朝倉海のUFC挑戦、榊原代表が本音 後押し発言も「1番はRIZINでベルトの価値を上げて」

格闘技イベント「RIZIN」が12日、都内で会見を行い、「RIZIN.46」(4月29日、東京・有明アリーナ)の追加対戦カード発表を行った。会見後、榊原信行代表が囲み取材を行い、バンタム級戦線、同級王者の朝倉海の今後について語った。

朝倉海【写真:徳原隆元】
朝倉海【写真:徳原隆元】

Bellator王者とのスパーは「パトリック・ミックスからの逆指名」

 格闘技イベント「RIZIN」が12日、都内で会見を行い、「RIZIN.46」(4月29日、東京・有明アリーナ)の追加対戦カード発表を行った。会見後、榊原信行代表が囲み取材を行い、バンタム級戦線、同級王者の朝倉海の今後について語った。

 トーナメントとは言わずも、バンタム級戦線の争いが活性化してくる。今月23日の神戸大会では井上直樹対佐藤将光が、そして今回、4月大会のカードとして牛久絢太郎対太田忍が発表された。

「朝倉海のタイトル戦に向けての対戦相手は、国内で言うと将光選手と直樹選手の結果もそのひとつだと思う。牛久選手もフェザー級でタイトルを獲っている選手だし、当然バンタム級のベルトも目指している。Bellator、PFLなど海外団体(の反応)を含めても“朝倉海”って非常に注目度がある」

 米国修行中に海は、Bellatorバンタム級王者のパトリック・ミックス(米国)とも練習をしている。そのことに触れ「パトリック・ミックスとラスベガスでトレーニングをしているけど、あれはミックスからの逆指名で彼が行っているんですね」と説明。

 その上で「フアン・アーチュレッタに勝利したこと、彼のファイトスタイルも含めて非常に注目が集まっている。その『海に勝てれば』ってことで、RIZINのベルトを獲ってステップアップを考えている選手は他のプロモーションを含めて結構います。誰が海の対戦相手として、挑戦者に適任なのかは見極めていきたいです」と語った。

期待が高まる朝倉海のUFC挑戦

 海の防衛戦をRIZINで行うことは明言。一方で期待が高まるUFC挑戦についてこう言及した。

「僕らもデイナ・ホワイトと話をしています。お互いの団体の大きさは別として、プロモーションとしての立場がある。海もいろんなコメントでも言っているようにUFCに行くにしろ、良い形で、日本のファンが背中を押してくれる形で波風立てずに送り出したいと思っている」

 一部報道では“レンタル移籍”の言葉があったが、これを否定。「UFCはそんなことは許さない。行くなら我々との契約をなくして、独占契約になる。当然、RIZINのベルトを巻いてオクタゴンに入ることはできないです。ベルトを返上する覚悟が必要です」とRIZINとUFCの二足のわらじを履くことはできないと説明した。

 海はその覚悟を持っていると明かし、「UFCと前向きな話をしているので、RIZINが間に入る形でしかるべきタイミングでチャレンジができるのではないかと」と交渉が進んでいることも明かした。

 海はRIZINでスター選手。「自分たちが作り上げてきたRIZINという世界観と、ベルトの重みと価値を感じて、やっぱりRIZINにとどまる決断になるかもしれない。UFCでは、ランカー以下からのスタートですから。そういうものにもう1回チャレンジするかどうかを含めて、総合的な判断が必要だと思います」と契約を明言することはなかった。

 そう言いつつも「大人っぽい発言をしてますけど」と苦笑いをしながら本音が漏れる。

「1番はRIZINでこのベルトの価値を上げて、世界中からこのベルトを獲りにトップコンテンダーが来るっていうのがベストシナリオ。本人たちの意志として他に行きたいという思いがあるのならば、それは止めないし止めたくない。1人の男としてチャレンジしてほしいし、後押ししてあげたい。複雑なところではあります」

 世界も注目している朝倉海。本人はどんな選択を取るのか。海に目を付け、育ててきたRIZINとしても大きな分岐点となりそうだ。

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