『刀剣乱舞』の稽古場で珍事 尾上松也&右近が号泣「感情移入が過ぎる」「ヒクヒクなるくらい」
歌舞伎俳優の尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉(かんぎょく)、上村吉太朗、河合雪之丞が25日、東京・千代田区の丸の内ピカデリーで行われたシネマ歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)』の舞台あいさつに登場した。
伏見稲荷で不思議体験「僕は『小狐丸に選ばれし者』です」
歌舞伎俳優の尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉(かんぎょく)、上村吉太朗、河合雪之丞が25日、東京・千代田区の丸の内ピカデリーで行われたシネマ歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)』の舞台あいさつに登場した。
刀剣ブームを巻き起こした大人気ゲーム『刀剣乱舞ONLINE』を、2023年7月に新作歌舞伎として初めて歌舞伎化。同作の映画版が4月5日から東劇など全国の映画館で上映される。
『刀剣乱舞』は、審神者(さにわ)と呼ばれるプレイヤーが、刀剣の付喪神(つくもがみ)である刀剣男士を成長させ、歴史改変をたくらむ時間遡行軍(じかんそこうぐん)との闘いに挑むゲーム。歌舞伎版では、十三代将軍足利義輝が討たれた“永禄の変”を歌舞伎ならではの発想で大胆に脚色した。
西暦2205年の世界にいる時間遡行軍が、室町時代後期の歴史を変革するために出撃し、審神者は三日月宗近(みかづきむねちか/松也)、小鳥丸(こがらすまる/雪之丞)、髭切(ひげきり/莟玉)、膝丸(ひざまる/吉太朗)、同田貫正国(どうだぬきまさくに/鷹之資)、小狐丸(こぎつねまる/右近)の六振りを永禄年間(1558~1570年)に向かわせる。永禄の世に著現した刀剣男子たちは、歴史を守るための戦いに身を投じていく。
同作は松也が演出も手がけ、義太夫や邦楽器、ツケや立ち回りなど王道の歌舞伎テイストをふんだんに盛り込んでいる。また『小鍛冶』の小狐丸、『寿曽我対面』や『助六』の髭切など、歌舞伎の古典演目に実際に登場する刀の付喪神も選ばれている。
約2年かけて構想したという松也は、「なにか自分で、新作として歌舞伎に付け加えられる作品を作りたいと長年思っていた中で、『刀剣乱舞』と出合った」と振り返り、「純粋にとても人気のあるコンテンツで、非常に歌舞伎との親和性が高い。ストーリはもちろん、キャラクターそれぞれの造形も歌舞伎にしたら面白そうだなと」と、『刀剣乱舞』を題材にした理由を語った。
舞台やアニメなどさまざまな展開がされているが、「一番いいと思った理由は、ストーリーはそれぞれのメディアミックスの皆さんがオリジナルで考えていらっしゃる。ゼロから自分たちのオリジナルストーリーを考えられるのが非常に魅力的でした」と明かした。
小狐丸を演じる右近は、まだ役柄が決まる前に別の仕事で行った伏見稲荷大社で不思議な出来事があったという。「劔(つるぎ)社という、小狐丸を作った井戸があるところにお参りした時に、スタッフさんの皆さんが『今、空気がピタっと止まった』と。『何か起きたの気づきました?』と言われて、僕は気づかなくて。『ひょっとしたら小狐丸やらせてもらうことになるかもね』と言っていたら、決まった」といい、「僕は『小狐丸に選ばれし者』です」と観客を笑わせた。
さらに右近は「音楽もすごくすてきで、お稽古の段階から松也さんと2人とも泣いちゃう。あんまり歌舞伎のお稽古場ではないこと」と告白。松也も「期待値を上回る音楽がきちゃったもんだから」と語り、「涙がぽろっと出てしまうのではなくて、子どもがお母さんに怒られ時にヒクヒクなるくらい(の本気泣き)」と明かし、右近も「(感情)移入が過ぎる現場でした(笑)」と振り返った。