『全裸監督2』での型破りなヒロイン役から3年、25歳恒松祐里「『清純派もできるぞ』と印象づけたい」

2021年、Netflixドラマ『全裸監督 season2』で妖艶なヒロインで注目された恒松祐里(25)。子役から20年近く「俳優一筋」で歩んできた彼女が、今月31日に開幕の舞台『ハザカイキ』(東京・THEATER MILANO-Za)でヒロインを演じる。初日間近、本人がENCOUNTに同作への思い、未経験の意外な役柄などを語った。

『全裸監督』での活躍が印象に残るが、芸能界でのキャリアは20年近くにおよぶ【写真:北野翔也】
『全裸監督』での活躍が印象に残るが、芸能界でのキャリアは20年近くにおよぶ【写真:北野翔也】

舞台『ハザカイキ』でスキャンダルに直面するタレント役

 2021年、Netflixドラマ『全裸監督 season2』で妖艶なヒロインで注目された恒松祐里(25)。子役から20年近く「俳優一筋」で歩んできた彼女が、今月31日に開幕の舞台『ハザカイキ』(東京・THEATER MILANO-Za)でヒロインを演じる。初日間近、本人がENCOUNTに同作への思い、未経験の意外な役柄などを語った。(取材・文=大宮高史)

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――『ハザカイキ』で演じる橋本香について教えてください。

「お茶の間で人気の売れっ子タレントで、私にとっては少し遠い存在です。『橋本香』という人格そのものがチャームポイントになっています。一方で私はずっと俳優の仕事がメインだったので、作品で演じた役を通じて世間に認知されてきました。バラエティーなどにあまり縁がなかった身なので、タレントと俳優の違いを考えながら稽古をしています」

――確かに子役時代から、ほぼ「俳優一筋」ですね。

「バラエティーは『スカッとジャパン』(フジテレビ系)に出演することはありましたが、それも番組内のショートドラマへの出演でした。確かにテレビに限定せずにお芝居の仕事を中心に子役時代からやらせていただいたと思います。どんな人にも仕事場での顔とプライベートでの顔がありますが、香はある程度プライベートで見せる人柄も公に出しつつ、タレントの時には見せない本当の性格も持っています。私が思うタレントという職業は、芝居一本の俳優よりもプライべートをさらけ出し、比重が大きいと考えていて、演じる上で『公私での性格の違いにギャップを持たせないとな』と考えています」

――そんな香が「熱愛疑惑」を週刊誌にスクープされて、物語が動いていきます。

「この舞台は芸能人のスキャンダルが作品のキーになりますので、普通の女の子としての香の人柄や行動をしっかり演じなければ、作品のメッセージが伝わりにくくなると思っています。なので、『私が見てきた売れっ子タレントさんはこうだったな』と思い出して、ヒントにしながら役を作っています」

――芸能界に長くいる身として、香や劇中の人物に共感することはありますか。

「『人間くささ』です。人って何かしら他人に見せられない本性や悪い一面があると思いますが、芸能人はそれらを極力見せないことを求められますよね。そして、世間は、私たちがプライベートでも、パブリックなイメージのままの人柄でいることを求めがちだと思うんです。しかし、スターといえど一介の人間としての感情があり、どす黒い人格や醜さを持っているかもしれません。そういう人間の複雑さを三浦大輔さんが真正面から脚本で描いてくださっています。演じてみて、すごく生々しく、リアル感があります」

――恒松さんにとっても、身近なトピックを描いていると。

「三浦さんは構想に7年をかけたとお伺いしましたが、今のこの情報が氾らんする社会の負の面をドンピシャに捉えていて、『時代を見通す眼力がすごいな』と感じました。『ハザカイキ(端境期)』というタイトルには『物事が入れ替わる時期』という意味がありますが、人も皆、絶えず変わっていく。たくさんの顔を持っていることを実感します」

――この作品で目標にしていることは。

「実は、香のような愛きょうがある白い役ってほとんどご縁がなかったんです。今まで個性的でアクの強い役ばかりやってきまして(笑)。香は私がよく演じてきたような人々を振り回す人物とは正反対です。周りで起きている出来事に影響され、心の葛藤を見せていきます。愛らしい女性像や感情面の丁寧な表現を追求しようとしています」

