俳優の中村倫也が18日放送のNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月～土曜午前8時)の第117回にサプライズ出演した。演じたのは丸の内テレビのディレクター・沼袋勉。テンション高めでダジャレ連発などクセの強いキャラ。趣里が演じる主人公・福来スズ子が大トリでの出演する予定の歌番組『第7回オールスター男女歌合戦』を担当している。制作統括の福岡利武氏が取材に応じ、中村の起用理由や撮影の舞台裏などを明かしてくれた。

「中村さんは、私がとても大好きな役者さんで機会があればご一緒したいと思っていたところ、沼袋というちょっとクセの強い登場人物を脚本家の足立紳さんが書いてきたので、面白いと思い、ご相談しました。すると中村さんご本人がとてもやる気になってくださったようなんです。現場でもパワフルで楽しいお芝居をしてくださいました」

　沼袋のウエーブしている髪形とサングラス、勉という名前から元NHKの名物ディレクターで退職後はタレントとしても活動したある人をイメージしてしまう。

「足立さんがNHKのドラマの演出家で和田勉さんを彷彿（ほうふつ）とさせるクセの強いキャラクターを書いてこられました。そのため何となくふん装も引っ張られていると言われれば、そうなんですけど（笑）。皆さんに楽しんでいただけたらという思いと同時に敬意を込めてやっております」

　中村も沼袋を面白がって演じてくれたという。

「沼袋の押し出しの強さを楽しんで演じてくださいましたが、現場のお芝居では想像以上の押し出しの強さを発揮してくださり、若干、抑えてもらいましたが、めちゃくちゃ押し出しが強く、なおかつ面白くて、中村さんのお芝居が光ったと思います」

　そもそも中村のどんな面が好きで魅力を感じて起用したのか。

「柔らかい役から硬い役まで、とても説得力のあるお芝居をする方。何でもできるすてきな俳優さんだと思っていました。今回のクセの強い役をどう演じてくれるのかと思っていましたが、リハーサルの時に現場の誰もがのけぞるぐらいの大声で、めちゃくちゃ押し出しの強い役を楽しく演じ、素晴らしいと思いました」

　あらためて現場で感じた中村のすごさを語ってもらった。

「すごくクセがあって嫌味な役ではありますが、さらに、想像の上をいくクセのある沼袋をさらっと演じてくれました。その“さらっと”が良かったと思います。やはり準備してきたことが素晴らしく、趣里さんを含め、みんな大爆笑したお芝居をしたパワフルさはすごいなと思いました」

　中村が準備してきたことも気になる。

「ふん装についてのキャラクターは中村さんが自分で決めました。あの髪形とサングラスをかけてうさん臭さを出してくださいました。作り方によってはシュッとしてしまうので、クセを強くするために中村さんが考えました」