NHKは12日に会見を行い、2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟！』の制作と主演を発表した。主人公・豊臣秀長を俳優の仲野太賀が演じる。会見には脚本の八津弘幸氏、制作統括の松川博敬氏が出席し、本作への意気込みを語った。

　大河ドラマ第65作で描くのは、戦国時代のど真ん中。強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡、夢と希望の下克上サクセスストーリー。主人公は天下人の弟・豊臣秀長。歴史にif（もしも）はないものの……「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまで言わしめた天下一の補佐役・秀長の目線で戦国時代をダイナミックに描く波瀾（はらん）万丈のエンターテインメントだ。

　本作に出演が決まった仲野は「今日という日が待ち遠しくて、とても光栄に思いますし、心底ほっとしています」と心境を語った。また、本作は戦国時代ということで、「習得しておきたいこととしては、所作とか殺陣の稽古とかも当然必要になってくるとは思います。いま習得したいのは体調管理です」と笑うと、「元気いっぱい、エネルギーいっぱいで演じられるようにしたいと思います。現代からしたら信じられないようなことが起きたり、戦や人を斬ることがあるので、演じるうえでカロリーや想像力、イマジネーションが必要かなと思いますが、できるかぎりその時代の人の思いに寄り添いながら、誠実にやりたいなと思います」と語った。

　また、脚本を担当する八津氏は、連続テレビ小説『おちょやん』や『半沢直樹』、『下町ロケット』などの作品を描いてきたが、「僕は今回すごく思っているのは、歴史ものだと縛りというか、かせみたいなものがあって、出来事が決まっている中で物語を作っていくことがチャレンジになります。ドラマだったらこういうふうにしたいって思うところが出てくると思いますけど、自分の中ではわずかな可能性を生かして、史実とエンタメをせめぎ合わせていけるかなってところが課題としてあります」と心境を述べた。

　続けて、「『それウソじゃん！』と言われないようにしたいです。意外と歴史って、僕らが知っているものと今の学校で教えていることが違うこともあるので、“もしかしたらこうじゃないか？”というのは大事にしたいです」とコメント。

　また、これまでの作品では尾張弁が印象的な秀吉と秀長だったが、方言について問われると「雰囲気は入れると思うんですけど、監修の方にお手伝いしたり、どこまで言葉遣いを昔のものにしたり、地域のものにしたりは……一旦持ち帰ります。検討中です」と笑顔を見せた。