“ネクストブレイク”日向亘の決意「息の長い俳優に」 『GTOリバイバル』で飛躍なるか

反町隆史の代表作ドラマ『GTO』がカンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ『GTOリバイバル』として4月1日(午後9時)に26年ぶりの復活を果たす。当時とは生徒役も様変わりする中で、俳優の日向亘は宇野晴翔役として、反町演じる教師・鬼塚英吉とぶつかり合う。数々の話題作への出演が続く20歳に現状を聞いた。

インタビューに応じた日向亘【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた日向亘【写真:ENCOUNT編集部】

『GTO』で反町隆史と初共演「オーラがかっこよすぎました」

 反町隆史の代表作ドラマ『GTO』がカンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ『GTOリバイバル』として4月1日(午後9時)に26年ぶりの復活を果たす。当時とは生徒役も様変わりする中で、俳優の日向亘は宇野晴翔役として、反町演じる教師・鬼塚英吉とぶつかり合う。数々の話題作への出演が続く20歳に現状を聞いた。(取材・文=中村彰洋)

『GTO』への出演が決まったときの率直な感想は「めちゃくちゃうれしかった」だった。

「26年ぶりに反町さん演じる鬼塚先生が帰ってくるという大切なタイミングに出演させていただけることはとても光栄に思います。僕の両親はリアルタイムで毎週観て、熱狂していたとも聞きました」

 初共演となった反町の印象について、「オーラがあって、かっこよすぎました」と少年のように目を輝かせた。反町と対峙(たいじ)する役どころとなったが、「気迫で負けそうでした。なんなら負けていました」と苦笑いしながらも、「しっかり牙を剥かないといけなかったので、自分を奮い立たせていました」と撮影現場での様子も明かした。

 日向自身も小学生は少年野球、中学生ではバレーボールに真剣に打ち込んできた。今作で演じる宇野は野球少年だったが、ケガで挫折したというバックボーンを持つ。「心に深い傷を負ってしまうことはとても理解できました」とスポーツ少年だったからこその共感もあったようだ。

 日向の芸能界入りのきっかけとなったのは、2019年に開催されたホリプロ主催の「メンズスターオーディション」でのグランプリ受賞。当時14歳の日向にとって、芸能界は縁のない世界だったが、母親と姉がこっそりと応募したことで道が拓かれた。

「今考えると、とても失礼な話ですが、最初は能天気に『塾を1日休めてラッキー』ぐらいの気持ちでした。家族とは、落ちた後に、横浜の赤レンガ倉庫に遊びに行こうと約束していたぐらいです(笑)。でも、オーディションが進んでいく中で、徐々に演技の魅力に引き込まれていくようになりました。ファイナリストの人たちと演技について語り合う中で、『お芝居って楽しい』と思うようになりました。そこからは、役者というものが夢になって、『芸能界に入りたい、グランプリを獲りたい』と強く思うようになりました」

憧れの俳優は事務所の先輩・妻夫木聡

 母親と姉はまさかグランプリを獲るとは思っていなかった。「最初はうれしい反面、『私たちのノリで息子の人生が変わってしまった』と気にしていました。でも、僕はもう『俳優をやりたい!』となっていたので、その姿を見て、安心してくれたみたいです。今は見守ってくれていますし、イベントがあれば、欠かさずに見に来てくれています」。

 中学3年生でのグランプリ受賞。仕事と学業の両立となったが、中でも大きな転機となったのが、高校3年生だった21年に出演した『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)だった。この作品を機に群馬からの上京を決意。一人暮らしもスタートさせた。

「それまでは実家から通ってお仕事をしていたので、習い事の延長みたいな感覚がどこかにありました。責任感みたいなものが、そこまで芽生えていなかったんだと思います。でも、『仮面ライダーリバイス』に出演が決まり、1人暮らしを始めて生活をするようになって、プロとしてお金をもらって仕事をするという感覚が芽生えてきました。そこから、仕事に対する向き合い方も大きく変わりましたし、より一層好きになって、この仕事をずっと続けていきたいと強く感じるようになりました」

 その後も『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(TBS系/23年)や大河ドラマ『どうする家康』(NHK/23年)など数々の話題作に出演。「本当にありがたい限りです。とても恵まれています」と感謝の思いを口にする。

 グランプリ受賞という鳴り物入りでのデビューだったこともあり、背負う期待は大きいが、そのプレッシャーさえもポジティブに捉えている。

「プレッシャーはもちろん感じますが、それで縮こまってしまうとかはありません。好奇心旺盛な性格ということもあって、『こんな大役をやらせてもらえるんだ! めっちゃ楽しみ!』といった気持ちがいつも勝っちゃうんです。そういう性格でラッキーでした(笑)」

 一方で、素顔はまだまだ20歳になったばかりの青年だ。SNSでプライベートを発信することは少ないが、「僕の私生活って純粋に面白くないんですよね」と苦笑い。「本を読んだり、散歩したり、たまに料理を作ったり……。最近は、車の免許を取ったので、カーシェアで友達と出掛けたりとかしています」とリラックス方法を明かす。

 憧れの俳優は事務所の先輩でもある妻夫木聡。『Get Ready!』で共演したことで距離感も縮まり、公私で相談できる関係性になったという。「親身になってお話を聞いてくださったり、僕の作品を見てくださったりもしてくれています。僕の力になってくださることが多くて、本当に感謝しています」。

“ネクストブレイク”の呼び声が高いが、日向自身はまだまだ挑戦の気持ちであふれている。

「医者や刑事、弁護士に父親役……これから挑戦したい役は無数にあります。舞台もまだやったことがないので、やってみたいです。本当にこの仕事が好きですし、長く続けたいと強く思っているので、息の長い俳優になることが1番の目標です。20年後、30年後も変わらずにお仕事を続けていたいです」

□日向亘(ひゅうが・わたる)2004年3月18日、群馬県出身。2019年に「メンズスターオーディション」でグランプリを受賞。翌20年5月に映画とドラマの連動作品『太陽は動かない』で俳優デビューを飾る。その後も21年『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)、23年『Get Ready!』(TBS系)などさまざまな話題作に出演。24年4月1日放送の『GTOリバイバル』(カンテレ・フジテレビ)では宇野晴翔役を務める。また4月19日放送スタートの『JKと六法全書』(テレビ朝日)に渡辺悠役でレギュラー出演する。これまでに1番影響を受けた作品はビートたけし監督の『キッズ・リターン』(1996年)。幼少期の夢は「白バイ隊員」。特技はルービックキューブ。

スタイリング:五十嵐堂寿/Takahisa Igarashi

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