「一生懸命に命と向き合っている人の生活感を感じていただけたら。それを見てどう思うかは人それぞれだと思うのですが、この作品の根本にある“あたたかみ”は変わっていません。感動していただける内容になっていると思います。たくさんの方に見ていただきたいです」と視聴者にメッセージを送った。