手塚治虫の名作『ミッドナイト』初の実写化で短編映画に 主演に賀来賢人、監督は三池崇史
手塚治虫による最後の週刊少年漫画誌連載作品『ミッドナイト』が19分のショートフィルムとして初めて実写化され、6日14時より公開された。主人公のタクシードライバー・ミッドナイトは賀来賢人が演じ、加藤小夏、小澤征悦ら、ナレーションで大塚明夫も参加。メガホンは三池崇史監督がとった。
手塚治虫による最後の週刊少年漫画誌連載作品を全編iPhoneで撮影
手塚治虫による最後の週刊少年漫画誌連載作品『ミッドナイト』が19分のショートフィルムとして初めて実写化され、6日14時より公開された。主人公のタクシードライバー・ミッドナイトは賀来賢人が演じ、加藤小夏、小澤征悦ら、ナレーションで大塚明夫も参加。メガホンは三池崇史監督がとった。
『ミッドナイト』は1986年5月から87年9月に手がけられ、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて連載された、手塚治虫の隠れた名作。無免許のタクシードライバー・ミッドナイトが、車体の下に「第5の車輪」を搭載した特別仕様のタクシーで、奇妙な客を乗せて夜の街を走る姿を描く。
原作は毎回1話完結形式だが、今回の実写化ではミッドナイトが命を狙われている若い女性トラック運転手・カエデと出会い、彼女の逃亡に手を貸すというエピソードが選ばれている。カエデを加藤、カエデを狙う殺し屋を小澤が演じている。
本作は、iPhoneのみを使って作品を撮影する企画「iPhoneで撮影-Shot on iPhone」の一環として制作され、全編iPhone15 Proを使って撮影された。三池監督は、全編iPhoneでさらに手塚治虫作品の実写とあって「無茶なことを考える人がいる(笑)」と苦笑しつつも、「20歳のときに助監督となって初めて行った現場が加山雄三さんの『ブラックジャック』だった。それがあっと言う間に月日が流れ、43年たって自分が手塚作品の監督ができるのが感慨深い。それだけで気持ちが乗りました」と“縁”にしみじみ。
ミッドナイト役のオファーを受けた賀来は、「出演を決める要素は少なからずありますが、1番大事にしているのは“ワクワクすること”や、“やったことがないこと”。企画書をいただいたとき、ワクワクする要素がてんこ盛りで、即やりたいと言いました。そのくらいチャレンジングな企画でした」と出演理由を説明。この日、初めて完成作品を観て「参加してよかった。手塚さんのスピリッツに三池さんのエッセンスが足されていて、いま興奮しております」と仕上がりに胸を張った。
iPhoneでの撮影について、三池監督は「再デビューのような新しい気持ちで臨んだ。こびりついた概念が崩れていきましたね。あれだけ無茶な撮影をしてもトラブルがゼロ。1台も壊さずにお返しできました(笑)」。賀来は「語弊があるかもですが、ここまでのクオリティは想像していなかった。めちゃめちゃ興奮しました」と振り返った。
また、エンディングテーマには昨年11月に死去したチバユウスケさんがボーカルを務めたバンド・THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「Midnight Klaxon Baby」が採用されている。本作はApple Japan YouTubeにて公開中。