――実は正統派の役が少なかったんですね。

「『個性派から正統派にチャレンジ』というなかなか異質なパターンかなと思います。ポスターの衣装も白でヒロイン然としていますし、『恒松は清純派もできるぞ』と皆さんに印象づけて、見る人をキュンキュンさせる役も開拓していくきっかけにしたいですね」

正統派のヒロイン像も開拓していきたいと意気込む【写真:北野翔也】
正統派のヒロイン像も開拓していきたいと意気込む【写真:北野翔也】

『全裸監督 season2』の乃木真梨子役「あの時はすごく楽しくて、濃密な時間を過ごせました」

――「アクの強い役」といえば、『全裸監督 season2』の乃木真梨子は、AV監督の村西とおる氏に見いだされる女優。型破りなヒロインでした。

「あの時はすごく楽しくて、濃密な時間を過ごせました。真梨子も裏の顔があったりして、ヒロインながら破天荒なキャラクターでした。それ以上に山田孝之さんの村西監督に始まり、全員が主人公級の存在感と人物の描き込みで、皆さんの活気に私も引っ張られていました」

――現在、『ハザカイキ』の稽古状況はいかがですか。

「香が大人しめのキャラクターなこともあり、私以外の皆さんが目立っています。香の父の浩二役を演じる風間杜夫さんは、私が風間さんの存在感に圧倒されっぱなしです。恋人の加藤勇役としてご一緒している九条ジョーさんにも圧倒されています。三浦さんから無茶振りをされてもどんどんアイデアを出してくれて、心理劇を面白くしてくださっています」

――恒松さんも声がすごくかわいらしく、特徴がありますね。

「『声がかわいい』と褒めていただくことがあります。なのに、かわいい女の子の役がなかなかめぐってきませんでした(笑)。子どもの頃は特徴があるとは思っていなかったのですが、15歳頃にナレーションのお仕事を始めてから、現場で褒めてもらえることが増えて、声で違った一面を見せられることが私の強みだなと知りました。生の舞台では声の存在感も大切なので、『どういう質感の声を出していくか』も工夫しています」

――声と演じてきた役柄のギャップも不思議ですね。

「ありがたいことに、どんな役も器用にできる俳優として信頼していただいている実感もあり、個性的な濃い役を任されてきたのかもしれないです。その場にいるだけで、画面に映っただけで気になってしまう。そういう役での経験をしっかり評価いただき、私の得意分野を大切にしつつ、かわいさにも挑戦するタイミングが来たようです」

――舞台は4作目。昨年にも韓国映画を舞台化した『パラサイト』に出演するなど、着実に経験を積んでいます。

「初めて舞台に出演したのが、5年前のミュージカル『ドン・ジュアン』でした。元々ミュージカルが大好きで、そのステージに立てることに興奮していて、毎日アドレナリンが出ていました。共演の皆さんとはその後も忘年会で会ったりするくらいに仲が良いです。『ハザカイキ』でも、そんな関係を築きたいなと思います。役の比重も役柄も、私にとっては挑戦づくしの舞台なので、この舞台を終えた時に『恒松祐里なりの正統派ヒロイン像』をつかんで、また大きな役をいただけることを目指していきます」

□恒松祐里(つねまつ・ゆり)1998年10月9日、東京都生まれ。子役で芸能活動を開始。05年、日本テレビ系『瑠璃の島』でデビュー。21年にNetflixドラマ『全裸監督season2』のヒロイン・乃木真梨子で話題に。22年には映画『きさらぎ駅』で都市伝説を追う大学生の堤春奈役で主演。23年は映画『Gメン』でヒロイン・上城レイナを演じた。今年はNHK連続ドラマ『正直不動産2』などに出演。158.5センチ。

スタイリスト:武久真理江
ヘアメイク:横山雷志郎(Yolken)

【公演情報】
Bunkamura Production 2024『ハザカイキ』
3月31日~4月22日 東京・THEATER MILANO-Za
作・演出:三浦大介
出演:丸山隆平 勝地涼 恒松祐里 さとうほなみ 九条ジョー 米村亮太朗 横山由依大空ゆうひ 風間杜夫 日高ボブ美 松澤匠 青山美郷 川綱治加来

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