フリー転身、関西の帯番組に抜擢 青木源太が胸に刻む加藤浩次からの金言は「重たい言葉」
元日本テレビで現在はフリーの青木源太アナウンサーは関西を拠点に新たなフィールドで活躍を続けている。メインMCを務める関西テレビ系情報番組『旬感LIVE とれたてっ!』(月~金曜、午後1時50分)では、“関西色”を出さないスタイルが徐々に定着しつつある。フリーになってから約3年の月日がたったが、現状をどのように捉えているのだろうか。
50歳までにイベント司会「1000本」が目標「なんとか達成したい」
元日本テレビで現在はフリーの青木源太アナウンサーは関西を拠点に新たなフィールドで活躍を続けている。メインMCを務める関西テレビ系情報番組『旬感LIVE とれたてっ!』(月~金曜、午後1時50分)では、“関西色”を出さないスタイルが徐々に定着しつつある。フリーになってから約3年の月日がたったが、現状をどのように捉えているのだろうか。(取材・文=中村彰洋)
2020年9月に日テレを退社し、フリーに転身してから約3年。「自分にはフリーランスの働き方が合っている」と充実した日々を送っている。だが、フリーになったからといって劇的に何かが変化したわけでもない。「仕事自体は変わらないです。時間の使い方などが違うだけです」と説明する。
主に東京での仕事を中心にこなしていた青木だったが、『とれたてっ!』のオファーを受けたことで、家族そろって生活拠点を大阪に移すことを決断した。
出生地こそ大阪府だったが、育ったのは愛知県・岡崎市。大学以降は東京での生活を送っていた。“関西色”の薄いアナウンサーを起用するという稀有なケースとなったが、青木は「東京の局で育った自分だからこそ選ばれたのかなと思っています。変に関西に染まろうとするのではなく、自分らしさを活かせればと思っています」と分析している。
放送から約半年が経過したが、同時間帯には『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)、『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』(CBCテレビ)と手強い相手がひしめいている。「アナウンサー界の大先輩の胸を借りるような気持ち」と謙遜しながらも、「毎日地道に努力を続けて、もう1つの選択肢として、まずは認知してもらいたいです」と意気込む。
裏番組ながらも宮根誠司アナと石井亮次アナの話術の研究なども欠かさずに行っている。
「回し方や質問の仕方など勉強になることばかりです。宮根さんは、コメンテーターの方に話を振るときに、まず最初に相手の名前を言ってから質問するんですよ。『〇〇さん、~~ですか?』と。『~~ですか? 〇〇さん?』という聞き方はしない。名前を最初に言われた方が『次は自分に来るぞ』と用意もできると思うんです。当たり前のようにも思えますが、こういった細かいテクニックなどを参考にさせてもらっています。MCとして、コメンテーターの方がストレスなくご自身の意見をのびのびと言える環境を作ることが大事だと思っています」
また、日テレ時代の同期の桝太一の存在も大きいという。「日テレ時代も困ったことがあれば、アドバイスをもらっていました。それは今でもやっています。そういう存在の人がいることは、すごく心の安心材料になっています」。
大阪出身の妻からの言葉も参考材料の1つとなっているようだ。木曜レギュラーのメッセンジャー・黒田有から関西弁でツッコまれ、オドオドする青木の姿を見かねた妻からは「あれは黒田さんがボケてるんだから、ちゃんと言い返さなきゃダメだよ」と的確な“アドバイス”も受けたという。
まだまだ成長段階の『とれたてっ!』。将来的に目指す先として「全国ネット」という言葉が浮かぶところだが、青木は「とにかく今放送している西日本12局の皆さんに、満足していただけることを何よりも第一に考えています」と冷静だ。
20日のSPではヒロミと“再会”「成長した姿を見てもらえる」
青木が一つ一つ、目の前のことを大切にするのには理由があった。かつて『スッキリ』(日本テレビ系)で共演していた極楽とんぼ・加藤浩次からもらった“金言”を胸に刻んでいる。
「僕は若手アナ時代8年間『スッキリ』を担当していたので、加藤さんに育てられたと思っているんです。『とれたてっ!』の報告をした際には、『長く続けようなんて思うなよ。明日終わると思いながら毎日取り組め』と言っていただきました。17年半『スッキリ』を務めた加藤さんの言葉だと考えると、すごく重たい言葉ですよね。
ほかにも、MCという立場で局入りしても、誰に対しても自分からあいさつしろとも教えていただきました。まずは、警備員さんに笑顔で大きな声であいさつ。エレベーターに乗ったら操作盤の前に立って、乗ってくる人全員にあいさつ。そういった当たり前のことを心掛けています。加藤さんに言われたことは全部徹底してやっていますね。加藤さんは僕に対して何も思ってないですけどね(笑)」
20日にはフジテレビを含む19局で『とれたてっ!』2時間スペシャル(午後1時50分)が放送されるが、特別ゲストとしてヒロミが出演することも決まった。
「ヒロミさんには、日テレ時代に『火曜サプライズ』でお世話になっていました。関西局の番組に出演されることは少ないのですが、僕が『とれたてっ!』の報告をしたとき、『ここぞの時にオファーするので、出演してください』とお願いしていたんです。そのときに『おお、行ってやるよ!』と快く言っていただけて、ようやくそれが実現します。成長した姿を見てもらえることが楽しみです」
青木にとって加藤とヒロミの2人から受けた影響は大きなものとなっているようで、「すごく恥ずかしい言い方にはなりますが、2人を前にすると、『いいところを見せたい!』というよこしまな感情が出てきちゃうんです」と照れ笑いを浮かべる。
今はまだ認知拡大のフェーズとしながらも、「スタッフさんと密に意見を交わすことでチームワークも深まってきた」と手応えもしっかりと感じている。さらなる飛躍のための土台作りは順調に進んでいるようだ。
一方で、フリー転身のタイミングで掲げた「日本一のイベント司会者になる」という旗も降ろしてはいない。青木にとってイベント司会はライフワークの1つとなっている。
「日テレを辞める直前までの過去5年、アナウンス部内でのイベント司会の指名が最も多かったんです。イベント司会をやりたいと思って日テレに入ったわけではないですが、やっていく中で楽しさに気付きました。自分に向いているなと思えたこともフリーになったきっかけの1つでした。
50歳までに1000本のイベント司会をやるのが目標です。今で約300本なので、あと10年で700本です。帯番組が始まったので、少しペースは落ちていますが、なんとか達成したいです。『とれたてっ!』のオンエア終わりで東京に移動して、2本仕事、そのまま東京で泊まって、翌日の朝一で帰阪といった生活でもいいんです。多少スケジュールが厳しくても、まだ体力はありますし、それが自分の望んだ働き方なので健康に注意しながら続けていきたいです」
新天地での生活は「全然知らないことばかり」と毎日が新鮮だ。「いろんな価値観や文化、歴史との出会いがあって楽しいです」。まずは関西人の生活の一部に溶け込むことを目標に“青木源太らしさ”で『とれたてっ!』の魅力を届けていく。
□青木源太(あおき・げんた)1983年5月7日。慶応大文学部卒業後の2006年に日本テレビにアナウンサーとして入社。入社後は、『スッキリ』『バゲット』『火曜サプライズ』など多くの看板番組を担当。20年9月末で同局を退社しフリーに転身。23年10月から関西テレビ『旬感LIVE とれたてっ!』メインMCを担当。