篠原涼子、バカリズムとW主演に喜び「毎日見逃せない」 膨大なセリフ量には「なんとかして」

俳優の篠原涼子と、お笑い芸人のバカリズムが4月12日スタートのフジテレビ系連続ドラマ『イップス』(金曜午後9時 ※初回15分拡大)で、ダブル主演を務める。2人が演者として共演するのは初。このたび、報道陣の囲み取材に応じた。

ダブル主演を務める篠原涼子とバカリズム【写真:(C)フジテレビ】
ダブル主演を務める篠原涼子とバカリズム【写真:(C)フジテレビ】

4月12日スタート『イップス』の主演

 俳優の篠原涼子と、お笑い芸人のバカリズムが4月12日スタートのフジテレビ系連続ドラマ『イップス』(金曜午後9時 ※初回15分拡大)で、ダブル主演を務める。2人が演者として共演するのは初。このたび、報道陣の囲み取材に応じた。

 本作は小説を“書けなくなってしまった”おしゃべりなベストセラーミステリー作家と、事件を“解けなくなった”自己評価高めのエリート刑事という互いにイップスを抱えた2人が、事件を解決していくミステリーコメディー。絶不調なバディがお互いを補い合い、小気味よい会話劇を繰り広げながらコミカルタッチに犯人を追い詰めていく。

 篠原は、ミステリー小説家・黒羽ミコを演じる。デビュー作から3作連続でベストセラーを記録するも、現在はネタが思いつかず5年間新作が書けていない。その傍ら、持ち前の会話術と洞察力を武器にネット番組のコメンテーター業やコラム執筆をこなすも、そのせいで本業がさらに片手間になってしまっている。5年前に出した最新作の小説はSNS上で「トリックがダサい」とたたかれ、コメンテーター業でも「なんにでもクビつっこむんじゃねーよ」などとたたかれており、イライラが募る日々を送っている。新作の執筆に煮詰まり、執筆から逃げるために訪れたサウナで森野と出会う。

 一方、バカリズムは、イップスが原因で捜査ができなくなってしまった警視庁捜査一課刑事・森野徹を演じる。かつてはエリートとして組織内でも一目置かれる存在だったが、とある出来事をきっかけに解けなくなってしまった。実はミコの作品の大ファンだったが、最新作の完成度が悪く、コメンテーター業ばかりで新作を出さないミコにいら立ちを募らせ「トリックがダサい」とSNSに書き込むなどアンチ化してしまった。刑事でありながら、ノモリというアカウントで日々ミコの小説についてアンチコメントをつぶやいている。

演者同士としての共演は初

――撮影現場の空気感は。

バカリズム「すごくいい空気ですよね。和やかな空気で(時間が)そんなに押すこともなく。それがやっぱ1番いいですよね」

篠原「順調にいっています」

バカリズム「割と過酷な部分もあるんですけど、その割にはすごくいいムードです」

――お2人はバディ役ということで、これからの撮影、多分4~5か月くらい進んでいくと思うんですけど、息ピッタリになりそうですか。

バカリズム「役柄的にはまだギクシャクしているんですけど、今撮影してる部分は。ここから、どうなっていくのか。僕らも先(の展開)を知らないので。回ってない部分で息はピッタリだと思います」

――今作でバディを組む篠原さんとバカリズムさんは、映画『ウェディング・ハイ』(2022年)で脚本家と主演としてクレジット共演していましたが、演者同士としての共演は初です。

篠原「そうなんですよ。なので、そのバディをやらせていただくという形になったときに、『ウェディング・ハイ』では脚本をやられてるので、監督・演出的な部分もやられてるので、なんか、そういった目線で見てたら、ちょっと……」

バカリズム「見ていないです(笑)」

篠原「ちょっとドキドキしています。すごく私、バカリズムさんの作品が大好きでたくさん見ているんですね。全部面白くて、どうしたらこういう才能がいっぱいあるんだろうっていうような、みなさんも多分頷いてると思うんですけど、すごく不思議ですよね。現場でも、いつもバカリズムさんを観察しています」

