【ブギウギ】SP演出満載の最終回、ラストカットに“こだわり” NHK「機会があればスピンオフを」
俳優の趣里が主人公・福来スズ子を演じるNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜午前8時)の最終回が29日に放送され、スペシャル感満載の内容でラストを飾った。スズ子のさよならコンサートが描かれ、番組の音楽を担当する作曲家・服部隆之氏が指揮者としてサプライズ出演。スズ子が最後にステージにキスを贈る印象的な演出もあった。オープニングのタイトルバッグの映像も使用せず、キャスト名などは終盤テロップで対応した。制作統括の福岡利武氏が取材に応じ、最終回の舞台裏の様子や趣里の魅力も明かしてくれた。
生歌“一発OK”も「趣里さんがもう1回歌いたいと」
俳優の趣里が主人公・福来スズ子を演じるNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜午前8時)の最終回が29日に放送され、スペシャル感満載の内容でラストを飾った。スズ子のさよならコンサートが描かれ、番組の音楽を担当する作曲家・服部隆之氏が指揮者としてサプライズ出演。スズ子が最後にステージにキスを贈る印象的な演出もあった。オープニングのタイトルバッグの映像も使用せず、キャスト名などは終盤テロップで対応した。制作統括の福岡利武氏が取材に応じ、最終回の舞台裏の様子や趣里の魅力も明かしてくれた。
草彅剛が演じる羽鳥善一は、服部隆之氏の祖父の作曲家・服部良一氏がモデル。ピアノを演奏する羽鳥がいる中、孫の隆之氏が指揮者としてサプライズ出演し“祖父と孫”の共演が実現した。
「さよならコンサートは1月下旬に撮影しました。この作品では趣里さんがスズ子として初めて生演奏で歌うことにトライしました。気持ちの乗った歌になったと思います。隆之さんにも参加していただきましたが、劇中に登場したのは初めてです。良一さんとの関係もあり時空を超えていろんなことを感じていただきたいと思って当初から考えていました」
服部さんの反応はどうだったのか。
「非常に喜んでいましたし、気合が入っていました。ただ、生演奏ですので本気で指揮をしないといけないので、かなり緊張感もありましたが、楽しんでいただけたと思います」
タイトルバックを省いた理由も聞いてみた。
「歌唱シーンをしっかり全部見てほしいという思いがあり、タイトルバックを無くしました。最後ですから、スズ子に浸ってしっかりフルでドラマを楽しんでいただきたいと考えました」
スズ子の歌唱シーンのラストは手にキスをした後、その手で優しくステージをタッチする形でステージにキスを贈った。
「舞台演出を担当する荻田浩一さんのアイデアです。お客さんへの感謝の思いを含め、ステージへの感謝の思いを込めた形です。感動的だったと思います。趣里さんもぜひそうしたいと話していました」
趣里の歌の感想も聞いてみた。
「趣里さんも最後という思いで歌って、演じていただけて本当にいい歌唱でした。生演奏、生歌でしたので緊張したと思いますが、素晴らしい表情で歌っていただいたと思います。当初から全力で歌に向き合い、とても熱心に練習して、お芝居でのスズ子と歌手としてのスズ子を立派に演じていただけたと思います。全身全霊で演じていただけことに感謝しかありません」
さよならコンサートの撮影に臨む際の趣里の様子はどうだったのか。
「生歌で歌うので緊張されていました。朝から歌のレッスンをして午前中に歌唱シーンの撮影でした。笑顔もありましたが、かなり緊張して集中していました。本当は一発OKだったのですが、趣里さんがもう1回歌いたいと言って2回撮影しました。強い思いで歌ったと思います」
あらためて趣里の魅力を尋ねてみた。
「パワフルでユーモアもあります。一番、思うのは脚本家の足立紳さんが『からっとしたドラマがいい』と話し、服部さんが『俺は湿っぽい曲は書かないから』と最初に話していたような物語に本当になったと思います。いい意味でからっと演じていただけたと思います。足立さんの思い、服部さんの思い、趣里さんの思いが通じるところがあって、うまく演じていただけたと思います」
『ブギウギ』は視聴率が終始好調だった。多くの視聴者に支持された要因を聞いてみた。
「一番は趣里さんとお芝居の魅力、歌と踊りのステージの魅力。気持ちよく見ることができたと思います。もう一つは足立紳さんと櫻井剛さんの脚本が見ている方に共感していただけたと思います。足立さんの本からは、見捨てないとか、頑張ろうとしなくてもいいんだよとか、優しく温まるメッセージが伝わったと思います」
他の朝ドラとの大きな違いはヒロインの歌唱シーン。人気を得た大きな要因に思う。
「歌の力は本当にすごいと思います。足立さん、櫻井さんも歌への思いをしっかり書いてくださったこともありますし、とにかく歌の力は偉大だとしみじみ思いました」
スピンオフを期待する声が上がりそうだが。
「機会があればぜひ。この物語のラストカットで『終』とか『完』と表示しなかったのは私がこだわったところ。自然に終わりたかったから。うまく機会がはまれば、スピンオフをやりたいとは思っております」