「私が優勝すれば一番シンデレラ」 デビュー2か月で未勝利、玖麗さやかが狙う“どんでん返し”

プロレスを初めて見てから1年半も立たずして、玖麗(くらら)さやかはスターダムでプロレスラーとしてデビューした。そして今、デビューから2か月強が経過したが未勝利の状態が続いている。1月に行われた『ルーキー・オブ・スターダム2023 新人王決定トーナメント』参加メンバーが勝利を挙げている中、玖麗は3月9日に開幕する『シンデレラトーナメント2024』にどのような気持ちで臨むのか。

リングを降りると優しい表情を見せる玖麗さやか【写真:橋場了吾】
リングを降りると優しい表情を見せる玖麗さやか【写真:橋場了吾】

凱旋試合で戦った中野たむに感じた「この人なら私を強くしてくれる」

 プロレスを初めて見てから1年半も立たずして、玖麗(くらら)さやかはスターダムでプロレスラーとしてデビューした。そして今、デビューから2か月強が経過したが未勝利の状態が続いている。1月に行われた『ルーキー・オブ・スターダム2023 新人王決定トーナメント』参加メンバーが勝利を挙げている中、玖麗は3月9日に開幕する『シンデレラトーナメント2024』にどのような気持ちで臨むのか。(取材・文=橋場了吾)

『ルーキー・オブ・スターダム2023』に参加したのは、玖麗のほか、HANAKO、弓月、八神蘭奈の4人。玖麗以外の3人は、トーナメント後にそれぞれE neXus V、STARS、God’s Eyeというユニットに所属することになった。しかし、玖麗は1か月強、無所属のまま過ごしていた。

「私も誰か先輩の元について、ユニットに所属してやっていくのがいいのかなという焦りはありました。ただ、練習生時代に周りと話してもユニットの話はあまりピンと来ていなかったんです。それで豊橋(2.12のロワジールホテル豊橋 ホリデイホール大会/豊橋市は玖麗の地元でもある)でたむさんと試合をさせていただいて、何か私を成長させてくれる・戦い方を教えてくれるのはコズエンの皆さん(たむ率いるコズミックエンジェルズのこと)なんだと、試合を通じて感じました。デビュー戦の相手である上谷(沙弥)さんは憧れの選手ではあるんですが、私はプリキュアや女性アイドルが好きで「可愛くて、強くて、カッコいい」を体現しているたむさんにも憧れの感情があって。でも私はコズエンの皆さんのようにキラキラしているタイプではないので、自分は相応しくないかもとも思いましたが、(コズエンに)入りたいとたむさんに伝えました」

 2.12の試合後、玖麗はたむにコズエン入りを直訴。たむは即答でOKだったが、コズエン見習い経験のある水森由菜が「トロピカル審査(皆が???となっている)」を提案し、ひとまずはみならいとしてコズエン入りを果たした。未勝利ながらも奮闘を続ける玖麗に対し、たむ、水森のほかコズエンのメンバーである安納サオリもXで高評価をポストしている。

「(Xのポスト以外でも)もうすごく気にかけてくださっています。この間、久々にシングル戦があって本当に緊張しちゃって不安を感じていたんですが、たむさん・安納さん・水森さんが私のところに来て「絶対大丈夫だから心配しないで」と声を掛けてくださったり、試合後にもアドバイスをくださったり。私は褒められて伸びるタイプなので(笑)、(コズエンの見習いになって)まだ1ヶ月も経っていないですけど、自分の中では結構成長させてもらっている実感があります」

中野たむ率いるコズミックエンジェルズの見習いとして奮闘中【写真提供:スターダム】
中野たむ率いるコズミックエンジェルズの見習いとして奮闘中【写真提供:スターダム】

私が優勝したら本当の意味での“シンデレラ”になれる

 実は、これまでのタッグ戦でも玖麗が入っているカードはすべて玖麗自身に黒星がついている。

「もちろん自分は頑張っているつもりなんですが、どうしたらいいんだろうと思うところはあります。まだ技も少ないですし。でもスピアは結構な手応えがあるというか、ここぞ!というときに出している技なので、そのスピアを磨いていって最終的に勝つことができればいいなと思いながら練習をしています」

 このような状況で出場する『シンデレラトーナメント2024』で、玖麗は3.9横浜武道館大会で大江戸隊の刀羅ナツコと当たる。1回戦からなかなかの曲者が相手となってしまった。刀羅は2.17後楽園ホール大会のジュリア戦以降、明らかに正攻法にシフトしてきていることも気になるところだ。

「この間戦ったナツコさんは、私の想像していたナツコさんとはちょっと違いました。凶器も反則も全然ないですし、エルボーを打ったときも「もっと来いよ」みたいな感じで正々堂々と受け止めてくれて。希望を捨てずに勝つ気で行けば勝てるチャンスはあるのかもと。シンデレラトーナメントはルールも変則(1回戦は10分1本勝負、オーバーザトップロープルールも採用されるため、過去にも多くの番狂わせが起こっている)なので、この後コズエンの皆さんと作戦を練ってきます」

 皆さんご存じの通り、物語の『シンデレラ』は一夜で王女へ駆けあがった。未勝利の玖麗がこのトーナメントで優勝すること、それこそ今のスターダムにおける本当の『シンデレラ』の誕生といえよう。

「私がいるブロック(2回戦にはシードでAZMが控えている)は、全然シンデレラにさせてくれない感じなんですが(笑)、私が優勝すれば一番シンデレラのイメージですよね。私はデビュー前から白のベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)を獲りたいと思っているので、(現ワンダー王者の)安納さんがXで私と戦いたいといってくれていますし、(優勝したら)その勢いで戦ってみたいです。あとフューチャー(・オブ・スターダム王座/現王者は吏南)は、弓月もHANAKOさんも天咲(光由)さんも獲れなかったので、私が獲ったら同期の中で一番になるためにも獲りたいですね」

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