バカリズム「そうです。なんか、すげぇ見られてるんですよ(笑)。ちょっと離れたとこで、ずっとニコニコしながら」

篠原「だってニコニコしちゃうくらい面白いですよね。なんかね、ちょっともう本当にいろいろと目が離せない。日々、本当に楽しませていただいている感じです」

バカリズム「すごく温かい目でずっと見守られています(笑)」

篠原「なんかもう癒やされます。本当にありがたいです」

篠原は日本初のダンスボーカルアイドルグループ・東京パフォーマンスドール(愛称:パードル)の初期メンバー

――バカリズムさんは以前、篠原さんの印象を「自分が高校生のころからずっと第一線で活躍されている方で、そのころからまったくイメージは変わりません」と語っていました。

バカリズム「アーティストとしてもめちゃくちゃ活躍されてますし、全部ができる方っていう印象だから、最初すごく緊張していたんですけど、そんなに温かい目で見ていただけるとは(思わなかった)」

篠原「東京パフォーマンスドールの中では誰が良かったですか?」

バカリズム「いや、だから……。逆に、なんかそういう話とか、あんまり触れちゃいけないのかなとかも思うじゃないですか」

篠原「触れてくださいよ。喜んで」

バカリズム「『ダウンタウンのごっつええ感じ』も見てたし、デビューするかしないかぐらいのときに歌もね、ダブルミリオンでしたっけ。めちゃくちゃ売れてるしっていう方。ずっとスターだから。そんな方とご一緒できるなんて、非常に光栄です」

篠原「本当に運だけが良かったっていう……。もういまだに、バカリズムさんとこうやってお仕事できるっていうのも、本当に運がいいなっていうか。運だけじゃないと思いますけど、本当にうれしいです」

バカリズム「なんかそういうことも気さくに篠原さんの方から言ってくださったりとかするんで」

篠原「でも、なんかセリフがね、ちょっと多かったりする。説明セリフとかもあるので、ちょっとそこに囚われの身になって、あまり会話がそこまでいけてないなっていう。正直なくはなくて」

バカリズム「このドラマも説明のセリフがめっちゃ多いから、お互い。それで、今いっぱいいっぱいなんですよ」

篠原「ちょっと早口言葉とかで勝手にしゃべっちゃう。スタッフさんも初めましてだったりする方々が私はちょっと多いので、探りながらいろいろと。いい形にしたいなと思います」

――バカリズムさんから見た撮影現場の篠原さんは。

バカリズム「やわらかい印象の方というか、すごく気さくというか、篠原さんの方からもすごくしゃべりかけてくださる。なんかゴマすってるみたいですけど、すごい優しくて、良い方です」

――1番盛り上がった話題みたいなものってありますか。

バカリズム「なんだろうな。セリフが結構多くて大変だから、2人でどうやってわからないように、こっそりセリフを短くして省略するかみたいな(笑)。バレないようにね。意味さえ合ってればいいから、なんかここちょっと言いやすくします? みたいな」

篠原「でも、面白いんですよね」

――役に共感する部分はありますか。

篠原「今回、できていたことができなくなるっていうところが黒羽ミコも森野徹もある共通点だと思うんですけど、実際、自分自身もできていたものができなくなるっていうのは、そこまで今回のドラマの役みたいなところはないけど、なんかちょっと分かるような気はします」

バカリズム「イップスはわりとスポーツの世界でよく聞くんですけど、僕が高校時代、野球やってるときに僕自身もそうですし、チームメイトとかでもよくなってしまうものではあった。そのときはまだイップスっていう言葉がそんなにメジャーじゃなかったというかイップスだって自覚してなかった。スポーツの世界でよくある現象として捉えてて、自分自身も、プレーによっては、ある失敗がきっかけで、すごく苦手になったりとか、そういうことは、元々経験としてあった。そこから大人になって、あれイップスって言うんだっていう形で……。経験していることではあるので、共感はできているとは思います。

 意外とイップスになってるときって、これがイップスだって自覚してないことが多いというか、なんか、できなくなってんなというか……。特定のことをやろうとするときに、ものすごく急に慎重になってしまうというか。今まで簡単にできてたことが、今までみたいに簡単にできなくなっちゃうみたいな。そういう経験があるんで、置き換えては考えられてるとは思います。例のあれかっていう感じですよね」

ダブル主演を務める篠原涼子とバカリズム【写真:(C)フジテレビ】
ダブル主演を務める篠原涼子とバカリズム【写真:(C)フジテレビ】

“脚本バカリズム”にプレッシャー「全部お前の責任だみたいな印象がある」

――バカリズムさんは脚本家としても活躍していらっしゃいます。今回は俳優ということで気持ちの面において違いはありますか。

バカリズム「違いますね。気が楽といいますか。自分が書いていないっていう強みがあるので。のびのびやれるというか、新鮮な感じで、演じることに徹することができています。演じる側としての責任はあるんですけど、僕が書いてるときって、“脚本バカリズム”って言われるんですよ。それってものすごくプレッシャーで、なんか“全部お前の責任だ”みたいな印象があるので、今回はそこまでのプレッシャーはない。なんか責任の種類が違うので、わりと気楽にやらせてもらっています」

――人の書いた本を見て、新たな気づきはありますか。

バカリズム「それは本当に脚本家さんによって作風というか、特にオークラさんは、昔からよく作品も一緒にやったりもしてるから、なんかオークラ節だなっていう。感慨深いですよね。こういった形で仕事が一緒にできると」

――篠原から見た役者のバカリズムは。

篠原「私もバカリズムさんのことを結構検索しちゃったりしてて……。作品見たいなと思って、バカリズムさんって入れて、そうするとたくさん出てくるじゃないですか。バカリズムさんが出演しているのを見たいのにって思って。もう、ほとんどを見てしまい、もっと見たい! って思ったんですよね。バカリズムさんがお芝居してる姿を見たいって思ったときに今回こういうお話来たんで。こんなにすごいことない! って思って、検索して画面で見ていたのが目の前で味わえるって、こんなに貴重なことないと思って。だからもう毎日見逃せないんですよ。もう本当にずっとこうやって見て、怖い人みたいな感じになっちゃって。でも、本当に幸せなことだなと思いますし、興味津々な方と一緒にこうやって共演できるっていうのは、すごく作品も面白くなるだろうし、自分自身もいいスパイスをいただいて頑張りたいなっていう気持ちもありますし、むしろ、私もちゃんとしたスパイスを与えられたらいいなって思っています」

――最初に台本を見たときの感想は。

バカリズム「なんか珍しいパターンだなって思ったんですよ。今まで自分が見てきたミステリーものとは、微妙に違うというか。似ているようで似ていないパターンだったんで、そこはすごく新鮮でした。見どころはミステリーではあるんですけど、ミステリーコメディーってついていますから、やっぱり2人のかけ合いがとにかく多い」

篠原「(セリフ量を)本当になんとかしていただきたい」

バカリズム「それはね、2人でいつもブーブー言いながらやっているんですけど、そこはこのドラマの見どころの1つではあると思いますね」

篠原「台本を拝見したとき、面白いなっていうのは最初に感じたこと。あと、読みやすくて、スイスイ読めちゃう。ミステリーとしての謎が解けていく、その過程が面白いなと思いましたね。自分たちが想像してないようなところをちゃんと描いてくれるので、見てる方々も『こういう風に謎が解けてくの』みたいな感じだったり。あと事件性の裏側も。犯人の人とかがいても、そういう人たちの心のドアを開いて、そこの部分をちゃんと描いてる。見ていても、嫌な思いで終わらない感じがしたんですよね。だから、そういうところが、このドラマのいいところだなって、拝見したときに思いました。そんないいところがあるのに、ミステリーコメディーなんで、コメディーの部分が、すごくへんてこりんな面白い言葉たちがいっぱいあるので、そういうのも、すごい私は好きだなっていう風に思ったのと、あと、セリフが多いなって」

バカリズム「大体セリフのところに、こう、蛍光ペンで印をつけるんです。赤い蛍光ペンで。赤だらけなんです」

篠原「そうなんですよね、わかります」

バカリズム「自分が書いて自分が出るときって、セリフたくさん覚えるのめんどくさいから、長ったらしいセリフとか説明は相手の人に……(笑)」

篠原「ずるい!(笑)」

バカリズム「初稿ではとりあえず必要なセリフを書いといて、これでも覚えるのしんどいなと思ったら人にしゃべらせたりするんです。自分で書いてたら、僕、ほとんどのセリフ、篠原さんに言わせてる。今回書いていないから、まどろこしい言葉とか、覚えづらいフレーズとか、それができないから逃げられないんですよね(笑)」

――セリフの覚え方を教えてください。

バカリズム「僕は繰り返し読んで。でも結局、現場でやらないと入らなかったりするじゃないですか。頭の中で覚えてても、いざ現場で相手がいる中でやったときに、あれ? なんだっけ? って結局なるんですよ。だから、どっちかというと、ちゃんと入るのって実際にかけ合ったときですよね」

篠原「私も同じ感じですね」

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